最近「FIRE卒業」とのキーワードを目にすることが増えてきました。FIRE(Financial Independence, Retire Early)とはFinancial Independence(経済的自立)、Retire Early(早期退職)という意味です。
つまり、経済的自立を果たして、働かない生活を目指す生き方で、2020年前後から米国からブームが巻き起こり、日本でもここ数年とても騒がれていました。
このFIREを一旦は手にしたものの、「FIREを卒業」して、働き始める人が増えてきていると言われています。では、一度はFIREした人が「卒業」をするに至った真の理由とは何なのでしょうか?
「投資」の観点と「人間行動学」の観点から分析してみたいと思います。
目次
ここで改めてFIREの定義を整理したいと思います。FIREとは、年間支出額 × 25倍の金額を貯蓄し、その貯蓄額を4%の利回りで運用していくことを目指していきます。仮に年間支出額が300万円だとすると、7500万円の資産を保有し、毎年4%の利回りで運用していくことが出来れば、支出額が運用益から得られるため、働かなくても生活できる状態を作り出せるという生き方です。
2021年までは好調だった米国株の株高の影響もあり、実際にFIREして働くことを辞めた方も多かったと言われています。
そのような中、「FIRE卒業」とのキーワードが2022年11月頃からTwitterのトレンド入りをするようになってきました。
その理由をよく見てみると大きく2つの理由があるようです。
2021年までの上昇相場でFIREを果たした人の資産の築き方を見てみると、特徴があることが分かっています。(日経ヴェリタス2022年12月25日発行 第772号より)
米ナスダック100株価指数の2倍、3倍の値動きをする「レバナス」を購入している
米ナスダックはGAFAMなど上昇相場を牽引した会社が含まれる、米国のインデックス(指数)ですが、「レバナス」の「レバ」とは、「レバレッジ」の略で、借り入れを利用することで、自己資金のリターンを高める効果を期待する投資手法です。
この2倍、3倍の「レバレッジ」を効かせた商品は、仮にインデックスが2割上昇した場合には、資産が最大6割も上昇する余地があるということです。
一方、2022年のような波乱相場においては、下落率が5割、6割にも達し、資産を大きく目減りさせることに繋がってしまいました。
先ほどの事例のように、7500万円の資金があったとしても、その資金が4%増える運用を目指すどころか、資産が半分に減ってしまった方も少なくないようです。
また、インフレによる物価上昇もFIREの前提条件を覆す要因になっています。
当初年間支出額が300万円を想定していたとしても、物価上昇率(インフレ率)4%が続いたと仮定していくと、25年目には資産が底をついてしまう計算になります。
(日経ヴェリタス2022年12月25日発行 第772号より)
このように、相場の潮目が変わったこと、インフレ前提で資産の管理をする必要が出てきたことから、当初想定していたFIREできる前提条件が覆り、FIRE卒業の理由になっています。
そして、もう1つの理由として挙げられるのが「生きがい」が無くなってしまった、ということです。
毎日せっせと働いていた頃は、時間に追われ、仕事へのプレッシャー、人間関係のイザコザなど、面倒くさいことがたくさんあって、「こんな毎日から開放されたい!」と思うことも多いでしょう。
ですが、働く必要がない生活をしてみるとわかるのですが、毎日自分の好きなことだけをする生活は「生きがい」を感じられないものなのです。
実際、私も30歳のときに1年間失業保険をもらって過ごした時期がありました。失業保険をもらっているので、アルバイトもできず、平日の日中は家族も友人も働きに出ているため、一緒に遊ぶ人もいない。
そうした日々を過ごす中で、徐々に1人でやりたいことも無くなり、「今日もヒマ…何をして時間を潰そう?」と思う毎日になっていきました。
そして、その時「働くこと」とは「生きがい」を得ることでもあるのだ、と気づいたのです。
FIREを目指した人たちも、安易な考えで行動した訳ではないと思いますが、「投資」と「生きがい」の観点から考えた時に、どうしていくことがより幸せな人生につながるのでしょうか?
今回のFIRE卒業は、上昇相場を牽引してきた主要銘柄が、下落に見舞われたことで資産を大きく目減りさせたことが大きな要因の一つでした。
ここから分かることは、「相場にはサイクルがある」ということです。
市場全体が右肩上がりで上がっていく好景気の時期もあれば、景気後退期もあり、そのサイクルから逃げられる人はいません。
そのため、投資をする上で根底に持っておきたい考え方として、相場環境が良くても悪くても「全天候」に対応するポートフォリオを構築しておくということです。
世間一般的には「何を買ったら儲かるか」を常にリサーチして仕込んでおくことが「投資」であると思っている方も多いかと思いますが、お伝えしてきた通り、相場環境にはサイクルがあります。
このサイクルがいつ交代してもいいように、上昇相場でも、下落相場でも自分のポートフォリオはリターンを生み出す資産の組み合わせを構築しておくこと。
そして、それを平時から戦略的に行っていくことがプロの投資家たちが必ず行っている投資の基本の「キ」なのです。この、プロの投資家たちが必ず行っている基本の「キ」を個人投資家の方々にお伝えしているのが人生デザイン構築学校(JDS)です。
2022年の下げ相場を経験し、私も改めてJDSでお伝えしている投資手法(ポートフォリオ運用)の素晴らしさを身に染みて実感しています。
忙しい毎日の生活を考えると、もっと時間とお金に余裕を持って、自分の好きなことをしたい!と思うことは当然のことだと思います。
ですが、その一方で「自分の好きなこと」とは「何をしていたら実現できるのか」を明確にしておくことも、自分の人生をより豊かに生きるために大切な準備の一つです。
FIERを目指す人が望む「好きなこと」だけをする毎日は、一見するとバラ色の人生に見えるかもしれませんが、毎日目的もなく、緊張感もなく、ただ「好きなこと」だけをする人生とは、張り合いも成長も感じられず、生きがいを感じられないものでもあるのです。
だからこそ、JDSでは「自分が価値を感じることを仕事にしよう」ということをお伝えしています。
毎日働く8時間が、自分にとって「楽しい」「価値を感じる」ことで満たされているのだとしたらどうでしょうか?自分が生きがいを感じるからそれを仕事として提供し、その価値に見合った対価を受け取ることができたらこんなに幸せなことはない、と考えます。
FIREを目指されている人の年齢はまちまちでしょうが、早い方では20代、30代の方々も数年かけて準備をして目指されていると聞きます。人生100年時代と考えた場合、20代、30代ならまだ7〜80年の時間がある計算になります。
であれば、今辛い仕事をしている状況から、70年、80年を楽しく生きがいを持って働く人生にシフトしていくことに時間と、エネルギーを捧げてみることも選択肢の一つなのではないでしょうか?
仮に3年で「生きがいをもって働く」仕事にシフトできたのであれば、あなたの残りの人生は、幸福感に包まれながら、お金をいただける状態になっているということです。
JDSではこの「生きがい」を「最高の価値観」という言葉で言語化しています。そして、その最高の価値観に叶う人生にキャリアの面でシフトしていくことを学校のカリキュラムの中でお伝えしています。
FIREしたいなと思っている方は、今一度自分の人生の幸せとは何なのか?
生きがいを持って毎日を過ごすこととは自分にとって具体的に何をすることなのか、を明確にした上で、FIRE などの大きな人生の選択をしても遅くはないのだと思います。
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こちらの記事にてお伝えしている投資手法はJDSでさらに詳しく学ぶことができます。興味を持たれた方は、「個別相談会」に参加してみてください。
また、個別相談に参加する前に、JDSの様子を確認してみたいな、と思われた方は、2022年12月に開催した総会の動画をご覧いただければと思います。個性豊かな仲間が共に楽しく過ごしている様子が伝わると嬉しいです。
人生デザイン構築学校では、個人が幸せな人生を自分自身でデザインできるようになるために、Dr.ディマティーニ開発の『価値観ミッケワーク』(正式名:バリュー・ディターミネーション)を行っています。このワークによって、これからの人生を幸せに生きるためのあなた自身の『最高の価値観』と『人生のミッション』が明らかになるのです。
『価値観ミッケワーク』の無料解説動画とワークシートはこちらから入手いただけます。
https://mmjdi.com/p/r/kAvYgCm2
自身の価値観についてさらに深堀りしたい方には、公認ファシリテーター(人生デザインコーチ®︎)があなたの『最高の価値観』の言語化をお手伝いします。マンツーマンでコーチの問いかけに答えることで、潜在意識に隠れているあなた自身の価値観、そして天才性が明らかになります。
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