忙しい人のための資産運用手法 (2) ーアクティブ・ファンド

前回は、パッシブ・ファンドについてお伝えしました。
忙しい人のための資産運用手法 ーパッシブ・ファンド

パッシブ・ファンドとは、日経平均株価やTOPIXなど、市場の代表的な指数に、リターンが連動することを狙ったもので、指数を構成する全銘柄を、指数と同じ割合で組み入れたファンドのことでした。ファンド・マネージャーは、銘柄選択のための分析が必要ないため、信託報酬はアクティブ・ファンドより安くなるのでしたね。

なので、投資をこれから始める方は、最初はパッシブ・ファンドから始めるのが良いとお伝えしました。

そして、パッシブファンドへの投資を通じて、投資の経験や知識を増やし、リスク許容度(自分が取れるリスク)を高めます。

リスク許容度が高まったら、取るリスクを少し上げてみましょう。その際に、登場するのがアクティブファンドです。

アクティブファンドは、パッシブファンドには勝てないとよく耳にしますが、どちらに投資したら良いのか? という質問は愚問です。

何故ならば、どちらもそれぞれ特性があり、得意な投資環境が異なるためです。さらに、取っているリスクも全く異なります。

よく、アクティブファンドはコスト(信託報酬)が高い割にパッシブファンドよりリターンが低いので、パッシブファンドに軍配が上がるとの主張をよく見かけますが、信託報酬とリターンのみで比較するのは、ナンセンスです。

構造上、どちらがより高いリターンが狙えるかと言ったら、アクティブファンドなのです。では、何故、実績上では、パッシブファンドの方が高いリターンが出ているのでしょうか。

それは、計測する期間に関係しています。リーマンショック後のこの10年は、パッシブファンドに有利な相場環境でした。パッシブファンドに有利な相場環境とは、詳細はここでは割愛しますが、ボラティリティ(変動性)が少なく、一本調子で相場が上がる環境です。

アクティブファンドは、市場全体から優れた(と思われる)銘柄を選別して選別投資をする手法です。銘柄それぞれが、企業の実力に平仄を合わせて別々の動きをする相場環境で、実力を発揮します。

相場がマクロ環境に影響されて、どの銘柄もこぞって上がる、こぞって下がる相場環境では、アクティブファンドは実力を発揮できないのです。

それは、実力がないのではなく、発揮できる機会がなかったということです。その期間の実績を持って、アクティブはパッシブに劣る、と結論づけるのは、真実ではありません。
では、アクティブ・ファンドの優位性は、何でしょうか。

アクティブ・ファンドの優位性

アクティブ・ファンドは、通常、銘柄を選択する際の手法やスタイルが決まっていて、その手法やスタイルで選別された銘柄、いわば、「選ばれし銘柄」で構成されるファンドです。例えば、バリュー・ファンドというのは、PERやその他の「バリュエーション」と呼ばれる指標で見て、割安度の高いものばかりを集めたファンドです。

その対極にあるのが、グロースファンド。バリュエーション指標で見て、割高なものばかりを集めたファンドです。割高なものをどうしてわざわざ買うのか。それは、企業の業績にまだ現れていない、将来の成長性を買っているからです。

なので、割高なものを買うというより、成長性で選別すると、市場の他の参加者も成長性を見て買っているので、結果としてバリュエーション指標が割高になります。

株価には、適正価格というものがあります。企業の業績や競争力など実力を考慮してそれに適正な価格というものが算出されます。適正価格は、価格そのものでも表されますが、純利益に対する株価=PER=株価/一株当たり純利益、や、純資産に対する株価=PBR=株価/一株当たり純資産 といった指標で表されることもあります。

例えば、世界の株式の過去60年ほどの平均PERは、16倍程度です。市場全体を示す指標(インデックス)のPERがこの水準を超えると、「米国株式は割高だ」、これより低くなると「日本株式は割安だ。」という言い方をします。

日本株式市場の参加者のうち7割を占める外国人投資家は主にプロ投資家ですから、こういった「市場全体の割安度」を見てから、個別銘柄を買いに来ますので、全体のPERを見ておく、ということは、非常に重要です。

業界毎にも、過去の平均的なPERやPBRの水準はこれ位、というのがある程度あって、それとの比較で割安度を判断したりもします。

純利益や純資産は、実績として明らかになっている過去の期のものを使うこともありますが、来期の業績の予想を使うこともあります。その場合、来期の予想の出し方がアナリストによって異なるので、分母が異なりますから、PERも算出する人によって変わってくることになります。

コツコツ投資の順番

インデックス・ファンドや投資信託、ETFを活用して投資を始める際には、パッシブ・ファンドでまず、市場全体へのエクスポージャー(持ち高)を持って、プラスアルファで、市場平均リターンより上を目指す目的で、アクティブ・ファンドを購入するというやり方があります。

すでにある程度の投資資金を持っている方の場合、ファンドの選別は、全体のアセット・アロケーション(日本株式、日本債券、世界株式、世界債券など、各資産クラスへの配分割合)を決めてから、することが肝要です。

ファンドを選んだ結果として、日本株式が全体の40%になっていた、世界株式が30%になっていた、のではなく、最初に配分を決めてから、各資産クラスにおけるファンドの選別に入り、各ファンドへの配分(投資金額)を決めます。

貯蓄から始める方の場合は、貯蓄額が自分の決めた額を上回った分を投資に振り向けますが、その場合は、リスクの小さい資産クラスのパッシブ・ファンドを買うことから入ります。そして、その資産クラスへの投資額が貯蓄額と同じ額になったら、次に少しリスクの高い資産クラスのパッシブ・ファンドを買います。

アクティブ・ファンドの購入は、その資産クラスのパッシブ・ファンドへの投資を行ったあと、次の段階でアクティブ・ファンドを購入します。パッシブへの投資をしている間にリスク許容度を高め、アクティブのリスクが取れるようになったら、パッシブに加えて、アクティブを購入します。

パッシブかアクティブか、ではなく、自分のリスク許容度に合わせてどちらも買っていくのです。

アクティブ・ファンドのメリットは、その時々に有効だった手法やスタイルのファンドを持つことで、市場平均(インデックス)を上回るリターンが期待できる点にあります。デメリットは、銘柄選択をするのに調査分析にかかる費用分、運用コストが高くなる点です。

ついでにお伝えしておくと、アクティブ・ファンドの分析方法には(運用プロセスと呼びます)には、トップダウン・アプローチと呼ばれるものと、ボトムアップ・アプローチと呼ばれるものがあります。

トップダウン・アプローチとは、世界の経済状況を見ながら、投資する市場や資産、業種などの配分を決めてから、個別銘柄の選択をする運用手法です。一方、ボトムアップ・アプローチとは、配分は決めずに、個別銘柄の調査分析を行って、良いと思うものから買っていく手法です。この場合、1社あたりの投資上限を全体の何%までという風に決めている場合が多いです。

ボトムアップ・アプローチには、ファンダメンタルズ分析、クオンツ分析などがあります。アクティブ・ファンドを買う際には、投資手法や運用プロセスまで吟味して、自分の目的、価値観に合っているかを検討して買うことが重要です。

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