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2015
06月15日

『「未来の働き方」「お金の増やし方・活かし方」の可能性を考える』フューチャー・セッション

『「未来の働き方」「お金の増やし方・活かし方」の可能性を考える』フューチャー・セッション

先週末は、『「未来の働き方」「お金の増やし方・活かし方」の可能性を考える』と題するフューチャー・セッションを開催し、パネラーの方を交えた参加者の皆さんと一緒に、未来の働き方の可能性を探求しました。

Create Your Future Concept


Create Your Future Concept


第1部は、働く、増やす、活かす、のそれぞれの領域で、時代の先端を行っている3名の方にご登壇いただき、それぞれの哲学、現状に至った背景、今後の方向性、などを語っていただきました。
パネラーは、以下の3名の方。
・コモンズ投信代表取締役社長&CIO 伊井 哲朗氏
・経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーター 谷本有香氏
・リクルート/高専ベンチャー/ビルオーナー 弦本卓也氏
FS3

パネルディスカッション

◉ まずは、経済キャスターの谷本有香氏。
谷本氏は、就職氷河期に就活をし、世の中には経済環境という大きな波、そういった個人には抗えないものがあると実感し、経済を動かしている側に行ってみたいと新卒で山一証券に入社。
同社内の経済キャスターとしてキャリアをスタートしましたが、同社が自主廃業となったことを機に、フリーランスとして経済キャスターとしての道をスタートされました。
Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスターとなり、20115月からは同社初の女性コメンテーター、同年10月からフリーになられました。
これまで、トニー・ブレア元英首相、マイケル・サンデル ハーバード大教授、ジム・ロジャーズ氏の独占インタビューをはじめ世界の蒼々たるVIPたちへのインタビューを行い、現在は、テレビ朝日「サンデースクランブル」ゲストコメンテーターとして不定期で出演している他、日経CNBC「夜エクスプレス」アンカーとして出演中です。

また、20155月には「アクティブリスニング なぜかうまくいく人の『聞く』技術 」を出版されました。
こうして書くと、華々しい経歴ですが、最初から華々しかったわけではありません。
山一證券に入った動機は、「経済を動かす側に行ってみたかったから。」
当然、証券会社の実務に着くことを希望されていたわけですが、配属命令は、実務には全く携わらない「社内キャスター」。
当時は、希望の配属ではなく、もやもやとした日々を過ごされています。
自主廃業後も、その願いはお持ちで、再就職先として証券会社も受けますが、自分をキャスターとして使いたいと言ってくれる先があり、自分が「お金を払いたい」と思ってもらえるのはキャスターの分野なのだ、ならばこれでやっていこう、と決意し、その道でどうしたら自分の市場価値を上げられるか、を考えるようになったと言います。
特に、フリーになってからは、文字通り「実力勝負」。
現在、「やりたいことで起業する」がもてはやされている風潮があります。が、彼女は、
自分が生涯かけて取り組む仕事の方向性を決める際には、
(1) やりたいこと、に加えて、
(2) 自分の強みや才能は何で発揮できるのか、そして、
(3) 社会が自分の何にお金を払ってくれるのか、
この3つの領域の重なった所を、自分が生涯の仕事として選ぶべきだと言います。
そこに、仕事を通じて、自分独自の「価値創造」ができるポイントがあるのです。
自分の才能や強み、とは、自分の中では「教えられなくても、学ばなくても、気がついたら普通にできていたもの」で、「何も特別なものではない」と認識してしまっていることが多く、気づくのが難しいものです。
やってみて初めて、「あ、自分、これ、人より数段上手いんだ。」「あ、これ、なぜかどうすればいいかを知ってる」と気づくことも多いので、とりあえずやってみる、ということも、人生には必要だと思います。
また、結構、人というのは、自分のことをよく見てくれているもので、企業での「配属先」は、結構その人に合っている、ということも少なくありません。或いは、最終的にやりたいことをするためにやっておいて良かった、と思えるものだったことが、後からわかったりします。
やりたいこと、才能や強みがわからないという方は、それらに気づくエクササイズというのが、世の中には沢山ありますので、それを行ってみるのも手ですし、まずは目の前のことを一生懸命やってみる、というのも手だと思います。
そこから、何かしら突破口が開けたり、壁の下に穴が見つかって、そこを抜けるとまさに自分はこれがやりたかったんだ、と思えるものにぶつかったりします。
ちなみに、ミッション・ミッケでも、「才能に気づくワーク」「自分の価値観(=強みが発揮される分野)を明確に知るワーク」などを行っていますので、人生の方向性をピンポイントで定めたい方は、ぜひお問い合わせください。
◉ 次のパネラーは、コモンズ投資の伊井社長です。
伊井社長も、偶然にも山一證券にいらして、営業企画部に約10年間在籍したのち、メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券で約10年法人・個人向け営業に携わった後、200711月のコモンズ投信創業と共に社長となり、20127月からCIO(チーフ・インベストメント・オフィサー)兼務となりました。
コモンズ投信の理念は、「未来志向の日本人が全国から、長期投資を通じて最良な企業と出会える場を提供すれば、持続的な価値創造が可能になる」、そんな熱い想いを持ったメンバーが集まって創った独立系の投信会社です。
価値を創造するためには企業との「対話」が大切であると考え、世代間を超える30年という長期的な時間軸を意識し、30社ほどに集中投資して運用成果の向上に努める『コモンズ30ファンド』が主力商品。こちらは、20154月に「R&Iファンド大賞2015」【NISA/国内株式部門】優秀ファンド賞を受賞しました。
伊井社長は、金融本来の力は、投資や資産運用だけに留まらない。金融リテラシーがキャリアデザインやライフデザインに欠かせないと言い、普段から積極的にセミナーを開催され、日本人の金融リテラシーの向上に貢献しておられます。
増やす、という枠組みで投資について語って頂いた所、投資先も、長期的に自分が応援できる先を選択しよう、というお話がありました。
自分がお金を預けるにしても、例えば、ゆうちょ銀行に預けると、そのお金は殆ど国債の購入に充てられる一方、メガバンクに預ければ、私たちが預けたお金は日本経済を担う大企業に貸し出され、経済の根幹を支えることに使われます。
また、地方の信用金庫に預ければ、その地方の商店街の活性化に使われます。
同様に、企業の株式や社債などの購入は、直接それらの企業活動を支えることになります。
預金先、投資先を、自分に戻ってくる利回りのみを見て決めるのではなく、
自分がどこを応援したいか、という視点から考える、それが「投資で価値創造を生む」ということ、と話されました。
会場中の眼の鱗が、音を立てて落ちた瞬間でした(笑)。
消費に関しても、社会的ステータスとしてブランド物を買うのではなく、自分が応援したい企業の商品を選ぶ、という、いわゆる、スペンド・シフトと呼ばれる現象が、アメリカなどでは起きてきていることを指摘され、働くも、投資も、消費も、そういう方向に変わってきている、というお話をされました。
◉ 最後のパネラーは、リクルート/高専ベンチャー/ビルオーナー 弦本卓也氏

2011年に新卒でリクルートホールディングスに入社し、リクルート住まいカンパニーにて不動産広告SUUMOのネットメディアの企画や開発のディレクションを行う傍ら、個人でも全国の高等専門学校生(高専生)を支援する高専ベンチャーを設立。さらに、27歳にして東京都千代田区のビルのオーナーとなり、現在も3足のわらじを履きながら精力的に活動をしています。

高専ベンチャーとは、もともと高専の出身でない弦本が優秀な高専生と出会い設立した団体。高専生の可能性をもっと世の中にをミッションに、主に地方の高専生に対して東京へのツアーイベントなどを開催し進路や学習の選択肢を提供しています。

弦本ビルは、東京都千代田区にある5階建てのビル。様々な暮らし方をしてきた経験から、何かわくわくする、面白いことをしたいと、という理由で、ビルを丸ごと一棟購入。

弦本氏は、弱冠27歳で銀行から融資を勝ち取ったのは「『運とタイミング』、自分の力があるとすれば『わくわく感と粘り強さ』」だと言います。

日本の銀行が、そのようなもので融資を承認してくれるのか? 元銀行員でもある私には、にわかには信じがたい出来事です。

ですが、それは彼によって現実に起こされ、購入したビルの一室は、今では彼と同じような仲間に活動の場として提供され、そこでは今日も社会人若手プロデューサーの発掘や支援が行われています。彼のような若者の存在、頼もしい限りです。

そのような使い方をすることで、彼の使ったお金は、社会的な「価値を創造」することになりました。

こうしてみると、働く、増やす、使う、どの局面においても、『価値を創造する』ことが可能なことがわかります。

もちろん、どの局面も、自分がまずは満足することが必要です。が、多分、自分の活動によって、なんらかの価値を社会に生み出すことができたら、それが一番私たち自身が満足できることなのではないでしょうか。

どんな価値を生み出したいか? それは人それぞれでしょう。

あなたは、何で価値を創造したいですか?

この問いに答えるためには、まずは、自分は何に価値を置くのか、を知ることが必要です。

自分が何に喜びを感じるのか、何に価値を置くのか、いわば、「個人の価値観」。

自分の価値観を、確かにそうだ、これだ、と思うまで、特定すること。

それが、これからの働き方、貯め方、使い方を考える上で、軸となる。これは、3者の共通する哲学でした。

ですが、現実には、最初の仕事を社会的・文化的な価値観に基づいて選んだ人が殆どです。

昨今でこそ変わってきましたが、今の30代半ばから上の方は、自分の価値観など考えたこともなく、

いい大学→大企業→持ち家・持ち車→幸せな家庭→定年

という社会の価値観を軸に仕事を選び、働き方を選び(選択肢はなかったから選んだわけではありませんね)、そういう人生を生きる方向に向かってきたと思います。

これからは、個人の価値観が尊重される時代です。尊重される社会に徐々に変わりつつあります。
自分が本当にやりたいこと、携わりたいこと、これで価値を生んで行きたいと思うこと、に携われる環境になりつつあります。

かといって、今の仕事を急に変えるのも、どうか?

未来の働き方のキーワード1

パネルディスカッションでは、『二枚目の名刺』というキーワードが出されました。

今の仕事を続けつつ、自分の第2のライフワークとして、兼業として、ボランティアとして、副業として、別の名刺を持つ。

それを許す企業も実際に出てきています。

現に、弦本氏の勤めるリクルートは、兼業を許可しています。
入社式の際に、新卒の大半は既に自分の会社を経営していたそうです。

昭和の価値観がまだ残っている世代には、びっくりですが、会社側の言い分は
「許さなければ今後会社としてやっていけない。」だったそう。

流石は、リクルート。時代の潮流をしっかり捉えています。

そんなことをしたら本業に差し障りがあるのではと心配する向きもありますが、実際には、兼業でできること、できないことと、本業でできること、できないことが真逆なので、美味しい所取りができ、本業が自分にとってどんな意味を持つかも実感でき、本業にも力が入るそうです。

個人の名刺では会ってくれないような人も、「リクルート」の名刺があればあってもらえる、
個人では相手にされないような大企業との大きなプロジェクトに関わることができる、

など、本業のメリットは沢山あると弦本氏は言います。

なので、同期の中には、本業以外の収入の方が多いも沢山いるけれども、みなさん辞めないのだそうです。

未来の働き方のキーワード2

もう一つ、未来の働き方で出てきたのは、出戻りOKな社会。

昨今、介護で会社を辞めざるを得ない人が急増してると言います。
一時期、出産や介護で仕事へのウェイトを減らし、ピークが過ぎたら、またエンジン全開で取り組む。

そういった働き方が許される社会があれば、人生の大きなライフイベントにも心置きなく集中することができます。

会社としても、優秀な人材が止む無く辞めたとしても、辞めた理由がなくなった時に戻ってきて貰えたら有難いという事情なこともあるでしょう。

実際、例外として認めている会社、「出戻り歓迎」をアナウンスする会社がぼちぼちで初めて来ています。

まとめ

『個人が個人の価値観で働くことを可能にする『2枚目の名刺』と『出戻りOK』な社会』

そして、『価値創造を生む増やし方、使い方が、受け入れられ、居場所がある社会』

これが、今回のパネル・ディスカッションであぶり出された、未来の働き方、増やし方、使い方、でした。

この後の、フューチャーセッションでは、では、そんな未来の社会の姿を実現するために、自分には何ができるだろうか、自分はどんな働き方、増やし方、使い方をしたいだろうか、という自分目線にまで降りてきて、ディスカッションを行いました。

4つのグループからは、未来の斬新な4つの姿がアウトプットとして出され、最後に個々人が、それぞれ明日から取れる小さな一歩を宣言して、お開きとなりました。

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パネラー関連サイト

◉ コモンズ投信

1分でわかるコモンズ投信
 http://www.commons30.jp/company/index.php
◉ 経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーター 谷本有香氏
アクティブリスニング なぜかうまくいく人の「聞く」技術(ダイヤモンド社)
http://amzn.to/1HxYcAV

谷本有香オフィシャルサイト
http://www.yukatanimoto.com/index.html

◉ 弦本氏関連サイト
http://an-life.jp/article/446
http://thinktokyolocal.com/people/takuya-tsurumoto/

2階テナントTOKYO PRODUCERS HOUSE(プロハ)
https://producershouse.themedia.jp/

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