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2022
10月05日

「飲みニケーション」はもう古い?

「飲みニケーション」はもう古い?

ようやく秋らしい季節になりました。
食欲の秋から年末にかけて、飲み会に参加する機会が増えそうですね。
しかし、最近、若い人たちの間では
「会社の飲み会には参加しない」
「会社の人間とは一緒に飲まない」
という声が増えています。
職場の仲間と食事やお酒を共にすることで、お互いを良く知ることになり、信頼感が高まり、コミュニケーションや仕事の効率を高める。
かつては、それを「飲みニケーション」と呼んでいましたが、そんな考え方はもう過去のものなのでしょうか?

飲みニケーションのメリット

ここで、飲みニケーションのメリットを見てみましょう。
最近、職場で大切なこととして「心理的安全性」を上げる企業が増えています。
これを話したら誰かに刺される、などの恐怖や心配があると、誰も素の自分を出そうとは思いません。
ですが、人間の強みというのは、素の自分を出した時に発揮されます。
何を言っても、揚げ足を取られたり刺されたりしない、ここは 安心安全な場なんだと思うことができると、人間は潜在能力を発揮します。
ただ、「心理的安全性を上げる」とひとことで言っても、どうしたら良いかわからないのが、企業の悩みのようです。特に、大企業においては、一朝一夕で企業文化を変えるのは至難の業です。
ここで、出番があるのが、飲み会です。美味しい食べ物を食べているときは、人間は誰でも無防備になります。いつも被っているマスクと鎧を脱いで、リラックスしています。お酒が入ればなおさらです。美味しい食べ物とお酒で幸せを感じているので、普段批判的な人も、人のことを受け入れやすくなります。
飲み会は、メンバーの心理的安全性を育むための、とても有効なツールなのです。
また、飲み会では相手のプライベートなことや、会社では見せない一面が垣間見れることがあります。
共通の趣味や映画、出身地など、自分との共通点が見つかって、途端に親近感が湧くということを経験された方も少なくないと思います。
趣味や家族の話をすることで、「じゃあ、今度家族同士でバーベキューしましょう」など、自発的に交流を楽しむ人も出てくるでしょう。すると、相手とより深いところで付き合うこともできるようになります。
その結果、相手との距離感が縮まり、信頼関係が強固になり、仕事でもお互いに助け合う文化が醸成されることになります。
また、相手のことを深く知ることで、「息が合う」状態が生まれる可能性が出てきます。
学生時代とは違って、会社の同僚とは一生の友のような関係にはなりにくいと言われていますが、飲みニケーションをきっかけとして、そのような関係性を構築することは、少なくありません。
このように、飲みニケーションの主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・心理的安全性を確保することができる
・相手との距離感が縮まり、信頼関係が強固になる
・「息が合う」関係が作られ、お互いに助け合う文化が醸成される

飲みニケーションのデメリット

一方で、会社主催、上司主催の飲み会は、一歩間違うと、若い世代に「二度と会社の飲み会には顔を出さない!」と思われてしまいかねない、そんな危うさを秘めているのも事実です。
例えば、上司であるあなたは、
「自分がバリバリの営業マンだった時には、こうしてピンチを乗り越え、お客さんを獲得したものだ」
「何億というコンペで他社の追随を許さない圧倒的なプレゼンをして、大口案件を獲得したんだ」
などと語って悦に入っている状況に陥ったことはないでしょうか。このような「昔の自分の栄光話」は、若い世代にはどん引きされてしまいます。
また、目の前の部下の仕事のやり方に不満を感じ、ついつい
「こうした方がいい。
   仕事というのは、こうするもんだ」
と説教をしてしまう。自分としては、説教をする気は毛頭なく、親切にアドバイスをしているつもりかもしれませんが、十中八九、若い世代には「説教されている」と思われています。
 そして、そう感じていたとしても、部下の立場でそれを口にすることはできません。多くの場合、
「いやあー、いい話を聞けました。
    ありがとうございます!」
と、またお酒を注いでくれるはずです。
ですが、昔の栄光話や説教を聞くのは、誰にとっても苦痛でしかありません。心の中では「早く終わってくれー」と思っています。
「勤務時間内ならば我慢もするが、プライベートの時間にまで、なぜこんなことに耐えなければいけないのか」
これが、彼らが思うことなのです。こう思われてしまったら、次の飲み会を断られることは目に見えています。

飲みニケーションを有効活用するために

飲みニケーションにはメリットが沢山ありますが、一歩間違うとデメリットも多いのです。
では、飲みニケーションを、誰もがメリットを享受できる場にするためには、どうしたら良いのでしょうか。

部下や同僚の話を聞く

飲みニケーションのデメリットは、全て自分が話し過ぎることで発生しています。一方のメリットである「信頼関係の醸成」は、相手との共通点を見出すことで享受することができます。
では、共通点はどうしたら見つけることができるでしょうか。
それは相手の話を聞くことから始まります。
相手の話を聞いていると「あ、それ、自分も同じだ」と気づくことができますが、自分が話している間は気づくことができないのです。
美味しい食事とお酒の力を借りて、話しやすい雰囲気を作り、部下からふだん聞けない話を聞き出しましょう。
そのためには、部下が思う存分自分について、あるいは、自分の意見や考えについて、語れる雰囲気を作り出すことが重要です。

相手の話を正邪の判断なしに受容する

部下の話を聞いていると、上司であるあなたは色々と言いたくなってしまうと思います。
もしかしたら「その考え方は違う」「そんな考え方でやっていても結果は出せない」と相手を否定するような気持ちになるかもしれません。
そうすると、行き着く先は「説教」しかありません。
話を「聞く」ことと、それを「受け入れる」ことはセットです。
聞いたは良いけど、それを受け入れず、自分の意見を伝えることになっては、相手からは「聞かれたから(自分のことを)答えたのに、それを否定されるならもう言わないよ」と思われるのがオチです。
飲みニケーションの目的は
「我々のチームは、あなたが心を開けば、それを受け入れる場所だよ」
と示すことです。
これは職場ではなかなか伝える機会がありません。
これができたら、逆に部下から「〇〇さん、今日ちょっと時間もらえませんか」と誘われるようになります。
それが心理的安全性と信頼関係が確立された関係です。

相手の話の中から、相手の強みや特性を見つけ出す

相手が十分に安心して自分のことや意見を話してくれるようになると、自ずとそこには、その人にしかない「その人らしさ」が現れてきます。
これを、飲みニケーションで、見つけるのです。
部下や同僚の話を聞く」と「相手の話を正邪の判断なしに受容する」をしっかり行うことで、普段出さない一面を出したり、語らない話を語ってもらったりすることができ、相手の「本当の強さや特性」、ひいては、その人らしさを示す「その人独自の価値観」を見つけることが可能になります。
人生デザイン構築学校でお伝えしている「その人独自の価値観」とは、一般的に使われているのと意味が異なります。
「その人独自の価値観」とは、その人が「何を大切にしているか」ということです。
人間は誰でも、自分が大切にしていることを仕事を通じて世の中に提供できたら、幸せを感じます。すなわち、心底喜んで仕事に打ち込むことができる状態になります。
また、自分が大切にしていることを大切にしてくれる人には、絶大の信頼を寄せることも、人間行動学でわかっています。
あなたが上司として、部下が大切にしているものを大切にすることができたら、それだけで部下は「いい上司を持って幸せだな。この人についていこう。この人とともに成果を上げよう!」と考えます。
仕事だけの関係では生まれない「仕事へのモチベーション」が自然と沸き起こってくるのです。

私たちはそれぞれの中にダビデ像を持っている

話は少し変わりますが、あなたはダビデ像をご存知でしょうか。ルネサンス期にミケランジェロの手によって掘られた彫刻で、美術の教科書で見たことがあると思います。
 ミケランジェロは、このような言葉を残しています。
 ”どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。
   それを発見するのが彫刻家の仕事だ。”
”余分な大理石がそぎ落とされるにつれて、
  彫像は成長する。”
ミケランジェロは、大理石の塊の中にダビデの姿を見出し、ダビデではない部分を削ぎ落としていったのです。
私たちもビジネスに携わる者として、これを応用することができます。荒削りな部下の中に、ダビデ像を見出す。そして、それを世の中に形として表す、それが上司としてのあなたの役割です。
 そして「君はこんなに力強く美しい存在なんだよ」ということを折に触れて伝えることで、部下には、本当の自分をどんどん前に出していこうという気持ちが芽生えます。
これが「自分にしか提供できない価値を世の中に提供しよう」という意欲につながります。
単なるお金稼ぎの手段やタスクとしてこなす以上の「意味や意義」を、仕事の中に見出せるようになるのです。

世界は一人一人が自分だけのダビデ像を表現する方向に動いている

 最近、日本において、フレデリック・ラルー氏が提唱する「ティール組織」という組織論が広まりました。
ティール組織は、メンバーそれぞれが自分だけのダビデ像を表現してこそ、会社が持つ人的資本を活用できるという考え方です。
「人件費はコストではなく投資」と考える風潮とも相まって、社員を大切にしたいという志高い経営者に注目されています。
組織が初めにあるのではなく、メンバーが自主的に動くことで、自然に組織の存在目的が形作られる。これこそが、ダビデ像を掘っていく過程そのものです。
経営者の役割は、ぐいぐい引っ張っていくことでも、メンバーを管理することでもありません。メンバーが自主的に、自分のダビデ像を存分に発揮できる場所を確保することです。 
世界にはティール組織化により社員が幸せに働くようになり、結果として生産性を上げている企業が多く存在します。
そして、日本でも、ゆっくりですが、その方向に動き出しています。
そして、ティール組織化への第一歩が、メンバーの心理的安全性を確保し、一人一人の中のダビデ像を掘り起こしていくことなのです。 
そのきっかけ作りとして、飲みニケーションは大変効果的です。
新しい時代の新しいコミュニケーションを実践する場として、ぜひ、飲みニケーションを活用してみてください。

人生デザイン構築学校では、ティール組織化を図りたい企業さんに向けて、個々人のダビデ像を見出し会社のミッションに幸せに取り組む人材を育成することをサポートしています。
気になる方は、無料個別相談を随時受け付けていますので、「ティール組織化個別相談希望」と明記して、以下までメールをお送りください。
info@jinsei-design-univ.com
追って、個別相談の日程をご案内させていただきます。
また、企業向けのサービスはこちらからご確認いただけます。


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