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2023
11月16日

泣くことが現代人を救う

泣くことが現代人を救う

みなさんは最近いつ泣きましたか。
と聞かれても、思い出せない方は少なくないかと思います。

その理由として、泣くという行為が「わがまま・弱さ」といったネガティブなイメージに結びつきやすいことが挙げられます。

小さい頃、「泣かなくて偉かったね」「泣いても何も変わらないよ」というような言葉を、親や先生から言われた経験などが、そのイメージを構築しているのです。

しかし実は、現代人が泣けない理由はもう一つあります。それは、現代のライフスタイルが招く自律神経の乱れです。要は脳の過労により、涙を流すモードに切り替えできない状態になっているのです。

矛盾しているようですが、泣けなくなっている私たち現代人を救ってくれるのは、泣くこと。最近では「涙活 (るいかつ) 」という言葉をちらほら耳にします。

今回は、自律神経のこと、泣くことの効果、そして泣くために何をしたらいいのかをお伝えします。

泣けない現代人

交感神経と副交感神経で成り立っている自律神経。

私たちの意思とは関係なく、呼吸や体温、血圧、心拍、消化、代謝、排尿・排便など、生きていく上で欠かせない生命活動を維持するために24時間365日、休むことなく働き続けています。

寝ている時やリラックス時以外は基本的に、交感神経がONになっています。つまり脳は緊張状態です。

ただ、心臓がバクバクするような緊張とは限らないので、「今は交感神経が働いているな」と認識することは難しいもの。スマホで動画を見たりゲームをしたりしている時、リラックスしているつもりでも、脳はずっと情報を処理しています。

「テレワークで仕事のメリハリが無い」
「暇さえあればSNSを見てしまう」

こういった人は、気づかないうちにじわじわと交感神経のオーバーワークが進行し、慢性化していきます。

次第に、交感神経と副交感神経のスイッチングが作用しなくなり、「泣くこと=副交感神経ON (もしくは交感神経OFF) 」が難しくなります。

その結果、自律神経が乱れ、身体の一部が痛む、精神的に落ち込むなどの症状が現れます。症状の現れ方は、人によって様々です。複数の症状が重なって現れたり、症状が出たり消えたりすることもあります。進行がさらに進むと、自律神経失調症を患うこともあり、侮れません。

泣くことの効果

「思いっきり泣いた後、ぐっすり眠れた」
「映画を見て感動で号泣したら、気分がスッキリした」
という経験はありませんか。

何かに感動したり共感したり、感情が動くことによって泣いた時は、副交感神経が優位になるからです (たまねぎの成分など、外部からの刺激による涙は対象外)。

副交感神経は「休息の神経」とも呼ばれ、活性時には血管を広げ脳の血流を促すため、身体がリラックス状態になります。

コルチゾールというストレスホルモンの分泌が減少することで、ストレスから解放されるため、心のデトックス (解毒) とも言えます。

また、怪我をして痛い時などに人が泣くのは、涙を流した時にオキシトシンや内因性オピオイドなど、痛みを和らげるためのホルモンが体内で分泌されるためです。とても理にかなっていますね。

意識的に泣く

交感神経と副交感神経のスイッチングがうまく作用していない状態で、とりあえず泣けと言われても、難しいと思います。

そこで利用したいのは、感動的な映画や本です。「これを観る(読む)と絶対泣いてしまう」というものが、人それぞれあると思います。悲しい話でも嬉しい話でも、フィクションでもノンフィクションでも構いません。

また、環境づくりも大切です。まずスマホやパソコンの電源は切りましょう。お好みで、部屋に間接照明を置いたり、自分の好きな飲み物を用意したり、心地よい空間をセットします。

あとは、作品に没頭し、泣きたいだけ泣く。我慢は要りません。

まとめ

私たち現代人にとって、「泣く」ことが必要な理由があります。泣くことに対するネガティブなイメージを払拭し、心のデトックスのために活用していきましょう。

ただ、1人じゃない時に家で泣く際には、びっくりさせないように、「今日はストレス解消のために、涙活するね」と家族やパートナーに伝えてから思いっきり泣きましょう。

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