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2016
05月18日

変化の潮流をポートフォリオに組み込む

今年は年明けから世界の株式市場は混乱
しました。が、それもすでに持ち直しています。
米国では、市場の混乱にもかかわらず、
約1700本の上場投資信託(ETF)に
年初来で約350億ドルが流入しています。
なぜ、ETFがこれほど人気なのでしょうか。
それは、ETFを利用することで、個人投資家
であっても、世界中の株式、債券、実物資産
へと分散された、プロが作成するような
複雑なポートフォリオを自分の手で作れるためです。
長期で安定して堅実に資産を増やしていきたい
長期投資家も、中短期の動向を全く無視して
いいわけではありません。
よく、インデックスファンドは、買ってから
放ったらかしにできるといいますが、それでは
管理ができていないことになってしまいます。
お金は管理されていない所から管理されている
所に流れます。
意識を向けてくれる先に流れるのです。
そして、
市場には「サイクル」というものがあります。
全て、万物にはサイクルがあるのです。
それが、潮流を作り出します。
この、変化の潮流を読めたら、投資も
変化の少し先にポートフォリオを少し
いじって、サイクル的なチャンス*をも
取りにいくことができます。
これは、上級の投資家の方にお勧めな方法です。
(注*:もちろん、構造的な変化がもたらす
チャンスも取ることができます。
構造的=長期
サイクル的=中短期
と理解してください。)
***
では、その潮流はどのようにしたら
少し先に読むことができるのでしょうか。
現在の世の中は中長短様々なサイクルが
絡み合い影響を与えあっています。
何がどういう経路を通って、何に影響を与えるか
このからくりを知ることが、少し先の
潮流を読むことにつながります。
そして、それに従って、少し先に
ポートフォリオを調整する。
チャンスがある所に、自分のリスク許容度の
範囲内で(これ大事です)少し振り向けてみる。
それも、ETFを使えば、可能です。
では、ETFを使って少し先のチャンスを
織り込んだポートフォリオを
どのように構築できるのでしょうか。
***
ETFの魅力の一つは、手を出しずらい原資産にも、
投資しやすいことです。
(原資産:株とか債券とか、ETFが組み入れている資産のこと)
原油市場が安定し、米国ではずっと低迷
していたインフレ率がわずかに上昇の兆しを
見せはじめました。
賃金の伸びも上昇し始めています。
(賃金の伸びは、インフレ率を押し上げる
大元なので、ウオッチしておかなければ
ならない重要な経済指標です。)
インフレ率が高くなると、FRBは利上げを
敢行する正当な理由を得ることができるので、
利上げの可能性が高まった、と市場は判断します。
今は、中央銀行の金融政策が資本市場の
パフォーマンスを決める構造にあります。
過去にこれだけ各国の金融政策に市場が
右往左往することは、ありませんでした。
経済政策は、中央銀行の金融政策と政府の
財政政策の2大柱で運営されますが、
今は、中央銀行の時代なのです。
***
ただ、マイナス金利を導入しても、経済の
活性化が見られない日欧に見られる通り、
金融政策の効用については、
疑問視する声も上がっています。
特に、先進国は、そろそろ財政政策の
出番では?という声が出てきています。
財政政策とは、一言で言うと、政府の
歳出を増やして、経済活動を活発にさせる
ものです。
道路や橋など公共投資をして建設会社に
発注してお金を払い、建設会社が下請けに
お金を払い、それぞれの従業員のお給料が
増え・・・、といった波及効果を狙ったものです。
政府が歳出を増やすためには、より多くの
債務を発行しなければなりません。
それは政府の財政状況の悪化につながり、
通貨が切り下がります。
そうすると、何が上がるのか。
金です。
金はそのものに価値があります。対して、
通貨はそれ自体には価値がなく、ただの
紙切れです。
なので、世界各国の大半が通貨を
切り下げている際に金は上昇する
傾向にあります。
特に、金は米ドルで取引されていることも
あり、米ドルと金価格は逆に動く関係にあります。
なので、米国で財政政策に力を入れる
ようになれば、金市場を下支えする
可能性があります。
金への投資方法としては、様々なものがあります。
金地金を買うのも楽しいですが、
金鉱山会社の株を買うことでも、
金へのエクスポージャー(ポジション)を
持つことができます。
年初来、米国の金鉱株は80%上昇しています。
セクターとしては、金鉱株は「素材セクター」
に分類されています。
同じセクターは国をまたいで同様の
動きをします。
日本の素材セクターのETFを買うことでも、
金市場へのエクスポージャーを持つことができます。
このように、金融市場のからくりを知り、
大きな潮流を理解すると、
自分のリスク許容度の中で、サイクル的な
チャンスを生かしたポートフォリオを
組むことができます。
基本は、インデックスファンドによる
基本4資産のポートフォリオをコアに
しっかり持って、
サテライト(補完)として、少量を
こういった尖った投資をすること。
自分のリスク許容度内で何%サテライト
投資が可能なのか、分析検討できる
投資の上級者は、ぜひ取り入れてみたいですね。
それでは、今週も輝く1日を!
愛と感謝を込めて
(ご注意:これは、サイクルの先取りが大事
という話の例として金を上げたもので、
今、金の組み入れを推奨するものではありません。
投資は自己判断でお願いいたします。)

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