2018年9月1 日(土)
こんにちは!
(株)ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、所長の高衣紗彩です。
「タイムマネジメントについて、オススメの本やセミナーを教えてください」という質問を立て続けにいただいたので、今日は、タイムマネジメントについて、考えてみたいと思います。また、「タイムインベストメント」と言う新しい概念が出てきていますが、この二つの違いは何なのか、どう使い分けていったら良いのか、を考えてみたいと思います。
質問してきた方々に、なぜ、タイムマネジメントを学びたいのですか?と聞くと、
✳️ やることが沢山ありすぎて、いつも予定がパンパンになってしまいます。
✳️ やりたいことがありすぎて、どれから手をつけたら良いのかわかりません。
✳️ いつも目の前のことに追われていて、〇〇が進みません。
といった答えが返ってきます。これらは、以下の二つの問いに言い換えることができると思います。
一つは、
「どうしたら、やりたいことをやる時間を捻出できますか?」
もう一つは、
「どうしたら、一定の時間内により沢山のことをこなすことができますか?」
これをさらに上位概念に上げると、
前者は、「どうしたら時間を有効に活用できますか?」
後者は、「どうしたら効率的に物事を処理できますか?」
という問いになります。
つまり、タイムマネジメントと一言で言っていても、
1)時間を有効に使うこと、
2)物事を効率的に行うこと、
という二つの意味のどちらかを指しているのです。あるいは、両方かもしれません。
この二つは、似ているようで、全く非なるものなのです。タイムマネジメントを学びたいと言う場合、自分がどちらを望んでいるのかを明確にする必要があります。
有効に活用したい、と言うことであれば、代表的なものに、スティーブン・R・コヴィー氏の提唱した、『7つの習慣』の中の第3の習慣がありますね。
第3の習慣:最優先事項を優先する。
そのために、やることに優先順位をつけることを提唱しています。
A: 緊急だけど、重要じゃないこと、の時間を減らし、
B: 緊急じゃないけど重要なこと、の時間を多く作る。
具体的には、Bで予定表を先に埋める、ことを提唱しています。
そのために、彼は、先のA, B, に、
C:重要で緊急、
D:重要でも緊急でもない
の二つを入れた、横軸に緊急性、縦軸に重要度をとった4象限からなるグラフを提示しました。
このグラフは「時間管理のマトリックス」と名付けられたこともあり、Dを無くし、Bの優先順位を上げることを「上手な時間管理」と同義と捉える捉え方が広く浸透しました。
これは、その通りだと思うのですが、知らない間に、自分の中で、別の意味になっていないかは、確認する必要があります。
このやり方は、新たに優先順位を『付ける』、あるいは、このやり方をしなかった時に自然につけてしまっていたであろう優先順位を『入れ替える』方法です。
お尻の方にリストアップされたものは、時間切れになったらできなくなってしまうので、Dの重要でも緊急でもない、をお尻に持って来れば、時間を有効に使えた、とする考え方です。
ここで、気づいていただきたいのは、『有効に使えた』ということです。
タイムマネジメント、と言う場合、
1)時間を有効に使う
2)一定の時間内に多くのことをする(効率性を上げる)
の二つの意味で使っている、ことを最初にお伝えしました。
後者を望んでいる人が、タイムマネジメントを学ぼう、よし、時間管理のマトリックスだ、とこれを取り入れても、得たい結果は得られません。
なぜなら、時間管理のマトリックスは、物事を効率的に処理するための2)のツールではなく、時間を(自分にとって)有効に使うための1)のツールだからです。他にも、タイムマネジメントの手法は、前者の1)であることが多いです。
そして、これはあくまでも私個人の皮膚感覚ですが、タイムマネジメントを学びたい、と言う方は、後者の2)の意味で言っている方の方が断然多いと思います。あなたは、どちらの意味で使っているでしょうか。
2)を学びたい方が、いくら7つの習慣を学んでも無駄ですよね。時間管理を学びたいのに、無駄なことに時間を使ってしまっていると言う、大いなる矛盾に満ちた行動をしてしまっています。
あれは有名で素晴らしいものだけれど、実は使いこなせていない方が多い、というのは、こういったところに、原因があると私は思っています。
では、物事を効率的に処理する 2)を学ぶにはどうしたら良いのでしょうか。そこに登場するのが、タイムインベストメント、と言う方法です。
これは、『時間投資思考』と言う本で紹介されている手法です。タイムインベストメントがタイムマネジメントと大きく異なるのは、時間軸です。
タイムマネジメントは、時間軸がスポット的に「今」に置かれています。「今」の時間をどう使えば良いか、と言う発想です。この時間軸を伸ばしてみたら、どうでしょうか。
「今この時間をどう配分し、どう使えば、将来時間が捻出できるか?」に目を向けるのです。
今の時間からどのように最大の恩恵を受けるか、ではなく、将来より多くの時間をもたらしてくれる今の時間の使い方はどうなるのか、と考えます。
これは、投資(貯蓄)の概念と同じですね。
今、海外旅行に行って楽しむことより、将来より大きくなることの方に意義を見出し、今あるお金を別の形態に変えておくことが投資です。
将来、より大きくなる。
ここに、今の楽しみよりも、価値を見出しているからできる行動です。価値を見出しているので、今の楽しみを犠牲にしている、と言う気持ちも毛頭ありません。
貯蓄ができない人というのは、逆の思考になっています。投資ができない人というのは、投資が怖い、という別の問題もありますが、その前に、貯蓄ができないという人は、
将来大きくなることより、今の楽しみに価値を見出しています。
だから、思考が「貯蓄をしよう」と決めても、行動は、短期的欲求(一時的な感情、衝動)が勝り、今の楽しみにお金を使ってしまいます。
それを無理に貯蓄しようとしても、そこには「我慢している感」「今を犠牲にしている感」が出てきてしまい、「それはいやだ!」となり(犠牲になるのは誰でも嫌です^^;)、貯蓄ができないのです。
(この課題がある方は、短期欲求や感情を司る扁桃体が働く脳になっているので、思考を司る前頭前野を働かせる脳の使い方に、シフトをする必要があります(誰でもできますよ!)。このお話は、また改めてしたいと思います。)
時間も同じです。今の時間を、将来に投資する、という概念です。投資であるならば、それに対するリターンがあるはずです。
専門用語で、投資へのリターンを、Return on Investment, ROIと言いますが、時間に対してのリターンですから、さしずめ、ROT というところでしょうか。
今、この時間をどう使ったら、将来より多くの時間を自分にもたらしてくれるか。
このポイントから考えて行くと、今やることにも、違いが出てきます。
例えば、ワークライフバランスを心がけている人も、この2週間は、将来の仕事の自動化のために、深夜残業してシステムを作り上げる、ということになるかもしれません。
また、それを自分で開発せず、人に任せたり、出来上がっているものを購入したり、と、お金の使い方にまで影響を及ぼすかもしれません。そして、自分にとって何が大事か、ということを見出だす必要を感じたりするかもしれません。
例えば、何かやっている時に「他のこと」に意識が飛んで集中ができていないため、つまり、今ここにいられないために時間がかかっているということに気づけば、その「他のこと」とはなんなのか、自分にとってそれは重要なことなのかを考え、重要だからそれに気がそれるのだとわかったら、その重要案件を解決することの方が先、という結論に至るかもしれません。
(47%の人が、本を読んでいたり、リサーチをしたり、電話や会議をしている最中に、他のことを考えている、という調査結果があります。)
また、人間は、集中、集中、集中、はできません。集中、弛緩、集中、弛緩、が必要です。
思考が別のことに泳ぐのは、それが重要だからではなく、ただ単に、弛緩の時間を取っていないがゆえに集中度が落ちたためかもしれません。だとわかれば、将来、例えば、今日の午後や明日の集中度を高めるために、今この時間は、忙しいけどあえて弛緩する、との選択になるかもしれません。マインドフルネスは、これを狙っています。そして、生産性が上がったとの報告が出ていますね。
ちなみに、集中したい時に思考がさまようことを、心理学用語で、『マインドワンダリング』と言います。これは、俗にいう、「気が散る」ということで、集中力に欠ける悪いことのように認識されていますが、実は、悪いことばかりではありません。
実は、この時間にこそアイデアが生まれています。ずーっと集中して考えていても何もアイデアが浮かばず、諦めて散歩に出たら浮かんだ、という経験をされたことがある方も多いと思います。偉大な発見も、そのようなとき ーお風呂に入っている時や、ぼーっとしている時ー にされている、という例は枚挙にいとまがありません。
なので、積極的に、戦略的に、マインドワンダリングの時間を取る、瞑想という仰々しいことをしないまでも、ぼーっと思考が漂うに任せる時間を作る、ということも、その後に来る時間を効率的に使うことになるので、時間の投資になります。
*ただし、思考が漂う時、反省が過ぎる、自分のことを責める方向にいく方は、これは逆効果なので、してはいけません。このような方は、その思考の癖を改めることが先です。
また、人の賞賛を得るために「重要だ」とラベルを張っている行動なども見えてくるかもしれません。自己重要感が確立されてくると、人の賞賛を得るためにしている行動は、全て「重要でない」つまり、「する必要がない」ものへと、分類自体が変わってしまいます。自己重要感が低い場合は、今、自己重要感を高める、ということに取り組むことが、将来、『自分にとって本当に重要なこと』に使える時間を捻出すると気づくかもしれません。
これまで見てきた通り、時間の投資とは、今、この時間をどう使ったら、将来より多くの時間を自分にもたらしてくれるかと言う観点から行うものです。将来より多くの時間がもたらされたとき、その時間を使って、私たちは何をしたいのでしょうか。
その時こそ、7つの習慣の「緊急ではないけど自分にとって重要なこと」を行う時です。
タイムインベストメントをして将来の時間を捻出し、
捻出された時間に対し、7つの習慣のような、有効に使うタイムマネジメントをする。
これが、
✳️ やることが沢山ありすぎて、いつも予定がパンパンになってしまいます。
✳️ やりたいことがありすぎて、どれから手をつけたら良いのかわかりません。
✳️ いつも目の前のことに追われていて、〇〇が進みません。
と言う悩みを持った皆さんへの処方箋です。
つまるところ、タイムマネジメントにしろ、タイムインベストメントにしろ、『自分にとって有効な時間の使い方はどのような使い方なのか』『何に使ったらそれは有効に使えたと言えるのか』がわからない状態で行っても、何ももたらさず、宝の持ち腐れになってしまうということです。
『何に時間を使ったらそれは有効に使えたと言えるのか』がわかるためには、自分にとって何が重要なのか、がわかっていなければなりません。
お金にも全く同じことが言えます。『何にお金を使ったらそれは有効に使えたと言えるのか』がわかるためには、自分にとって何が重要なのか、がわかっていなければなりません。
『自分にとって何が重要なのか』は、自分の最高の価値観とミッションを知ることで明らかにできると、常日頃からお伝えしています。
最高の価値観とミッションを明らかにすれば、お金の投資も、時間の投資も容易になる、ということです。今とは全く違う使い方になるということもあるでしょう。実際に経験していただいた方の例では、ほとんどの方が、時間とお金の使い方が様変わりしています。自分にとって何が大切かがわかっているので、AやDの重要でないこと、に使う時間やお金がグッと減ります。
私たちの潜在意識は、「これは自分にとって有効なお金や時間の使い方なのかどうか」をわかっています。顕在意識はわかっておらず、無駄に使います。顕在意識がようやく理解して変化した使い方には、潜在意識も満足してくれることになります。なので、まだ成功していなくても、そのお金、時間の使い方をしたと言うだけで、心の底から幸せを感じることができます。
タイムマネジメントを学びたいと思ったということは、潜在意識からの、価値観をはっきりさせてお金と時間の使い方をもっと有効なもの、自分の人生に幸せと成功をもたらす使い方に変えてくれ、というメッセージかもしれません。
タイムマネジメントに取り組む前に、タイムインベストメントに取り組み、あなたの場合、
『どうしたら、将来の時間が生み出せる今の時間の使い方になるのか』
『生み出した時間は、どうしたら有効に使ったと思えるのか』
を考えてみてくださいね。
その際に必要となる、最高の価値観。これを人間行動学に基づき科学的に明らかにするワーク(通称:価値観ワーク)は、『30日間無料コーチングメール』で動画解説とともにご紹介しています。
将来への時間の投資行動の一つとして、時間ができたら、ではなく、自分にとって重要ではないことを排除して、これに取り組む時間を捻出して取り組んでいただき、効率的に効果的に時間を使っていただければと思います。
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