体験講座・
セミナー

オウンドメディア Owned

2020
04月12日

世界はバランスでできている(ドクター・ジョン・F・ディマティーニ)【書評】

世界はバランスでできている(ドクター・ジョン・F・ディマティーニ)【書評】

~ バランスの法則に基づいた「感謝の魔法」で、人生を素晴しいものにしたい人のために ~

この本は、感謝の魔法について書かれています。
感謝をしましょうとは良く言われますが、その意味や、なぜ感謝をすることが良いのか、そのカラクリまでを論理的に明確に説明している本は、少ないと思います。

本書は、真の感謝と、それが引き起こす感謝の魔法、そのからくり(バランスの法則)について、明確に論理的に説明をしている、数少ない本の一冊です。
感謝が大事とはよく聞きますが、なぜそれが大事なのか、その効用にはどんなものがあるのか、理論的に知りたい方には、うってつけの本だと思います。
本書を読む前に、知っておくと良いことがあります。
それは、著者が使う『感謝』の意味です。通常、私達が感謝をするとき、『プラスと思える出来事』に対するものだと思います。
著者は、「ネガティブな出来事」や「嫌いな人」にも感謝の気持ちを持つことの大切さを説いており、著者が「感謝」と言う場合、後者の意味で使っています。
ネガティブな出来事やプラスと思える出来事に感謝などできるのでしょうか?
それが可能となる秘密が、本書のタイトルにもなっている、『バランスの法則』に隠されています。
これは、人間行動学の権威である、著者、Dr. ディマティーニが長年の多岐に渡る分野における研究で見出し、40年超に渡るセミナーで実証された法則で、やり方さえわかれば誰でもできるものです。

感謝の魔法のカラクリと、誰でも、ネガティブな出来事や嫌いな人にも感謝ができるのはなぜか?
それをすると、具体的に人生がどう変わるのか?などを知りたい方、そして、それを実践し、人生を素晴らしいものにしたい方にお薦めの本となっています。

 

著者 ジョン・F・ディマティーニについて

Dr.ディマティーニは、人間行動学のスペシャリスト、教育者、作家であり、人間行動学と自己啓発の分野で世界的な権威として知られています。
彼は、人間教育のための複数の分野を教える72のカリキュラムを提供する調査教育機関であるDemartini Instituteを創設しています。
出版時点で38年間(2020年時点で47年間)にも及ぶ調査研究の結果完成したメソッド「ディマティーニ・メソッド」と「ディマティーニ・バリュー・ディターミネーション」は、これまで世界各国の人間教育プログラムに採用されています。

 

本書の概要

Dr.ディマティーニは、プラスと思えることに感謝するだけでは不完全で、マイナスと思えることにも感謝することが必要だと説いています。

マイナスと思えることに、どうやって感謝出来るのか?という疑問が生じることと思います。
世界はバランスで出来ています。
全ての物事、出来事には、必ず、自分にとってプラスの側面とマイナスの側面がある。
それが、この世の真理です。どんな出来事にも例外はありません。
ですので、マイナスと捉えた出来事の、プラスの側面を見いだせれば、マイナスの出来事にも感謝の気持ちが湧いてくることになります。

物事や出来事には、本来、マイナスやプラスはなく、全てがニュートラルです。
マイナスやプラスと捉えるのは、人間です。その人の認知の仕方、受け取り方が、その出来事にマイナスやプラスという電荷を与えてしまっているのです。

ニュートラルの出来事をマイナスに取ったとしたら、それはプラス面が認識されていないことになります。
そこで、見えていないプラスの側面を探しに行きます。
プラスが見つかれば、その出来事に対し、これを経験してラッキー、とプラスの感情が自然に湧いてきます。
すると、さっきまで感じていたマイナスの感情が消え失せてしまっていることに気づきます。
その結果、心は、感謝で満たされることになります。感謝を感じている状態は、愛に満たされている状態と同じです。
マイナスと思っていた出来事にプラスを見いだすことで、心が愛と感謝で満たされるという、感謝の魔法が起こります。
 

この本の原文は「The Gratitude Effect」です。
「感謝の効果」が直訳ですが、「感謝の魔法」と訳され、本書の中で最も多く出てくる言葉です。
カラクリがわからない人から見たら、これは魔法に見えるのですが、本書を読んで内容を理解すると、これは、魔法や奇跡などではなく、理屈に叶っていることがわかります。

本書のタイトルを「感謝の魔法」ではなく、「世界はバランスでできている」としたのは、真の感謝を理解するための法則にフォーカスしたからだと思います。
実際、感謝の記述と裏打ちするバランスの法則は対として出てきます。

感謝の魔法にフォーカスして読んでみても良いですが、バランスの法則についてフォーカスして読んでみるのも面白いと思います。

本書は、各章の最後にまとめのページがあり、重要な部分は太字で印刷され、実例は本文と異なる自体を用いるなど、読者が読みやすくなるように工夫されています。
少し理解しにくい概念的な部分に、実例が挿入されているので、読者はこの部分を読むと腑に落ちることと思います。

なお、バランスの法則と感謝については、中庸思考®︎も含めて、ミッションミッケ人生デザイン研究所でもブログを多数紹介しています。
例えば、こちらの記事で確認いただけます。

各章の内容

本書は全9章から構成されています。
全体を3つに分けて、本書を読んだらどんなことが得られるのかを紹介して行きます。

感謝の魔法、感謝とスピリチュアルの考察、あなたの天才性を目覚めさせる方法

最初に、バランスの法則を含む宇宙の法則、真の感謝とは、感謝の魔法について詳しく説明されています。

私たちがなぜ、良し悪しの認識を持つのか、人が、誰かに夢中になったり、悪いものと決めつけたりした場合、感謝の観点からはどういうことになるのか、だから、人をジャッジしてはいけないことが述べられています。
そして、ポジティブあるいはネガティブといった偏った心の状態をバランスの取れたニュートラルの状態に戻すことが感謝の魔法への目覚めであり、真の感謝をするとどのような効果があるか記述されています。

実例として、オフロードバイク選手であった息子が大けがをしたことで神に対して憤りを覚えた母親がプラスの側面を探すと、大けがで息子が自身の持つ治癒力を目覚めさせ、結果的に大成功をおさめ、さらに、母親もレースのたびにケガを心配する事から解放されたことが紹介されています。
 

次に、世の中には正反対の価値観を持つ人がいること、それによってバランスが保たれていることが説明され、更に、異なる価値観を持つ人に対してはどのようにしたら良いかを知ることが出来ます。
あなたの天才性については、人は本来、天才性を備えているので、天才になるのではなく、どうすれば天才性を発揮できるのかについて知ることができます。

実例として、スランプに陥り、長い間作曲が出来なかったロックバンドの作曲家との飛行機の中でのやりとりが紹介され、ネガティブと思えることを取り除いたら感謝の魔法が起きて、その場で作曲が出来た話が挙げられています。
ポイントである魔法がどのように作用したを理解できます。

感謝の魔法のもう1つの実例として、ワークの最中に、お姉さんに嫌悪感を持っていた男性が、愛と感謝で一杯になった瞬間に11年間も連絡がなかったお姉さんからセミナー会場に電話がきたことが紹介されています。
土曜日夜11時のことでした。この奇跡とも思えることは、実は、感謝の気持ちによって、自然の法則が作用しているだけのことだということも理解する事ができます。
 

好きな事を仕事にし,今の仕事を好きになる、感謝の影響力を利用して財産を気づく方法、家族の間に働くダイナミクス

ここでは、人生の仕事の領域、資産の領域、家族(人間関係)の領域で、バランスの法則を考えながら、真の感謝を適用する具体例が述べられています。

仕事の領域では、ディマティーニが開発した、ディマティーニ・メソッド、バリュー・ファクタと併用され、感謝はそれらをエンハンスするものとの位置づけにも見えます。
その一方で、これらの手法とは無関係の、ディマティーニの若いころの経験(与えられた仕事にただただ感謝して働いたら昇進のオファーが来た)も実例として紹介されています。

財産の領域では、人はみな既に富を持っているが、その富をお金の形に変えるには、どのようにお金に感謝したら良いのかが説明されています。
資産形成したい人の精神的な在り方についての必読の書です。
 

人生のマトリックス、感謝が持つ奇跡のヒーリングパワー、感謝のたびに向けて

後半部はバランスの法則にややウエイトが置かれた記述になっています。
全ての物語には2つの話があり、純粋にネガティブな出来事も、ポジティブな出来事もないことが説明されています。

スマトラ沖大地震の大きな被害を被った事についても、デメリットと同じくらいメリットがあった事が紹介されています。
同じく、9.11 世界貿易センタービルの事件についても、恩恵を伴わない危機は絶対ないとして、ディマティーニはこの出来事の恵みについてリストアップしています。

次に身体と感謝について記述されています。
私たちの身体の不具合は実は症状を通して、感謝と愛のバランスの取れた状態からどれ位づれているかをフィードバックしてくれているのです。
これに対して、感謝の魔法が働くと、どのように全身の機能が最適な状態に戻るかを理解する事が出来、感謝が身体の最高のヒーラーであることがうなづけます。

最終章の感謝の旅に向けてでは、ディマティーニの経験上、人が感謝することが最も難しいと感じる、間違いに対する感謝、愛する人を失うことに対する感謝について説明されています。

間違いに対する感謝は、この本の卒業試験のようなもので、間違いということが正しい認識ではないと読者も思い浮かべられることでしょう。

愛する人を失うことに対する感謝については、一見、難しそうですが、バランスの法則を用いて明快な説明がなされ、なるほどなと読者もうなづくことでしょう。

 

感謝の魔法で人生をすばらしいものにする

本書を読むことにより、本当の感謝とはなにか、その基本的な考え方である、バランスの法則がどのように感謝に係わっているか、本当の感謝が出来るようになるにはどうしたら良いか、更に感謝の魔法でどんなことがおきるのかを理解することができます。

人生デザイン構築学校でも、バランスの法則、真の感謝、中庸思考などについて、下記9つのステップ中、4番目のステップで学びます。

ものごとをプラス、マイナスの両方の側面で捉える事が出来ると、良いことが起きても、慢心せず、逆に嫌だと思うことが起きて感情がブレたとしても、プラスの側面を探し出して、中庸に戻り、愛と感謝に満たされるようになります。
私は、これが最初の魔法だと実感しています。
 

本書で紹介しているバリュー・ファクター(通称:価値観ワーク)は、弊社代表高衣紗彩が開発した人生デザイン構築メソッド®︎にも多く取り入れられており、弊社代表は、日本においてDr.ディマティーニのバリュー・ファクター・ファシリテーター・トレーニングで助手を務めるなど、日本におけるバリュー・ファクターの第一人者でもあります。

また、認定講師や認定コーチは、本書で紹介しているバリュー・ファクターの認定ファシリテーターでもあります。
バリュー・ファクターを本格的に学び、自分の人生を自分の手で望む形に作り上げていきたい方は、『人生をデザインする9つのステップ』が現在無料公開中ですので、ぜひこの機会に学んでみてください。

投稿者村井 英志

■ミッションミッケデザイン研究所 研究員 ■人生デザインアカデミー協会認定コーチ、認定講師  ■【ミッション】皆が良く知らない事に気付き、難解な事・理解が難しい事を理解し、物事の真実・本質を見極めて、それらを人に解りやすく伝える。

この投稿者の投稿一覧
一覧に戻る
アーカイブ