こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の井上です。
前回(市場全体を捉える)、前々回(数字を知る)と投資初心者が押さえておくべきポイントをお話しして来ましたが、今日は最後のポイントである「バランス」についてお話ししたいと思います。
バランス、と聞いて何を思い浮かべますでしょうか?私は真っ先に大好きな映画StarWarsの主人公であるダースベイダーを思い出します。彼は「フォースにバランスをもたらす選ばれし者」という設定で、彼自身が正義の味方、悪の化身の両方になることで宇宙に善悪のバランスそして平和をもたらします。
実は投資の世界においてもこのバランスというものが非常に重要になってきます。ここではそのバランスのとり方について説明します。
StarWarsではジェダイという正義の味方が操る善のフォースと、ダークサイドと呼ばれる暗黒面のフォースのバランスがテーマになっていますが、投資の世界では「相関係数」という数値で資産のバランスをとります(さすがにここではフォース自体の説明は割愛します)。
例えば、あなたがA社とB社の株を保有しているとします。そして、英国のEU離脱という、市場にマイナス要素をもたらす事象が発生しA社の株価が下がった時、B社の株はどうなって欲しいでしょうか? もちろん上がる、もしくは現状維持をして欲しいですよね? B社の株価が上がればA社の株価下落による損失を相殺できるためです。
この場合B社の株価も一緒に下がれば「分散が効いていない」、上がれば「分散が効いている」と言います。金融資産を買う場合には、「分散が効いている」ように買う必要があります。
分散が効いている度合いは、相関の度合いに関係しています。下の図は、相関の度合いを表す係数を表にしたものです。相関係数は+1~-1の間で表され、+1に近いほど両者は順相関(同じ値動き)となり、-1に近ければ逆相関(逆の値動き)となります。
この図で言うと国内債券と先進国株式がマイナス0.25という最も強い逆相関にあることがわかります。つまり、先進国株式の価格が下がったときには、国内債券の価格は上がるんです。この関係を覚えておくと良いと思います。
相関を意識すると、複数のアセットクラスに投資をしなければならないことになりますが、具体的にはどのような形になるのでしょうか?
初心者の個人投資家にとって、最良のお手本は年金積立金管理運用独立行政法人(通称:GPIF)だと思います。長期にわたり着実に資産を増やす、という投資方針が我々個人投資家と同じだからです。
下の図を見てください。
どのアセットクラスをどの位の割合で保有しているのかをパーセンテージで表現したのを「ポートフォリオ」というのですが、以下の図はそのGPIFのポートフォリオです。
前回(市場全体を捉える)ではパッシブファンドこそ初心者におすすめの投資信託だという話をしました。
その宇宙の英知を反映させたパッシブファンド(ライトセーバー)で相関係数(フォースバランス)を意識しながらGPIFを参考にしたポートフォリオを作る、これが投資初心者にも簡単にでき且つ非常にバランスの良い資産の構築(心の平和)を実現する方法ではないでしょうか。
投資における細かいテクニカル的な知識が威力を発揮するケースもあると思いますが、投資初心者としてはこのような市場全体の流れを捉えながら、良い部分(値上がり資産)も悪い部分(値下がり資産)も同時に捉えながらも少しずつ資産を増やしていくプロセスが、着実な資産形成に繋がると思っています。
May The Force Be With You.
サラリーマンとして会社の中でいかに生産性を上げて成果を出していくか、そして自分の人生をいかに輝けるものにするか、ということをリーダーシップという観点で研究し、多くの人に展開している。好きな映画はStarWars、MARVEL、007。3児のパパ。
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