「中庸思考」-この言葉は、人生デザイン構築学校(JDS)が主宰するクラブハウスやポッドキャストをチェックしているみなさんは、何度か耳にしていると思います。
中庸思考は人間行動学の権威Dr.ディマティーニが発見した「バランス思考」を私たちの日常生活に起きる出来事に応用できるように、さあや学長が体系化したものです。
今回、この中庸思考に特化して学び、「精神性の成長を遂げながら、真に成功する人を増やす」ことを目的とした講座「中庸思考ベーシック講座」が開講されることになりました。
講座開催に先立って入門講座を開催しますが、こちらに参加するだけでも、中庸思考を身につける上での大切なポイントを知ることができます。
今回は特別に、入門講座の内容の一部をお伝えします。
「自分が『マイナス』と受け取った出来事(試練)には必ず『プラス』の側面(支援)があることに気づき、人生が愛と感謝に満ちたものになる」
中庸思考を簡単に説明するとこのような言葉になります。
詳細はこちらをご確認ください。
中庸思考は論理的で、古来日本が育んできた文化にもなじみやすいので、この考え方を耳にしたとき、
「そのとおりだ、マイナス面ばかり見て嘆くのではなく、物事の両面を見るようにしよう」と賛同される方は多いと思います。
ですが、私たちは欧米文化圏で生まれた資本主義社会の中で生きており、中庸思考とは相反する価値観に日々晒されています。
また学校教育の影響もあり、他者と比較する癖や、一面的な幸福感の思いこみ、ポジティブを善とする考え方が、知らず知らずのうちに私たちには刷り込まれています。
中庸思考を理論としては理解できても、今までの思考法からはなかなか脱することができません。中庸思考を身につけて怒りや不安に支配されずに日常を送り、精神性を向上させていくには、地道なトレーニングが必要です。
たとえば「友人に悪口を言われた」「信頼していたのに裏切られた」と思って怒りや失望の感情が湧きあがった時、中庸思考を知っていると「物事にはプラスの面があるのだから、それを見つけて感謝にしていこう」と考えられるでしょう。
ですが、大きく感情がゆれ動いたとき、すぐにプラスの側面を見つけて感謝に変えることは、長年中庸思考に親しんでいる人にとっても難しいことです。
プラスの側面が見つけられない自分にがっかりして、それでもなんとか中庸の状態になろうとして負の感情にふたをする -これは中庸思考とは異なりますし、このやり方で精神性の向上は望めません。
日々中庸の状態であろうとして、無理矢理自分の感情をなだめている。それが中庸の状態だと思って、我慢している方もおられるでしょう。
本講座の講師である松野麻由子が、今回中庸思考に特化したコースを開設したのは、コーチングを続ける中で、そのような例を目にしてきたからです。講師自身、自己否定感が強いという特質を持っていたため、中庸思考を身につけることができず、苦しんだ期間が長かったのだそうです。
人は成長する過程でそれぞれが思考の癖を身につけていきます。我慢して中庸であろうとすること、それも思考の癖のひとつです。
中庸思考を自分自身の中に落とし込むためには、「自分は精神性の進化成長のどの段階にいるのか、そしてどのような思考の癖があるのか」に気づく必要があります。そのうえで、何にどのような意識をむければいいのかについて考えていくのです。
精神性の進化成長とはどのようなものかについて、発達心理学の観点から説明します。
最初、人間に「個」の意識はありません。母親のおなかの中で胎児は母親の一部です。そして、生まれた後もしばらくは他者と自分の区別がつきません。これは「自我以前の段階」で、赤ん坊は、母親を含む他者の世界と自分を一体として捉えています。
成長するにつれて、自分と母親は別の存在であることがわかってきます。また、他者からの要求に対して、自分はやりたい、やりたくないという、他者とは別の意識が働いていることに気づきます。これを自我の発生と確立の段階と呼びます。
そして、さらに精神的成長を遂げると、自我を超越して他者を含む世界との一体感を感じる状態になり、深い精神的安定が得られます。これが、世界が愛と感謝のエネルギーで成り立っていることを自覚した状態です。
中庸思考ではこの段階に到達することを目指していますが、この状態に至るためには、前段階として、自我の確立、すなわち「自分は何を感じているのかを自身で捉える」必要があるのです。
中庸思考のワークをやっても「試練によって生じた支援をいくつも書きだしたが、ピンとこない。支援を見つけても感謝の気持ちが湧いてこない」いう話を聞くことがあります。
これは、自分にとって何が試練で、それに対する本当の支援は何かが、はっきりと捉えられていないからです。
ですが、自分にとって何が嫌で、何が欲しいのか、自分でもよくわからない――世の中にはこのような精神性を持つ人が多く存在しています。
これは、日本では家庭や学校で、「人の迷惑になることはしないように」とか、「お友達の気持ちを考えましょう」など、客観的思考を大切にするように教育されてきた影響が大きいと思われます。
本来であれば、客観的思考を身に着ける前に、「自分は何をしたいのか」という主観を育てる必要がありますが、その段階を飛ばして社会と一体になる訓練を繰り返しているので、自分がどう感じているかを捉えられないまま大人になっているのです。講師も、JDSに入った時にはその状態だったと言っています。
ですから、中庸思考によって試練に対する支援を探すためには、まず、「友達が泣いていた」「親が悲しんだ」など他者が何を感じたがではなく、「自分が何を嫌だと感じたのか」がはっきり捉えられるようになる必要があるのです。
自分に向き合って主観を育てるためにはトレーニングが必要です。中庸思考ベーシック講座では少人数制なので、各人の状態に応じたサポートを行うことができます。
以上、中庸思考入門講座の内容の一部を紹介しましたが、他にも
・多くの人が越えられない壁――精神性の成長を阻む3大要因とは
・感情の正しい扱い方と「認知」にアプローチする中庸思考
など、中庸思考を理解する上で、他では聞くことのできない興味深い解説が、入門講座には盛り込まれています。
入門講座を受講することで、自分自身に対する理解を深めることができるでしょう。そして中庸思考について、さらに深く学ぶことができます。
興味を持たれた方は、ぜひこちらから申し込みください。
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