こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の井上です。
私たちが生活していく中で、多くの人が抱える悩みの1つに人間関係のストレスがあると思います。上司が嫌いで反りが合わない、クライアントがクレームばかり挙げて来るので毎日プレッシャーに押しつぶされそう、子供が言うことを聞かなくてイライラする、部下が思うように動かないなどなど枚挙にはいとまがありません。
そのストレスの解消のきっかけが、天才バカボンでお馴染みの「これでいいのだ」という言葉の中にあると私は思っています。
「これでいいのだ」という言葉はアニメ天才バカボンに登場するバカボンのパパが最後に必ず言う言葉ですが、その語源は作者の赤塚不二夫さんがご自身の父親をイメージして使った言葉だそうです。お父様は太平洋戦争時満州で戦い、その後もシベリア抑留、家族との死別、病気など波乱万丈だった人生ですが、同時に優しく慈愛に満ちた人格でそんなお父様の最期を見た時に赤塚さんは「これでいいのだ、と言ったのではなかったかと思う」と感じたそうです。
現代に生きる我々が悩む人間関係のストレスも「これでいいのだ」と思えれば解消されるかもしれません。今日はその方法を見つけたいと思います。
人間関係のストレスを「これでいいのだ」と思えるようになる要因に、「時間」と「経験」があると思います。これは誰でも持っていますね。
ここで言う「時間」は、よく“時間が解決する”と表現されるものです。どんなにイライラする相手でも10年間もイライラし続けることが無いのは、そこに確実に時間というものがあり、それがそのイライラを緩和してくれるからですよね。
またここでの「経験」とは、その数が多ければ、相手の言葉や行動を過去の事例から処理することが出来るので、ストレスには感じなくなるということを指しています。子供の教育にストレスを感じている若いママに対して、おばあちゃんが一緒にイライラすることはなく、むしろ暖かい目で見守っているのがその好例ですね。また、老齢の方に、落ち着いている人が多いのはこの「経験」が強く影響しているのだと思います。
しかし、この「時間」と「経験」を身に着けるためには、文字通り時間がかかります。もっと手っ取り早く、今抱えている人間関係のストレスを解消することは出来ないのでしょうか?
「時間」も「経験」も使わずに人間関係のストレスを解消する方法は、客観的事実を見つめ、ストレスになっていることから得られるメリットを見つけることにあると思います。どんな事柄にもメリットがある、それもまた、客観的事実です。これは、知識とスキルなので、キチンと勉強すればすぐにできます。
実は、私たちの脳にはRAS(Reticular Activating System)という、自分にとって重要だと判断される情報しか認識しないというフィルター機能があります。つまり起こっている事実の一部分しか見えておらず、客観的事実を捉えきれていません(「恋は盲目」とはあながち迷信でもないんです)。これは脳科学的に実装されていることです。
そして「メリットを見つける」というのは、ちょっとスピ的な観点も入っていますが、誰かの行動は必ず誰かの役に立っているという宇宙の法則を見つけるということです。この宇宙の法則は体験することで腑に落ちるようになるので、最初は半信半疑でも良いと思います。
つまり、悩んでいる人間関係に、自分が見えていない客観的事実がありそれが誰か(もしくは自分)の役に立っている、ということが理解できれば、その人間関係は悩みではなく「それでいいのだ」という認識に変わってきます。
これを理解するには質の良い質問を自分に投げかけることが必要です。
それには、体系立った専用のワークがありますが、ここではその一部をお伝えしたいと思います。
まず、いつ何処で誰のどんな発言・行動がストレスに繋がったのか、文章にして書き出します。出来れば5個以上。文章にすることで事実がより明確になります。そして、その特性をあたなも持っていると思っている第三者の存在を問いかけます。上司の傲慢な態度がストレスになっているのであれば、あなたのことを傲慢だと思っている人がいないかどうか、ということです。これが“自分が見えていない客観的事実”です。
そして、一つ視野を広げて、その客観的事実が結果として自分にどんなメリットをもたらしたのか、と問いかけます。子供の教育でイライラしているのであれば、それをきっかけに夫婦の会話が増えた、などと言うものもここでいうメリットです。どんな事象にも必ずデメリットと同じだけのメリットがあります。ここが宇宙の法則の部分です。ですが、問題が生じている場合は、あなたの目にデメリットは映し出されていますが、メリットは見えていません。これは、宇宙の法則で、どんな事象にも必ず当てはまるので、見つかるまで問い続けます。
宇宙の法則、というと大それた話に聞こえますが、その本質はRASに捉われず起きている事実をよく見ることと考えれば考えやすいかもしれません。そうすると赤塚さんの「これでいいのだ!」という言葉も、起きている事実の良いも悪いも含めて全部、そのままで良いと言っているように聞こえてきます。
人間関係に疲れやストレスが溜まった時には、客観的事実を書き出し、それに対して、「実はあなたもその特性を持っているのでは?」そして「実はその特性はメリットもあるのでは?」という質の良い質問を問い続けることで、それを悩みではなく「これでいいのだ」と思える状態にすることが、時間をかけずに対処できる方法だと思います。
人間関係に限らず、世の中の出来事は良いも悪いもなく、そのままで完璧。
これでいいのだ!