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2015
11月10日

なぜ世界は米利上げにこれほどまでに神経質になるのか

なぜ世界は米利上げにこれほどまでに神経質になるのか

2015年11月10日

一昨日、米FRBは利上げに王手!とお伝えしましたが、株式や債券、為替といった金融市場は、12月利上げだ!と素早く反応しています。今日は、その背景をお伝えしたいと思います。
米株式市場では、利上げの恩恵を受ける金融株銘柄が買われ、配当利回りが高い公益銘柄が売られました。
債券市場では、2年物国債の利回り(金融政策の影響を受けやい)が一時、前日比0.11%高い0.95%まで上昇(価格は下落)し、約5年半ぶりの水準となりました。
為替相場では、対主要通貨でドル高が進んでいます。
新興国の株式は売られ、日本株式は円高好感で上げています。日本株の本日の上昇は、雇用統計で米景気の底堅さが確認されたこと、米利上げ観測が高まっても新興国では通貨安・株安となりましたが、大幅な暴落にはならなかった安心感、なども理由に上げられています。
このように、米国が年内利上げをするのかしないのか、の憶測に世界の金融市場が反応していますが、一国の政策金利に、なぜ世界はこれほど神経質になるのでしょうか?
その第一の理由は、米経済は世界1位の規模ですし、米ドルは国際取引で最も広く使用されている通貨ですから、その影響は大きいということが挙げられます。特に、ドルの価値が変われば、世界中の企業や投資家、消費者が影響を受けることになります。ですが、そのほかにも理由があります。
その一つは、米国の利上げによって、世界のお金の流れが変わるということです。異次元の量的緩和下では、お金はゼロの金利しかつかない米国から、高い利回りを求めて新興国に流れていました。
ですが、いよいよ米国で金利がつくなら、わざわざリスクの高い新興国に投資しなくても、安全なドル建て資産の方が良いので、新興国から米国に資金を戻そうとする動きが出ます。なので、流れていた大量の資金が流出し、新興国の資産価値が下がる、その懸念で益々資金が流出することになります。
また、金利が低かったときにドル建てで融資を受けた新興国の企業は、利上げで金利負担が増えることになり、それも懸念されて、資金が引き上げられます。
実際、FRBの利上げ観測が強まると、中国、インドなどの新興国から大量の資金が流出し、今年に入ってからの新興国の株式のパフォーマンスは、先進国よりかなり低いものとなっています。
先行きがどうなるかという不透明感も市場は嫌がるので、年初から続いた利上げ時期の観測の行ったり来たりは、真綿で首を絞めるように、新興国市場にじわじわと影響を与えました。なので、ここでほぼ12月利上げが確実視されたことで、不透明感が払拭されて、安堵感から暴落にはならなかったのかもしれません。
そうは言っても、新興国株式は下落し、通貨は対ドルで下落はしているのですが、例外は中国です。人民元のレートはドルと緩やかに連動しているため、ドル高につられて元相場も上昇しています。これは中国の輸出企業を圧迫しますから、それで中国当局は8月に人民元の切り下げに踏み切ったと言われています。中国政府高官は否定していますけどね。
ここからは、世界のお金の流れは、米12月利上げ、を織り込んだものになっていくので、それをまたウオッチするのも、楽しみですね!

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