投資をするならお金を増やしたい!と思うのは当然のことですが、その気持ちとは裏腹に、誰もが陥ってしまう「しくじり投資」について考えてみたいと思います。
*一部参考:日経ヴェリタス 2023年2月5日発行第778号
目次
投資を続けていく中で、「これをしてはダメなのに…」と頭では分かっていても、いざ自分の事になると、ついやってしまう行動があります。
この「ついやってしまう行動」によって損失が拡大してしまうことも多いのですが、どうしてこのような非合理的な判断をしてしまうのでしょうか。
行動経済学の分野で投資家心理が解明されてきているので、その一部をご紹介していきます。
投資を始めた個人投資家が何を参考に投資をしているかをまとめた調査があります。
*みんなはどうしてる?投資の実態調査(5)投資の情報収集・相談
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/40076
この結果をみると、多くの方がYouTubeやインターネット検索をして、情報を得ていることがわかります。
特に最近は
・タレントユーチューバー
・元大手金融機関トレーダー出身のユーチューバー
などの有名人、権威のある方が投資についても、日々情報を発信されています。そのような方が推奨する銘柄であれば、親近感や信頼感から購入に至るケースが多いかと思います。
特にコロナ禍で、米国株の上昇が続いていた時期は、多くの有名人が「米国株を買ったらいい!!」と伝えられていました。
しかしながら、2022年後半からの市場はどうだったでしょうか。
米国株は下落に見舞われ、S&P500ベースの年間騰落率は、2021年:+26.9% → 2022年:-19.8%との結果となり、米国株に多くの資産を保有していた方は、損失を被る結果になったのではないかと思います。
このように、著名人などの意見に信頼を置き、「正しい」と感じてしまうことを、「権威付け効果」と呼んでいます。
自分が買った商品の価格を基準に「高い」「安い」を判断してしまうことを「参照点依存性」といいます。
例えば一株100円で購入した商品があり、それが80円になったら「安い」と感じ、120円になったら「高い」と感じる心理を指しています。
本来であれば、株価はその企業の業績や、その他の指標を評価して、高い、安いを判断するものですが、自分が「購入した時の買値」が基準になってしまうということです。
この心理によって、株価が下落のトレンドに陥っているにも関わらず、損切りすることができず、塩漬けになってしまうケースも多く見られます。
株価が上昇し続けていると、「なんだかこの先も上がり続けるのでは?」と思ってしまうことが多々あります。
この心理を「現状維持バイアス」と呼びます。
先ほども事例にあげたコロナ禍において、米国株が上昇し続けている際に、多くの個人投資家が米国株を購入したといわれています。
これも今思えば、「ずっと米国株は上がり続けるだろう」との「現状維持バイアス」の心理が働き、起こった社会現象だったのです。
では、これらにハマらないために個人投資家ができることは何があるのでしょうか?
人生デザイン構築学校(JDS)でお伝えしている投資における心得をご紹介します。
「投資」と一言でいっても、実はたくさんの手法があります。
料理に例えるのであれば、「カレー」の作り方が人によって違うように、投資にも様々な手法があるということです。
ですから、「今日はこの人がオススメする手法で投資をしよう。明日は・・・」と投資手法を変えていくこともできる訳です。
しかしながら、投資の神様ウォーレン・バフェットも「ルールを守ること」との名言を残している通り、個人投資家の私たちも、自分が決めたルールを守ることが大切です。
そして、このルールが「投資哲学」に当たります。
投資哲学では、予め自分の投資目的や投資手法を宣言しておきます。
このルールを守る(投資哲学を守る)ことが、「しくじり投資」をしないための第一の心得です。
投資について情報を収集していくと、「テンバガー(ある時点から株価が10倍以上に成長する銘柄)特集」などの情報にたどり着くことも多いです。
このような10倍に成長する銘柄を購入することが「投資」だと思ってしまうと、「すぐにお金を増やさないと投資ではない」と思いこんでしまうかもしれません。
ですが、私たち個人投資家が資産を増やしたい理由とは何でしょうか?
多くの場合は、「老後の資金」や「子供の教育費」といわれています。そう考えるとどうでしょう、今すぐお金を増やす必要がないことが分かります。
テンバガーのような爆上がり銘柄に投資をすることは、リスクを伴うことでもあります。
具体的には、投資をして値上がりする確率と、下落する確率は同じだけあります。つまり、テンバガーのように値上がりする確率が高ければ、同じだけ値下がりする確率もあるということです。
「将来に向けての資産をつくる」と、投資の目的が明確で、長期目線で投資をしていくのであれば、あえて大きなリスクをとる必要もありませんよね。
このように、投資の目的・期間を予め考えておくことで、大きなリスクをとることを回避でき、だからこそ自分の大切な資産を守り抜くことができるのです。
投資を続けていくと「今値上がっているから、このタイミングで買っておかないと!」との気持ちになる時が必ずやってきます。
そして、同様に「今すぐ売らないと!」と思う時もあるのですが、このように「タイミングをとる投資」というのは、半分の確率で当たり、半分の確率で外れます。
売買のタイミングを都度判断する投資手法は、欲が出てしまったり、焦ってしまうことも多々あり、感情的に反応し、冷静な判断ができなくなってしまいます。
前項でお伝えした「投資哲学を守る」ことも忘れてしまい、結果として時間とお金を失うことになりかねません。
こうした、人間なら誰もが陥る可能性のある感情に支配されないように、購入タイミングを「定期にする」という手法があります。
一般的にはドルコスト平均法と言われていますが、毎月月末なら月末に一定金額を購入するという手法です。
この手法によって、自分の感情を投資に介入させる余地をなくすことで、資産が構築されていくことが長年の研究によって分かっています。
投資とは「こうすると上手くいく」ということは頭で理解していても、売買のタイミングで「感情」が邪魔をしていきます。
これが、行動経済学上で分析されているしくじり投資の落とし穴であり、我流で投資をされている個人投資家の方が資産を増やせない原因の一つになっています。
ですが、これらの落とし穴を未然に防ぐ投資手法も存在しており、それがJDSでお伝えしている資産形成の方法です。
もし今後、自分の資産を安心安全に増やしていきたい、と思われるのであれば、今こそ正しい投資手法を学んでみてください。
ご自身の資産を守りながら、着実に増えていく未来が築かれ、何年か後に、「あの時、学んでおいて本当に良かった」と思う日がくることを確信しています。
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人生デザイン構築メソッド®︎は、キャリア・資産形成・精神性の3つの柱で自分の人生をデザインしていく体系立ったメソッドです。