仕事ができる人の周辺視野

皆さんは、普段、どの位、視界から情報を得ていますか?

視界からの情報というのは、見ることで得る情報と、見えることで得る情報とがあります。前者は、中心視野から、後者は、周辺視野から情報を得ています。
いわゆる、仕事ができる人が持っている特徴の一つに、周辺視野が広いことが挙げられます。
今日は、周辺視野について、考えてみたいと思います。

 

1. 周辺視野とは?

周辺視野とは

私たち人間の視野は、左右それぞれ100度くらいあると言われていますが、物の形や色などハッキりと確認できるのは、焦点を当てた注視点からほんの1~2度程度の範囲にすぎません。
この範囲を「中心視野」と呼びます。

中心視のまわりでほぼ明瞭に認識できる範囲を「有効視野」と呼びますが、この範囲も約4~20度の範囲に限られています。
それ以外の範囲は、「周辺視野」と呼ばれており、ここでは物の形や色などは明瞭には認識できません。
周辺視野は解像度が低く、物の詳細を見ることができませんが、そのような状態の中から人間はなんらかの情報を知覚しています。
例えば、バスケット、サッカー、ラグビーなど、コートを縦横無人に走り回るスポーツでは、選手はボールを追うと同時に、周辺視野で、相手チームや自分のチームの全員の動きを捉えています。

野球やテニスのダブルスなどでも、ボールを見つつ、相手チームや自分のチームメイトの動きが把握できていることは、とても重要です。

例えば、イチローは、バッターとして優秀なだけでなく、華麗な守備者としても素晴らしいプレーを沢山見せてくれました。
ボールに集中しつつ、ランナーの走り、味方の他のプレーヤーの位置や動き、などが目に入っていて、ファインプレーでキャッチした瞬間に的確にボールを塁に投げ、普通ならセーフになる局面でも、多くのアウトを取ってきました。

柔道のやわらちゃんなども、相手の動きに集中する傍ら、自分の姿が、後ろから、横から、相手目線から、そして、頭上からも見えていたと、インタビューで答えていました。
これは、周辺視野とは少し違うものですが、中心視野の対象に集中しながら、他のことも見えている、という点では、同じ状態と考えることができます。

 

2. 周辺視野を持つメリット

周辺視野を持つ直接のメリット

周辺視野が広いことのメリットとして、単純に情報が多くなることが挙げられます。
例えば、道を歩いていたり、車を運転していたりする際に、危険を回避する可能性が高まります。

車で時速70キロで走っていても、通り過ぎたお店の看板をキャッチして、それが今の自分に必要なお店だとわかって、引き返すなどして必要なものを無事入手できた、なんていうこともあるかもしれません。

お金が落ちていることに、気づいたり(!)、道の片隅で困っているおばあさんに気づいて助けてあげることができたり、するかもしれないですね。
 

仕事でのメリット

仕事でも、広い周辺視野は多くのメリットをもたらします。

気が利く

まず、周囲で起きている状況に気づくことができます。気づくと、行動することができます。いわゆる、「気がきく」という状態を作ることができます。

気がきく、というのは、女性にだけ必要なことと思われてきましたが、そんなことはありません。
仕事ができる男性というのは、例外なく(←強調します、例外なく)、気がききます。
周囲が良く見えていて、要望を聞く前から動くことができるのです。

俗に、気がきく、というのは、相手のニーズにマッチしたことを言われなくてもやることですが、そのためには、まず、相手が今何を必要としているかをキャッチすることが必要です。
そして、その前には、現在の状況を把握する必要があります。状況を把握するためには、周囲で何が起こっているのかが「見えて」いる必要があります。

数人ずつで交渉のテーブルについている時、目の前の人と話をしていても、周囲の別の人の様子ーうなづいている、とか、そわそわしている、とか、携帯を見ている、とかー にも気づいている。

それが意思決定者であれば、その様子によって、話者との話を意思決定者が望む方向にこちらから持っていく、ということもやってのけることができます。
 

本を読むスピードが早くなる

速読でも、周辺視野が広いことは威力を発揮します。速読の方法にもよりますが、一つの方法に、一度に目に入れて理解する範囲を、1行から2行、3行、半ページ、と拡げていく方法があります。
周辺視野が広く、また解像度も鮮明であればあるほど、読書できるスピードを早めることができます。
 

人生でのメリット

周辺視野が広いということは、干渉することなく観察することに近づく第一歩でもあります。
物事は、観察されることによって干渉され、そのもの真の姿が変化させられてしまう、という性質があります。
量子物理学の世界でも、波としての性質を持つ光子や電子も、観察された途端に粒子の特性を表す、ということがわかっています。

観察された途端に、そのものの特性が変わるのです。
これは、皆さんもなんとなくわかる部分があるのではないでしょうか。
見られていると思うことが、私たちのあり方そのものに影響を与えます。
これは、直視すると、そのものの真の姿は観察できない可能性を示しています。

これは、直視するときには、私たちが持つ主観をベースとしたフレームワークを通して物事を見てしまうということと関係しています。
 

周辺視野で見た場合、そこに意識が向かわないため、干渉なく観察することができます。
干渉なく観察するとは、物事の微細な振動を変えずに観察できるということであり、そのものの真の姿をキャッチできることになります。

社会的な条件付けや、個人的主観的で柔軟でない視点で物事を見、真の姿を把握できることで、状況判断が変わります。

この、周辺視野での干渉なき観察を実践していくことにより、中心視野で物事を捉える時にも、同様の干渉なき観察ができる度合いが高まっていきます。

すると、より多くの物事について、客観的な真実を捉えることができ、より的確な状況判断ができる頻度が増えていきます。
もちろん、完全な客観性を達成するのは不可能ですが、自分の持つ視点と思考の制約ある枠組みを最小限に抑えることはできます。

 

3. 周辺視野を鍛える

周辺視野が広がることのメリットをお伝えしてきましたが、では、どのようにしたら周辺視野を広げることができるのでしょうか。
ネットでググると様々なトレーニングが紹介されています。オススメは、一点を見た状態で、周辺にある物を描写するトレーニングです。

例えば、あなたは今、スマホやタブレット、PCでこのメールを読んでいると思います。
その周辺にはどのようなものがあるでしょうか。
どのような状況になっているでしょうか。それを描写します。

ただ、周辺に意識を向けてしまうと、見ている中心から意識がそれてしまいますので、そうならないように注意してください。
見て認知するのは、あくまでも中心視野に映っているものです。そうしつつ、周辺のものも視覚で捉えます。

最初は難しいかもしれませんが、少しずつできるようになりますので、暇な時に、是非トライしてみてください。

 

4. 周辺視野を持つデメリット

最後に、デメリットをお伝えします。周辺視野を持つことのデメリットは、情報過多になってしまうことです。
集中することが難しいという方は、周辺視野に意識を向けると、より集中度合いが低下します。まず、集中力を高める、そちらの方が先決です。

例えば、男性でよくありがちなことですが、女性と二人でレストランなどで食事を楽しんでいる時、隣の席の会話も聞いている、周囲で何が起こっているかを把握している方も、少なくありません。
これは、周辺視野が広い、と言えそうですが、実は、周囲の会話の方に「意識が飛んで」しまって、目の前の女性との会話には「集中」していない、という本末転倒的なことになっていることも多いです。

それは、相手の女性に伝わります。いえ、確実に伝わっています。
女性は、相手が会話に集中しているかどうかに関して、とても敏感です。
目の前の彼氏、旦那さんが自分との会話に集中していない、ということは、0コンマ何秒でキャッチします。

そのとき、女性はそれを、自分がないがしろにされた、と捉えます。
そこで、男性の皆さんの評価が大きく下がっています。笑。
ただ、大抵の女性は、気がついても気がつかない振りをしてくれています。

中心視野の対象が、あなたが集中していないことに気がついている、そのことにすら気がつかない状態で、周辺の状況を観察できても、それは周辺視野が広がっていることにはならないので、注意してくださいね。笑。

 

5. 集中を高めつつ周辺視野を拡げるには

理想は、中心視野をしっかり捉え、そこに100%意識を集中させつつ、周辺視野も持てている状態です。

実は、これは、「今ここ」にいる状態と同じ状態です。
今こことは、目の前のことにだけ意識が向けられ、その瞬間だけに生きている、だからこそ、その瞬間に起きていることが180度見える、という状態になります。

そのとき、例えば、自分の後ろの、実際には目には見えていない状況も把握することができるようになったりします。
それが、やわらちゃんの言う、後ろからも自分の姿が見えている、のと同じ状態になります。
仕事をしているとき、特に、大事な交渉ごとやプレゼンのときに、その状態に、なれたら良いですよね。
 

実は、私たちは、自分が本当に価値を感じるもの(これを最高の価値観と呼びます)に取り組んでいるとき、自然にこの状態になります。
なので、最高の価値観を満たすことを仕事にする、これが、目の前のことに集中しつつ、拡大した周辺視野を持つための実践的な近道です。

最高の価値観を満たすことを仕事にする、仕事で最高の価値観を満たす、そのを目指し実現することで、集中力を高めよう、周辺視野を拡大しよう、としなくても、それらが自分のものにできてしまいます。

自分にとっての最高の価値観は何なのか?
それを知ることが第一歩ですね。
それは、自分が自覚していることよりもう一歩深いことであることが多いです。
プロのファシリテーターと、ぜひあなたの最高の価値観を明確にしてみてくださいね。

人生のミッションに通じる最高の価値観を明確にするワークは、一日入門講座でご紹介しています。

http://jinsei-design-univ.org/jdsr/tp_round/

 

今日も、あなたの可能性を最大限に輝かせる1日を!


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