みなさんは、お金と時間、自分はどちらを優先しているのか、考えたことがあるでしょうか。
何かと忙しい現代社会では、多くの人が時間よりもお金を優先した人生を送っていたり、本来やりたいこととは別のことに時間を使うこともあります。忙しい日々が当たり前になり、その自覚がない方も多いのが現状です。
仕事の休憩時間に、デスクでお昼ごはんを食べながら仕事をしていませんか。
電車の移動時間に、スマホでニュースやSNSを見ることが習慣になっていませんか。
時間よりもお金を優先する生活、常にスマホを見ている生活で、有意義な人生を送る事ができるのでしょうか?
何でもかんでも時短で過ごすことは豊かな人生を送っていると言えるでしょうか?
今回は、人の習性を踏まえて、時間との向き合い方を考えてみます。
ほとんどの人は、時間を短縮することよりも、お金を使わないことを優先し、やりたいことを未来に先送りしています。
欲しいものを買う時に、一番安いものを探すことに数時間かける。
移動をする際に、5分で済むタクシーより、30分かかる電車を選ぶ。
安い食材を買うために、近所のスーパーではなく離れたスーパーに行く。
いつも忙しく、時間がないと感じている「タイム・プア(時間的貧乏)」に私たちは慢性的に陥っています。
タイム・プアに陥る私たちの習性に、タイムトラップ(時間の罠)があります。
このことを理解して、時間に対する捉え方を変えることで、タイム・プアから抜け出して時間を有意義に使えるようになります。
では、タイムトラップに関する事例を紹介します。
コスパが良い、コスパが悪い、という言い方で私たちの生活にもなじみ深い言葉です。コスパを求めて時間を大幅に使ってしまうことは、まさしくタイム・トラップと言えます。私達は、時間よりもお金の方がより幸せをもたらしてくれると思い込んでいますが、お金のために時間を犠牲にすると幸福度は下がります。
お金は価値を交換する手段でしかありません。コスパを追求するということは、支払う金額だけに焦点が当たっていて、
「手元から出ていくお金は少なければ少ないほどいい」
と思い込んでいる状態です。その結果、タイム・プアに陥っているケースは少なくありません。ここから抜け出すために、次のことを意識してみてください。
お金と交換に受けとっている価値は何か?
お金の代わりに受けとっている物やサービスに意識が向くと、支払った金額に見合う(あるいはそれ以上の)価値を受けとっていることに気づきます。幸せになるためにコスパに執着する必要はないということがわかるはずです。
タイムパフォーマンス(タイパ)という言葉をご存じでしょうか。何かを得る時に費やされる時間の効率を表していて、Z世代が重視している言葉とも言われています。
動画を倍速再生する
120分の映画内容を要約サイトで知る
冷凍食品や宅配サービスの利用
スマホやインターネット環境が普及したおかげで、こういった時間の効率化を図るのが当たり前になっています。こういった技術の進歩のおかげで、時間あたりにできることが増えているのは事実です。タイム・プアから抜け出し、時間を有意義に使っているように思えますが、一概にそうとは言えません。
映画10本の内容を要約サイトで知ることと、120分かけて1本の映画を観ることでは、どちらの人生が豊かでしょうか。
答えは人によって違うと思いますが、時間あたりに得られる情報量や成果だけを追い求めると、その途中経過を味わうことができません。情報量の代わりに、作品への理解を深めたり、感情移入したり、洞察したりする、自分の心と向き合うような時間が得られません。
映画だけではなく、勉強や仕事に対しても、タイパを追求することだけが大切なわけではありません。解けない問題に悩み、色々な本を調べ、解決方法を模索して思考錯誤することや、誰かに相談し手を借りることで生まれる関係性も、人生にとって大切な無形資産になります。
一見、無駄だと思えることから受けとっていることは何か?
と自分に問いかけ、その過程で得られていることを認識すると、本当の意味で豊かな時間を過ごすことができます。
哲学者のブレーズ・パスカルは、「人類の抱える問題はすべて、部屋に一人きりで静かに座っていられないことから生じる」と言っています。これは「手持ち無沙汰嫌悪」と呼ばれており、この習性を認識しておくことが大切です。
本来、手持ち無沙汰な状態は、価値ある余暇の状態です。何もしないことによって脳を解放する、これによって得られる身体的・精神的恩恵はとても大きな価値があります。
現代社会では、「忙しいこと」自体が、ステータスシンボルになっています。まるで暇なことは悪であるような風潮です。脳を絶え間なく働かせることは、私たちが認識している以上に大きなストレスを受けているのです。
しかし人は何もしないことに耐えられず、仕事の休憩時間や、電車の中では、ほとんどの人がせかせかとスマホの画面をタップしたり、じっと見つめたりしています。
情報があふれている今の時代、スマホを持っていれば無限に時間を使ってしまい、いつでも仕事ができてしまいます。手持ち無沙汰を嫌悪して、必要性の低い仕事で時間を埋めてしまったり、無限に湧いてくるニュースサイトを見たりしているとき、私たちの意識は「いまここ」にありません。今目の前にある景色、人、物、それらを五感で感じることの豊かさを手放してしまっているのです。
“いまこの瞬間も自分の人生は満たされている”、と気づくことができれば、無理に仕事をしたり、不要な情報収集に時間を使うことは無くなります。そのためには感謝のタネを探してください。
今乗っている電車が動いているのは誰のおかげか?
美味しいランチが当たり前のように食べれるのは誰のおかげか?
遠くの人とメールなどで意見を交換できるのは何のおかげか?
こういった当たり前のことに感謝ができると、手持ち無沙汰な時間を無理やり埋めようとはしなくなります。
やりたいことがあるのに、なかなか集中できず別のことをしてしまう。そんな経験はないでしょうか。
翌日に大事なプレゼンがあり、資料を完成させたいのに、うまくまとまらない。そんな時に、普段は見て見ぬふりをしている机上の汚れが気になって、掃除をし始める。
これも、簡単にできることを終えた満足感で、不安を解消しようとして陥るタイムトラップです。
自分がやろうと思っていたことに、再度取り組むためには、まず「自分はやりたくないと感じている」と気付くことが大切です。
人間は価値を感じることには、やるなと言われてもついやってしまう、ということが人間行動学から明らかになっています。
資料を完成させたいのに、ついつい掃除をしてしまうということは、資料を完成させることに価値を感じていない可能性があります。そういう時には「この仕事は自分の価値観をどう満たすか?」と自分に問いかけてください。
価値観とは、自分が価値を感じること、それをしていると幸せを感じ、インスピレーションも湧いて、自然と成果を出せてしまうことです。
価値観をまだ言語化していない人は、まずは「最高の価値観を発掘するワーク」のブログをご覧ください。
自分の価値観との繋がりが腑に落ちると、やる気やモチベーションを必要とせずに資料作りに取り組んでしまいます。自分が価値を感じていることなので、嫌々取り組んだ時と比べて、パフォーマンスも資料の精度も格段に良くなります。
お金優先の考え方では、人は幸せになることができません。コスパやタイパを優先して、タイム・プアに陥っていないか、チェックしてみてください。
お金や情報に振り回されて手持無沙汰を嫌悪する、そうならず「いまここ」に意識をフォーカスするためには感謝のタネを探してください。
すでに自分に時間に余裕があると認識することで、「今」自分が既に受け取っているものに感謝の気持ちを持ち、心から幸せを感じることが出来るようになります。
そして目の前のことに集中できないときは、「これは自分の価値観をどう満たすか?」と問いかけてください。
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