「今はマイナス金利で、これからその程度もどんどん進みそうなのに、債券ファンドを買うのはどうなんですか?」
という質問を、最近本当によく受けます。
まずは、マイナス金利の影響を理解しましょう。
マイナス金利と言っても、入札で買って償還まで持つとマイナスになるという意味です。
債券というのは、金利と値段は逆に動きます。
償還金額が決まっているので、市場での金額、つまり買った値段、が高いと、満期まで保有するときのリターン(債券では、利回りと言います)は、少なくなります。
逆に、買った値段が低いと、償還までの利回りは高くなります。
なので、債券投資家にとっては、債券の利回りが下がるというのは、保有している債券の市場価格が上がるということで、歓迎すべきことなのです。
プロの債券投資家は、債券価格が上がるか下がるかではなく、今後利回り(金利)が上昇していくか低下していくかを見て、債券への投資の大きさを決めています。
まずは、このような金利と債券価格の関係を理解してください。
その上で・・・
今、金利が下がっているということは、債券の値段自体は上がっています。なので、債券投資がすぐにマイナスリターンになるということではないのです。
世間では、ここを勘違いされて騒いでおられる方も少なくないので、皆さんは、ここはしっかり押さえてくださいね。
今後もマイナス幅が1%程度まで拡大するようであれば、債券ファンドの基準価格は上がっていきます。なので、今すぐに債券投資はダメということではありません。
ただし、どこかの時点で、金利の方向性がマイナス幅拡大からマイナス幅縮小に転じる、つまり金利が上昇に転じる時がやってきます。
その時には、ファンドの基準価格も下がるので、その意味で(いつ転換点が来るかわからないため)今は大きく買いづらい、というのはあります。
いま、プロ投資家は、その転換点前に売ってしまいたいと思っていますが、ポートフォリオの中で、債券へのエクスポージャー(敢えて専門用語使いますよ。持ち高という意味です。ポジションとも言います)を低めたら、その分何かを買わなければいけないですから(プロには現金を増やすという選択肢は基本ないので)、買えるものを探しています。
が、今はどの資産クラスも、諸手を上げて買えるものがない。なので、打つ手なし、で債券のエクスポージャーをいじっていない、というのが、ほとんどのプロ投資家の状況です。
ただし、債券のエクスポージャーを少し減らしたいとはいっても、決してゼロにはしません。これは何度もお伝えしましたが、国内債券は、国内株式と反対の動きをするため、債券への投資はリターン狙いというより、ポートフォリオ全体のリスクを抑える目的で買っているためです。その目的があるため、債券のポジションを全くのゼロにするという選択肢はないのです。
みなさんも、すでに債券ファンドを買われている方は、あわてて売ったりせず、なぜ自分が債券ファンドをポートフォリオに含めているのかを今一度確認しつつ、今後の金利動向を注視するようにしましょう。
こういう時に、なんだか訳がわからないけど、有名な人がいいと言っているから、基本4資産に分散しているという方は、4つが3つになるだけだからいっか。と思ってしまいます。
なぜ、自分がこの戦略をとっているのか、つまり、なぜ4資産を買っているのか、それぞれの資産クラスは、ポートフォリオの中でどのような役割を果たしているのか、を理解して戦略、そしてポジションを取るようにしましょう。
それがわかっていれば、安易な選択はしなくて済みます。
人生やキャリアと同じですね。なぜ自分はそれを選択するのか、自分は会社でどういうポジショニングを取るのか、それはなぜか。それらを明確に自分でわかって、その上で、行動する必要があります。
それをしなければ、行き当たりバッタリの人生、行き当たりバッタリの投資、つまりは戦略なき人生、戦略なき投資になってしまいます。
何事も、それをやる意味(目的)と戦略、を持っているかいないかで、結果に雲泥の差が出てきます。
ポートフォリオを作成する時に、プロに聞けても、それを維持・運営していくにあたって、毎回プロの意見を聞くことはできません。そうしたければ、投資助言資格のあるプロに(自称プロではなく)お金を払ってアドバイスを仰ぐことになります。
そうしないのであれば、自分でしっかり運営を続けられるだけの、目的と戦略を理解してからポートフォリオを組んでください。
マイナス金利は、歴史的に経験したことがないことですから、慎重に状況を見極めたいですね。
絶対に避けて欲しいのは、今後、何かがどちらかの方向に急激に大きく動いた! などの局面ですぐに反応して動かないこと。これは、一番、よくない行動です。
一貫性、一貫した戦略、これが投資にとっても、人生にとっても、とても重要です。
私がお伝えしている「段階的国際分散ポートフォリオ構築法」をマスターし実践されている方は、どの資産クラスもドルコスト平均法で買っているのですから、下がったとしても、下った値段で多く買えるのですから、半分は喜んで良いのです。
これまで買ったものの価値が下がった、とだけ捉えるのではなく、今月は安く買える、という認識を、持ってくださいね。
「段階的国際分散ポートフォリオ構築法」は、主催する「人生デザイン構築学校」や集中オープンクラス、「お金の大学」セミナーなどでお伝えしています。ご興味のある方は、お問い合わせください。=> info@missionmikke.com
愛と感謝を込めて
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人生デザイン構築学校 学校長
ミッション・ミッケ 代表
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高衣紗彩
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