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2015
07月23日

分散はなぜ必要か。どのように図るべきか。

分散はなぜ必要か。どのように図るべきか。

 2015年7月23日

最近、投資をする際のリスクについて、聞かれることが多くなりました。
アベノミクス効果もあって日本株式が
ここ1,2年で大きく値を上げるなか、
将来の不安の高まりやインフレ上昇懸念などから、
最近株式投資を始めた方が増えていましたが、
そういった方々が、ギリシャや中国問題で初めて
株価の急落に見舞われたことで、
リスクをどう管理するか、
に意識を向けていることが原因かなとみています。
投資の世界でのリスクとは、
そもそも「不確定であること」を指します。
(ある資産のリスクといった場合、
ある一定期間の変動率の大きさを指します)。
今後の世界経済の動向、中央銀行の政策、
全てがわかっていたら、不確定要素はゼロ、
つまり、マクロ要因リスクはゼロとなり、
株価は純粋に「収益成長予測」といった
個別銘柄ごとのファンダメンタルズによって
決まることになります。
そのリスクゼロ時点から、
今はAとBが不確定要素なので、
その行く末がわかるまで
市場は様子見(売買活動が減る)とか、
今はAもBも落ち着いたので、
不確定要因が後退し、市場のセンチメント
(市場の気持ちとでも言うようなもの、
これにも指標があります)は上向いていて、
市場には上昇圧力がかかっている、などという言い方をします。
つまり、市場参加者は単純に
・リスクが高まれば撤退し(株価は下落し)
・リスクが低まれば参加する(株価は上昇)ので、
株価は、不確定要素がなければ上がり、
出て来れば下がる、という極めて単純な話になります。
それを理解した上で、私たちが見るべきは、
今市場で話題になっている不確定要素が
自分が投資している資産にどれだけ影響を与えるのか、
ということです。
例えば、ギリシャ問題。
ギリシアがデフォルトしたとしても、
(今の状況では)日本市場への影響は軽微です。
その最大の根拠は、現在貸し手の殆どは、
民間機関ではなくECBやIMFなどの公的機関であるため、
ギリシャのデフォルトが世界の金融システム全体が
麻痺する「システミックリスク」に発展する可能性は低いためです。
ただし、EU離脱ということになれば、
外国人投資家への影響など様々なルートを通じた
日本市場への影響を、別途考慮しなければなりません。
リーマンショックの際には、ざっくり言うと、
ある仕組み債が作られる過程で低格付け債が
高格付け債としてリパッケージされて売り出され、
その仕組み債が別の仕組み債に組み込まれ、
その仕組み債がまた別の仕組み債に組み込まれ
大元の資金の源がどこの何かもわからない債券が
出回ってしまいました。
その結果、ある仕組み債、ある金融機関のデフォルトが
どの金融機関に影響を与えるのか、
またその影響はどの程度なのか、
市場全体に対する波及効果はどの程度なのか、
誰にもわからず、世界の金融システム全体の機能を
脅かす可能性までが指摘されてしまったのです。
誰が何を幾ら持っているかわからない、
誰がどのリスクをどれだけ抱えているのかわからない、
自分が持っている資産のリスクがどれだけなのかわからない
(わかっていると思って買ったプロでさえ)、
そういった不安な状態の時、人間は考えられ得る
最悪のシナリオを想定します。
そして、市場は、最悪シナリオを織り込んで動きます。
その結果、大暴落、ということが起こったのが、リーマンショックです。
翻って、今回のギリシャの場合、先にもお伝えした通り、
デフォルトしても世界の金融システムは多分影響を受けません。
そして、そのことを市場参加者はよくわかっています。
なので、ギリシャがデフォルトしたとしても、
リーマンショックの再来にはなりません。
ですが、メディアは、『ギリシャがデフォルトか?
市場はどうなる!?』などと見出しを作ります。
良いニュースより、悪いニュース、
特に不安を煽られるニュースに人は反応しますので、
不安を喚起するような見出しをメディアは思いつくのです。
それに反応してしまっては、一流の、賢明な投資家とは言えません。
私たちが目指すのは、一流の、賢明な個人投資家です。
メディアの見出しに振り回されることなく、
真実を見極める目を持ちましょう。
それには、普段から、誰が真実を伝えてくれているかを
見極めておくことです。
そして、こういったイベントが市場を動揺させそうな局面では、
その自分が見込んだ人が何を言っているのかを聞くこと。
直接聞かなくても、何らかの形で発信しています。
メディアも、海外の専門メディア、研究機関が発行している
レポートなどで有料でなくても、真実は明らかにされています。
こういった多くの媒体でも、様々な意見があるので、
その中でどれが真実かを見極める目を養うことが大切です。
ただ、そこまでになるには、勉強と経験と場数が必要です。
そんな目が養われるのを待つことはできない、
というのが、現実かと思います。
そういった方こそ、市場がどう動いても、
動揺しない分散されたポートフォリオを構築することに専念するべきです。
以前にも書きましたが、分散は様々な切り口から図ることができます。
まず、資産クラスの分散。リスク(この場合、変動率)
の小さい資産クラスから順番に市場全体
(つまり、インデックスファンド、投資信託、ETFなど)を積み上げます。
いきなり、過去のリターンを見て、こっちの資産クラスの方が
あっちの資産クラスよりリターンが高いからこっち、と決めてはいけません。
そして、同じ資産クラスの中でも、地域分散を図ります。
これは世界を4分割して4つに分散するということで、以前ご紹介した通りです。
かつ、同じ地域の中でも、手法による分散を図ります。
例えば、日本市場に投資する場合、
日経平均指数連動型ファンドに投資するのは、
日本の株式市場全体に投資をすることと同じです。
これをさらに、一つの尺度で銘柄を選別している
ファンドがあるので、異なる尺度で選んでいる複数のファンドに分散します。
代表的なものに、
グロースファンド(企業の成長が見込める銘柄のみで構成)
バリューファンド(割安度合いが高い銘柄のみで構成)
などがあります。
双方それぞれ、外部の経済環境や市場全体が
どういった動きをするときに市場全体より高いリターンを
上げる傾向があるのか、にパターンがあります。
両者は、別の環境のときに高いリターンを上げるので、
両方持っていると、分散が高まります。
ポートフォリオの分散を高める、ということは、
「外部環境に影響される度合いを少なくして、
どんな市場環境であっても安定したリターンを得られるポートフォリオを作る」
ということです。
例えば、野球チームを作るとして、
イチローのような4番バッターばかり11人集めても、
強いチームにはなりません(よね?)
打てる選手、守れる選手、足が速い選手、バントが得意な選手、
それぞれの分野で一番優秀な選手を集めることができれば、
強いチームを作ることができます。
もう一つ例を上げると、山に登るのに、
傘と雨ガッパを用意すると思います。
晴れの場合、これらがない方が身軽で速く歩けるでしょう。
でも、雨が降った場合、これらがあれば、足を止めずに登り続けることができます。
みなさんは、多分晴れる!と予測して、
傘と雨ガッパを持たずに出かけますか?
そんな「無防備」なことはしませんよね。
「雨が降ったときのために」持って出る方が殆どだと思います。
それは、雨が降って雨宿りをして停滞しないメリットの方が、
晴れのときに速度が落ちないメリットより大きいと思っているからです。
株だけを持っていたら、株が上がるときに
100%その恩恵を享受できます。
株と反対の動きをする債券を持っていたら、100%享受はできません。
ですが、株が急落したとき、
債券を持っていれば、急落の影響を100%被らずにすみます。
急落の影響を諸に受けないメリットの方が、
上昇時に100%恩恵を受けるメリットより大きい。
だから、分散を図ります。
急落のときの速度、つまりマイナスリターンの度合いは、
急騰のときの速度、つまりプラスリターンの度合いより通常大きくなります。
なので、急落の影響を受けないポートフォリオを構築している方が、
長い目でみて、全体のリターンは高くなる、ということになります。
また、時間によっても分散を図ることができます。
毎月同額ずつ投資する手法は、ドルコスト平均法といって、
それだけで自動的に時間の分散が図られていることになり、お勧めです。
今日は、分散投資がなぜ必要か、どのように図るべきか、
について、これまでより突っ込んで学びました。
『なぜ、必要か」が腑に落ちていないと、
分散しましょう!と言われても、行動できないものです。
なぜ、必要か、ご自身の中で、完全に腑に落としてください。
これから、世界でどんなイベントがいつ起こるか、
そしてその影響はどうなるのか、誰も正確に予想はできません。
「正確に予測しよう!」の方向にエネルギーを注ぐのではなく、
「予測できない」ことを前提に、全天候型のポートフォリオをコツコツと構築しましょう。
それには、コツコツと、貯蓄、つまり本業から得た収入から
投資資金を積み上げ、最初から分散を図るポートフォリオを構築することです。
今日も輝く1日を!

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