2018年9月4日(火)
こんにちは!
(株)ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、所長の高衣紗彩です。
9月最初の週が始まりましたが、ここまで、2018年の仕事は、順調に進んでいますか?
資産形成の方は、うまく行っていますか?
資産形成手法をお伝えしたから、先日、連絡をもらいました。
「おかげさまで、1年前と比べて、資産が27%増えています。目標金額に、今年中に到達しそうです。
この方法を知らなかったら、到底無理だったと思います。仕事もうまくいっています。ありがとうございます。」
日本株式の8月末までの1年間の上昇率は日経平均で約17.5%、TOPIXで8.5%ですから、市場平均を10%~18.5%上回るペースで資産が増えていることになります。
そして、特筆すべきは、この方は、株や為替の売買は一切行っていない点です。投資となったら、株式や為替の売買をするのでは? と思われたかもしれません。ですが、この方は、これから何が来る、何が大化けする、と言った短期志向の相場観や、上がる銘柄などの情報を一切必要としない方法で資産を増やしています。
投資とは、上がる株や通貨を見つけ、それにタイミングを図って売りや買いを入れることと思っていませんか? 投資とは、売買をすることで売買益を狙う行為ではありません。
不確実性が高まる時代、売買益を狙う手法で資産を形成することはますます難しくなってきています。どのような投資をしたら、5年後、10年後、老後の資産を効率よく形成できるのかについて、お伝えします。
投資とは、手元の資金を運用すること、なのですが、そもそも、「運用する」とは、何をどうすることを指すのでしょうか。
何かを運用するとは、その何かを一定の期間、別の形に変えて、そのものの価値を高めること
です。なので、『資産運用』とは、「現金」を、一定の期間、別の資産に形を変えて、価値を高めて行く行為です。
売買をして、その差額を利益として得る行為、ではないのです。
皆さんが、投資をされたい理由は、何でしょうか?
多くの場合、「資産を増やしたい」と言うのが投資をする目的だと思います。
今日、売買益が得られても、5年後、10年後、老後の資産が増えていなければ、目的が達成できないことになります。
今日大きく売買益を得ても、明日大きく売買損を被っていては、資産は増えません。
チャートを見て頻繁にトレーディングを行っているのに、1年経って資産総額が変わっていない、それを続けて10年前からあまり資産総額が変わっていない、という声をとても多く耳にします。
しかも、実行(今日はこれが上がるかなーと予測しポジションを取り)&検証(予測の当たり外れ、その理由を反省する)などをして、毎日多くの時間を費やしているにも関わらず、です。
自分もそうだなーと思う方は、
ご自身の投資の目的と実際に行なっている行為が合致しているのか、
本当に資産が増えているのか、
今一度点検してみてください。そして、もし、トレーダーになっているのなら、本物の『投資家』=『資産運用家』になることを考えましょう。そうしないと、資産は増えていきません。ここで、トレーディングと資産運用との違いを見てみましょう。
トレーディングとは、そのものの「価値を高める」のではなく、「鞘を抜く」「売買益」を狙って株式や為替の売買を行うことをトレーディングと言います。
ちなみに、トレーダーとは、ポートフォリオマネージャーから、これをいついつにこれだけ売って、これだけ買って、と依頼を受け、売り買いをする人のことを指します。 注文を出すだけが仕事で、欧米では、かなり地位が低い職業と見なされています。
「鞘を抜く」ことや「売買益」で資産を増やせれば良いですが、それはとても難しいです。
経験されている方はお分かりと思いますが、抜けるときもあれば抜けない時もあります。安く買って高く売ろうとしているのに、高く勝って安く売ってしまうことも、頻発するかと思います。
トレーディングでは、鞘が抜けた時、売買益が出た時、「勝った」と表現します。その「勝つ」確率を高めるために、チャートなどを見て、タイミングを図っているわけですが、正確にタイミングを捉えられる確率は、どんなに熟達しても、半分です。
上がるか下がるかのどちらかの予測をするわけなので、当たる確率は半分です。そこに、いつ上がるか、いつ下がるか、の予測を入れなければならないので、上がり下がりが当たり、タイミングも当たる確率は、もっと下がります。
先行きが見通しやすい時代はまだ良いですが、現在のように不確実性が高まっている状況下では、売買のタイミングを『当てる』こと、ーつまり、安く買って高く売ることー は、プロでもとても難しいです。
さらに、トレーディングでは、知識は蓄積されません。いつも、何が上昇要因になり、何が下落要因になるか、それはその時その時で異なるからです。不確実性が高まっている時なら、なおさらです。
前回の負けが、今後の肥やしにならない。
毎回、新たな「予測」=「賭け」をしなければならない。
それが、トレーディングです。
投資は賭け。
そう思っておられるなら、今ここで認識を新たにしていただきたいと思います。
トレーディングは賭け、ギャンブルです。
が、投資は、ギャンブルではありません。
投資とは、手元の資金を運用すること、『資産を運用する』ことを指します。
『資産運用』、特に長期に渡って少しずつ資産価値を増やしていくための『資産運用』では、今後のある一定期間、相対的に他の資産より価値の高まり方が高くなると思われる資産への投資配分を高めます。
そうでない資産を売って、高くなると思う資産を買うのではありません。
そうでない資産への配分を低め、高くなると思われる資産への配分を高めます。
どれを高め、どれを低めるか、それを決定して資産を動かす、これが
「長期に渡り、一定のペースを保って資産を増やして行く『資産運用』」
で行うことです。
そして、そこに、新規に資金を入れ続けます。
上がりそうなものを買い、下がりそうなものを売るトレーディングとは、全く異なります。
これを、『資産運用』の中でも『ポートフォリオ運用』と呼びます。
先の彼女が行なっていたのは、この『ポートフォリオ運用』です。
ポートフォリオ運用とは、5年後、10年後、あるいは老後を見据えて、世界の金融市場に分散投資をする『資産運用』のことを指します。
『ポートフォリオ運用』をする際に見るのは、まず、
・どの地域のどの資産が、どんな時に価値が高まるのか?
・お互いの価値の高まり度合いの関係性は?
といったことを見ます。そして、それが理解できたら、次に
・何と何をどの配分で持っていると、全体として価値が高まるのか?
を見ていきます。
最初の二つは、そうそう変わるものではないので、一度知識として入れてしまえば、ずっと使い続けることができます。三つめに関しては、その時の状況によって、変わります。なので、それを見極めるために、世界の金融市場の状況や潮流をウオッチします。そして、三つめに関しても、
こういう状況ならこの地域のこの資産の価値の高まり方が相対的に他の資産より高くなる、
という、それぞれの資産の『性質』『特徴』があり、それを把握していれば、ある程度、何が相対的に価値が高まって行くのか、が理解できるようになります。
その知識は経験と共に、確実に、積み上がって行きます。トレーディングで知識が積み上がっていかず、毎回新たに予測をしなければならないのとは、対照的です。なので、長く行えば行うほど、資産運用は楽になっていきます。
資産を確実に増やしていきたいと思ったら、トレーディングのような、一か八かのタイミングを当てる勝ち負けのゲームに参加するのではなく、
不確実性が高まることを前提に、タイミングを狙わずとも資産が増えて行く「資産運用」をすること。
勝ち負けではない資産運用をすること。
それが、私たちの資産を守り、育てていくために、「賢明な投資家」が取れる『ポートフォリオ運用』と言う投資です。
ポートフォリオ運用をするようになると、日々の金融経済のニュースの何をどう見て行くか、ウオッチポイントも変わります。視点が変わるのです。その視点で見て行くと、得られた情報からより抽象度の高い真実を見る力、「洞察力」が養われます。知識が蓄積され、より「価値が高まって行くもの」を選別する「見識眼」が備わってくるのです。
そして、ポートフォリオ運用を通じて養われた洞察力、見識眼は、知識と経験と共に高まっていきます。
つまるところ、投資の勉強とは、タイミングの図り方を学ぶことではないのです。上記基本の三つを知り、「価値が高まって行くもの」を『見極める洞察力と見識眼』を育てること、そして、自分で賢い投資判断をできるようになること、それが投資の勉強であり、金融リテラシーを高めると言うことです。
不確実性が高まる時代、予測が当たったら勝ち、外れたら負けの勝ち負けゲームであるトレーディングで資産を形成することは、これまで以上に難しくなっていきます。
これから『投資』で「資産を形成」して行きたいと考えている方は、ぜひ、勝ち負け(ゼロサム)ゲームのトレーディングではなく、
予測をしなくても資産が増えて行く、プラスサムの本物の『資産運用』、その中でも、
世界に分散投資をしてより安定的な増え方を目指す『ポートフォリオ運用』で資産を形成して行きましょう。
今日の行動が明日に繋がる、自分をより高みに運んで行く、人生でもそうですが、特に資産運用では、そんな今日の選択をしたいですね。
今日も、あなたがより豊かにより幸せを感じる明日に繋がる選択をされてください。
愛と感謝を込めて
🌈働くをもっと楽しく、生きるをもっと面白く🌈
(株) ミッション・ミッケ人生デザイン研究所
高衣紗彩