先延ばしー。
この言葉にはネガティブなイメージがあり、この癖がある方は、なんとかしたいと思っているかもしれません。
ですが、実は、先延ばしは、必ずしも悪いことばかりとは限りません。
「満足」を先延ばしにすること。
これは、いわゆる「人生の成功」と大きな関連性があり、一種の”能力”とまで言われています。
どういうことでしょうか?
今日は、この「先延ばし能力」について、お伝えします。
人生の成功にはIQが関係しているということが信じられていた時代がありましたが、それは第一次世界大戦以前の話。今は、IQの高さと人生の成功との間には、相関関係がないとの研究結果が出ています。
1920年代にIQの高かった子供をその後数十年に渡り追跡調査してみると、飛び切りIQが高い生徒だったのに社会から落伍者とみなされ、低所得で将来性のない仕事に就いていたり、社会の片隅で生きていたりする者も出て、必ずしもIQの高さと人生の成功がリンクしないという結果が得られました。
一方、1972年にスタンフォード大学のウォルター・ミッシェル博士が、4歳から6歳の600人の子供の「満足を先延ばしにする能力」を調べ、1988年に追跡調査を行った所、
「満足を先延ばしする能力が高かった子供が学力等をより伸ばしている」
という結果となり、さらに、2011年に行われた研究では、この特質が生涯に渡り維持され、社会的な成功にも寄与していることがわかりました。
高い満足の先延ばし能力を示した子供は、あらゆる尺度で見て、人生でより高い成功を収めていたのです。
ここでの「成功」というのは、一般的に「成功」とされていることを指します。
例えば、社会的ステータスや報酬が高い仕事についていることです。
(注:いつも「成功」というのは一人一人違うものなので、自分にとっての成功とは何かを見極め、そこを目指すことが大事とお話させて頂いているので、違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本当は、このような使い方はしたくないのですが、今日は便宜上、「成功」を社会的通念上の「成功」と定義します。)
話を元に戻して・・・。満足の先延ばし能力が高い子供は、学業成績が良く、報酬の高い仕事を得て、薬物依存等になる率が低く、社会と良く調和して生きていました。
ちなみに、満足の先延ばし能力は何で測られるかと言うと、有名な「マシュマロテスト」という単純なテストで計測されました。
1個のマシュマロを今すぐ食べるか、20分後に2個のマシュマロを食べるか、どちらかを子供に選択させるというものでした。
子供の時のあなたなら、そして、今のあなたは、どちらを選ぶでしょうか?
仕事帰り、今すぐのビール1杯か、家についた2時間後の2杯か。
辛い選択ですね(> <)!
この二者択一をする際に、あなたはどのようにして決めていますか?
欲求でしょうか、思考でしょうか。
自分の意思決定に影響を与える要因(影響因子)は何でしょうか?
実は、これには、脳の前頭前皮質と腹側線条体とのやりとりが関連していると言われています。
先延ばし能力が高い人は、そうでない人に比べ、両者の繋がりが強いという研究結果があります。
前頭前皮質とは、通称「人間脳」と呼ばれているもの。
・爬虫類脳(生存に必要な基本的機能を司る)
・哺乳類脳(社会集団を形成する能力を司る)
の次に発達進化したもので、人間の理性的な認知行動を司ります。
哺乳類脳は、大脳辺縁系のことを指し、ここに腹側線条体が存在しています。そして、腹側線条体の中には、快楽中枢と言われる側坐核が存在しています。
簡単に言うと、
人生の成功に大きく寄与しているのは、
大脳辺縁系にある快楽中枢、側坐核と、
合理的判断を司る前頭前皮質との結びつきの強さ
ということが言えます。
一方、IQの高さは、前頭前皮質と頭頂葉の結びつきの強さと関係があります。
ここの結びつきが強い場合、数学的・抽象的な思考が発達します。
まとめると、人生の成功には、前頭前皮質と頭頂葉の繋がりより、前頭前皮質と腹側線条体(の中の側坐核)の繋がりの方が重要、ということです。
そして、腹側線条体には、感情が生まれる扁桃核も存在しています。つまり、満足の先延ばし能力が高い人は、感情をコントロールする能力も高いということになります。
なんとなく、納得できますよね。
繋がりが強いというのは、両者間を結ぶ神経回路が多く、強く、伝達活動も活発ということです。
つまりは、その部分を活性化すれば、後天的に繋がりを強めることができることになります。これには、電磁波で刺激を与えるなど色々と方法があるようですが、脳のトレーニングすることで、強くすることが可能です。
弊社が主催する人生デザイン構築学校で、実際にこのトレーニングをやっていただいた方々は、9割以上の方が、満足の先延ばし能力が飛躍的に向上し、それまでとは異なる決断を下せるように変化しています。
人間行動学の権威、Dr.ディマティーニも、
人生の成功には、目の前の満足を求めるのではなく、後々のベネフィットを見据えた選択をすることが大事
と良く言っています。
何か取捨選択の機会があって、あ、これは、「目の前の満足」と「後々のベネフィット」との二択を迫られているんだな、と解釈できれば、意図的に前頭前皮質(合理的判断)を働かせて、満足を先延ばしする選択をすることも可能です。
今は、「ワクワクすることを選択する」という考え方がもてはやされていますが、側坐核と前頭前皮質の繋がりが弱い人が何も考えずに「わくわくする方」を選ぶと、最善の選択にならない可能性があるのです。
人生の成功に不可欠と言われている先延ばし能力、トレーニングで高めることができます。
人生デザイン構築学校のカリキュラムには、上記のような脳のトレーニングが含まれています。
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