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2016
02月23日

意思決定の第二の罠:脳内フィルターがもたらす「確証バイアス」

 2016年2月23日

前回は、書籍『決定力』で紹介されている、意思決定の際に陥る第一の罠について、お伝えしました。

第一の罠は、自分が見えているスポットライトが当たっている部分にしか目がいかず、今見えている情報だけで判断を下そうとする、「視野の狭窄」でした。

今日は、第二の罠を解説していきます。

第二の罠は、「確証バイアス」です。

第二の罠:確証バイアス

確証バイアスとは、ある状況について直感的に信念を抱いたあと、その信念を裏付ける情報を探しにいってしまい、判断を誤るというもの。

これは、「私たちは、周囲の世界から情報を集めるとき、元々ある考え方、信念、行動を裏付ける情報ばかりを選びやすい」という、人間の習性から来ています。

これが、第一の罠と合わさると・・・・。

スポットライトは、自分の考え方や信念、行動を裏付ける情報やデータだけにあたり、それらから導き出した結論や判断は、「自分の信念」というバイアスがかかったものになってしまいます。

さらに厄介なことには、このとき、データに基づいて判断をしているため、自分は極めて科学的に判断した、と、思い込んでしまい、バイアスがかかっているということが、全く見えなくなってしまいます。

幻想が幻想を呼び、『幻想の二重奏』が起こってしまうんですね。

仕事でも、人生でも、真実を求めていると思い込んで、実は自分の信念のバイアスがかかった情報を集め、バイアスがかかった判断をしていることが多い

このことを、私たちは、頭に入れておく必要があります。これを知っているだけでも、情報にあたるときに、意識して気をつけることができ、真実により近い判断が可能になると思います。

実は、この確証バイアスは、私たちの脳の機能に関係しています。

脳内フィルター、RAS

脳には、RASという情報処理をするためのフィルターシステムが存在します。

RASReticular Activating System 盲目状神経系、網様体賦活系などと訳されていますが、脳は、このフィルターシステムにより5感を通じて入ってきた外部からの情報を認識するか、しないかをより分けています。

これは、実際は無意識下で一瞬で行われるため、私たちがこの判断処理の過程を認識することはできません。このフィルターにより不要と判断された情報は意識上に上がってこないため、何の情報をフィルターが不要と判断したかを知ることもできません。

 スコトーマ(心理的盲点)

このとき、見落とされた情報のことを脳科学でスコトーマ(心理的盲点)と呼んでいます。(本当は、心理的ではなく、脳的なのですが^^;)

例えば、旅行に行って新しい土地を車で走っているとき、赤ちゃんを持つ新米お母さんなら、ベビー用品のお店があることを目ざとく発見するでしょう。

建築家なら、自国にはないビルの形や建築様式に目が行くでしょう。

コーヒー通なら、美味しそうなカフェをいち早く発見するでしょう。

ですが、建築家は、ベビー用品店があっても、気づきもしないでしょうし、新米お母さんは、ビルの形になど目もくれていないでしょう(お母さんで建築家なら別ですが・・)

こういったことが、実は、私たちが情報やデータを集めるときにも起こっています。

意思決定の際にスコトーマを外す

これを防ぐには、二つの方法があります。本では、後半で彼らの考える対処法を紹介していますが、ここでは、高衣の考える対処法をお伝えしたいと思います。

1)複数の脳(つまり複数の人)を使って情報やデータを集めること。

2)自分の中で、反対意見を支持する情報やデータを意識して集めること。

これは、世の中の真実を見極める上で、とても大事なことだと、私は思っています。

以前、「水はなんでも知っている」という本が出版されました。水をコップに二つ用意し、一つの水には何日か「愛しているよ」と言い続け、もう一つの水には「バカ」などと罵倒し続けると、愛してるよと言い続けた水の結晶は綺麗な形を形成し、罵倒し続けた水の結晶はグタグタに形が崩れていたというもの。

私たちの身体は70%が水でできていますから、自分に投げかける言葉で細胞が実際に変わります、という主張だったと思います。

これを読んで、おーそうか。と丸呑みに信じるのではなく、反対意見を探します。

そうすると、あるんですね、「水は何にも知らないよ」という本が(笑)。こちらでも、色々とデータを出して、結晶の形が変わることと語りかけには関連性がないことをロジカルに主張しています。

詳細はここでは省きますが、どちらもそれだけ読んでいると「なるほど!」と思えます。どちらか一方だけの知識を入れ、それを元に判断し行動をしてしまうと、真実からかけ離れていってしまいます。

私たちの脳は、本屋さんやネットで検索をするときなど、常にRASを働かせています。これがないと私たちの脳は情報が多すぎてパンクしてしまうので、これは必要な機能です。ですが、これがあることで、情報を探しにかかる際に、「バイアス」となって働いてしまうことも、認識しておく必要があります。

第一と第二の罠を避けるために

実は、今、高衣がしていることも、この第一と第二の罠を避けるために行っていること、お気づきでしょうか。

少し前に、「即断即決」のメリットをお伝えしました。今は、即断即決のデメリットともいうべきものをお伝えしています。即断即決が良いと読んで、「良いのだ〜!」と意思決定し行動するのを少し間を置き、問題・課題から離れ、スコトーマを外す、つまり上記1), 2)をする。

意思決定の影響が多大なる課題には、これをしてみる。影響が「やっても失うものはない」という類のものであれば、敢えてこのプロセスを踏まず直感に従って即断即決をする。或いは、本当にこれは自分に必要、などと、魂が言っているのがわかれば、即断即決する、などと、

両方を知った上で、自分のあり方、生き方、日々の行動を決める。

知った上で選ぶのと、知らずにただ信じ込んで行うのと、その後の結果に対する「準備」が変わってきます。両方を知った上で選択をすると、「想定内」が拡大するのです。なので、結果に対する感情のブレも少なくなり、冷静に対応することができます。

極力バイアスのかからない情報収集、処理、意思決定をしていきたいですね。

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