こんにちは。
ミッション・ミッケ人生デザイン研究所研究員の澤田りよです。
いまどきの10代の若者はFacebookで活字を読むより、Instagramで画像を見て、そこから物事を判断する傾向にあり、活字離れに拍車がかかっています。この活字離れの問題は、果たして10代に限ったことでしょうか?
活字に親しむ代表的なものは読書だと思います。仕事で忙しい毎日を過ごす社会人の中で、読書を習慣としている人はどれくらいいると思いますか?
ある調査によれば、20代、30代のビジネスマンは1ヶ月平均0.26冊の本を読むのに対し、30代で年収3000万円の人は平均9.88冊の本を読むそうです。その差は約38倍にも及びます。アメリカの調査でも資産何百億ドルの大富豪が1日30分以上本を読むのに対して、年収数万ドルの人たちの中で1日30分以上の読書をしていたのは、たったの2%しかいなかったそうです。いま話題のアメリカ次期大統領のドナルド・トランプ氏も、実はとても勤勉家で毎日3時間、読書をしていると言われています。
インターネットを使えばほとんどの知識や情報が手に入る今の時代でもなぜ一部の人は本を読み続け、他方の人はほとんど本を読まないのでしょうか。そこで、今日は読書の効果、魅力について考えてみたいと思います。
読書によって新たな知識を習得し、自己成長に繋がる。誰もが容易に思いつく読書の代表的な効果です。以前、こちらの記事でも自己成長の大切さについてお伝えしました。しかし、読書の本当の魅力とは巷に溢れた平易な知識ではなく、『叡智』にアクセスできることです。
人は亡くなってしまえばそこで終わりですが、その人が発した言葉や思想は本の中で永遠に生き続けます。時代や国境を越えて影響を与えた方々から、いつでもその学びを得られ、私たちの人生をより豊かにすることができます。特に古典は人類の長い歴史の中で選ばれて今日まで残ってきたものであるので、そこから得られる学びの効果は、現代のビジネス書数冊を読んでもはるかに勝るものがあると思います。
ビジネスで成功されている多くの方々が読書を習慣化している理由も、このように叡智からの学びを自分のビジネスに反映し、よりビジネスを発展させるためではないでしょうか。
映像と違って、本は読みながら頭の中でその状況を思い浮かべる必要があります。より明確に物事を想像する力が身に付けば、様々な物事を達成する能力も高まります。なぜなら、私たちは明確に想像できるものでなければ実現することができないからです。
「幸せ」と一言でいっても、どういう状態が幸せなのかは人によって異なります。何がどうあれば幸せだと思うのか。それを想像し、言語化して言葉として表現できて初めて実現することができます。なので、想像力が高まることは実は、自分の人生をさらに良いものへと実現、発展させるためにもとても大切なのです。
英国サセックス大学の研究チームの実験によると、わずか6分間の読書によってストレスが3分の2以上軽減されるということが分かりました。その効果は、音楽鑑賞や散歩、コーヒーを飲むといったストレス発散のためによく取る行動の中で、最もその効果が高いという結果になりました。
ストレス社会と言われる現代社会において、知識習得と共にストレスも解消できるとは、まさに願ったり叶ったりの副次的効果です。
ストレス解消を主眼においた時の注意点は、あまり難し過ぎるまたは簡単過ぎる本は避けるということです。なぜなら難し過ぎると理解することを諦め、簡単過ぎると飽きてくる傾向になるからです。ちょうど良い難易度は「知っていること:知らないこと=7:3」で述べられている本だそうです。
読書の効果、魅力は単なる知識の習得に留まりません。偉人の叡智にアクセスし自分の中で想像力を高め、新たな創造、更なる飛躍に繋げることができます。
今、読書の習慣がある人はそのまま継続し、読書の習慣がない人は新年に向けた新たなチャレンジとして、ぜひ読書を習慣化してみてはいかがでしょうか。