2015年10月16日
2、3日前に、著名な株式ストラタジストが、「最近の注目は日本」と見ているとの記事がWSJに掲載されていました。
彼女の名前は、ローズノー。2001年と2008年の市場急落を回避し、2000年から今年6月までの累計リターン120%を叩き出した凄腕のストラタジストです(同期間のS&P500指数の累計リターンは89%)。一日500ページの分析レポートを読む凄腕ストラテジストです。
彼女曰く、「日本はこれから長く続いた弱気相場が終わりつつあり、『数十年来の』強気相場が来る」そう。
理由の一つは、「現在の日本は1980年代初頭の米国と似ている」こと。金融改革、財政改革、構造改革の全ての方向が正しく、人口動態にも改善の兆候が表れていると言っています。
人口動態的には、日本の将来は暗い、との認識がコンセンサスです。ところが、この12カ月を見ると、東京に暮らす15歳未満の子供の数は、なんと1万4000人増加しているのだそうです。
ローズノー氏は、これこそまさに実体経済の回復に伴う復活の兆し、と述べています。「人口の増加は、企業があり、賃金が伸びている地域から始まる」のだそうで、確かに、足元で賃金は伸びています。
そして、安倍首相が掲げる成長戦略、特に量的緩和策を打ち出し、法人税減税を評価しています。また、日本企業のROE(現在8%前後)が米国企業並みの10%台半ばになる過程で、かなりのリターンが見込めるとしています。
では、彼女が勝っている日本株式は、どの銘柄なのでしょうか。ROEで個別銘柄を選別しているのでしょうか?
それなら、日本を代表する大型優良銘柄でしょうか? それとも、前衛的な超小型株でしょうか?
同氏が買っているのは、驚くなかれ、上場投資信託(ETF)のiシェアーズMSCIジャパン。これを10年間保有しているそうです。
こんなプロ中のプロでも、個別銘柄ではなく、投資信託を買っています。
先月行った無料動画セミナーの中で、リスクの小さい、つまり大型株インデックスファンドから買いはじめ、リスク許容度が高まるにつれて、アクティブファンド、個別銘柄、と取るリスクを高めていくようお伝えしていますが、その後も、個別銘柄についての質問、『◯◯は買いですか?』的な質問があとを絶ちません。
ポートフォリオをお聞きすると、全資産の半数以上、下手をすると全財産を個別銘柄に投資している例も少なくありません。
そういったポートフォリオの組み方をしていては、長期に渡り堅実に資産を増やすことは、難しいです。ましてや、フルタイムで投資を行っているのではなく、本業の「片手間」に投資を行っている場合は、なおさら難しいでしょう。
同ETFに組み込まれている銘柄は、社会取締役を置いたり、株主資本利益率(ROE)の上昇など、発展的な企業統治を実践している企業ばかりの315銘柄。
銘柄数が多いほど、分散が効いていることになりますから、投資信託は、優良企業を選び分散を効かせてくれている、美味しい投資先であると言えます。これを自分で調査するとなると、かなりの時間と労力が必要ですし、分析のスキルも必須です。
高衣は日頃から、個別銘柄への投資は、総資産の10%までに抑えましょうとお伝えしているのですが、10%で70銘柄以上を買える位の資産を形成してから行うのが望ましい形です。プロの世界でも、30, 40銘柄しか持たないファンドは、かなりアグレッシブ(高いリスクを取っている)なファンドとみなされています。
銘柄選択スキルでプロに劣り、しかも一日張り付いていることができない私たち個人投資家が、10、20銘柄しか買わない(買えない)で、コンスタントに高いリターンを得られると考えるのは、傲慢というものです。
個別銘柄投資に安易に取り組んで大やけどをし、「株式投資はギャンブル」「もう二度とやらない」などという結果になって、みすみす絶好の投資機会を逃さないように、段階的分散ポートフォリオ構築法で、どっしりと腰を落ち着けて、堅実に資産を増やして行きましょう。
ちなみに、先のローズノー氏は、日経平均株価は現在の1万8400円前後から、数年以内に1989年に付けた史上最高値を回復し、4万円に近づくと予測しています。
市場全体を買っておけば、個別銘柄で忙しく売買を繰り返さなくても、しっかりリターンは得られます。
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