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2017
05月14日

毎月分配型ファンド、まだ持っているの?

毎月分配型ファンド、まだ持っているの?

こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の澤田りよです。
このブログに辿りついている方は、資産形成の大切さを認識されている方が多いと思います。中には既に運用を始められている方もいらっしゃるでしょう。これから投資を始める方は、約5000もあるファンドの中で自分にあった商品探しに苦労されているかもしれません。
そこで今回は、日本の個人投資家の間でかねてより人気のある毎月分配型ファンドについて、なぜ人気があるのか、長期運用をする上で本当に適した商品なのかについてお伝えします。

資産形成を阻害する分配金

正しい資産運用をすると、なぜ資産が増えるスピードが早くなるのか。それは複利の効果を活用しているからです。かのアインシュタインが「人類最大の発明は複利」と言うほど、その効果は偉大で大切なものです。
例えば、利回り5%で運用した場合、資産を2倍に増やすのに単利なら20年かかるところを、複利なら15年で達成できます。より高い利回りでポートフォリオを組んでいる場合、この複利の効果がさらに発揮されるため、長期資産形成の最大の利点とされています。
しかし、残念ながら、資産形成をされている方でこの複利の効果を享受していないケースがあります。それは、毎月分配型ファンドでの運用をしているケースです。複利の効果を活用するためには運用益も再投資する必要がありますが、分配金としてその一部を払い戻せば複利の効果を得にくくなります。さらに、現在の低金利で運用難に直面しているファンドもあり、分配金に投資家が払い込んだ元本を充てるという本末転倒な現象を起こしているファンドがたくさん現れています。金融庁も「消費者の真の利益を顧みない」として、毎月分配型投信を「顧客本位ではない商品」と断じているほどです。

毎月分配型は本当に人気なのか

MORNINGSTARに登録されている約5,000本のファンドのうち、分配金(決算)が年1回なのは1827本ありました。一方、毎月分配型は1485本と、年1回分配型の方が毎月分配型より本数としては多く存在しています。
MORNINGSTARには自分が保有している、または関心の高い複数の株や投信の運用状況を、1画面で把握することができるのが「ポートフォリオ」機能というものがあります。そこに登録されている上位20位のうち、毎月分配型は10ファンドと半分を占めています。年代別の結果は下記の通りです。

年1回分配型も毎月分配型とほぼ同数存在しているにも関わらず、50代以上の方の中では毎月分配型が人気を保っていることが分かります。手数料などのコストに敏感な20代でも未だに毎月分配型の人気が高いことには驚きです。それほど分配金を減らして複利を活用することに意識が向いていないことが伺えます。

毎月分配型が人気の理由

なぜこれほどまで、毎月分配型は人気があるのでしょうか? その理由は2つあります。
1つは、金融機関の窓口で勧められるがままに商品の中身を吟味せずに購入しているケースです。特に、年配の方の中では退職金の取り扱いを相談し、年金の足しになると毎月分配型を購入するケースが多いようです。
2つ目は、長期運用に自信を持てない方が、運用の利益をこまめに現金化することで、安心感を得るケースです。このような方にとっては、運用による利益をこまめに現金化することが合理的に映るのかもしれません。
毎月分配型は複利の効果を享受できない上に手数料も高く、運用の効果は低くなる一方です。この点を踏まえても高齢者と言わず若い方にもお勧めできる商品ではありません。

まとめ

資産形成の重要性を認識し、いざ投資を始めようとしても、投資戦略や明確な目標がないと、このような目先の”現金が手に入る”ということに意識が向いてしまうのかもしれません。10年後、20年後にも資産形成の利益を享受し続けるためには、やはり一定の金融知識を身に付けることは不可欠です。
長期運用における複利の活用の大切さ、重要さを認識して頂いて商品選びに活用頂ければ嬉しいです。
また、商品選びの際に投資効率までをも含めて選択する際は、こちらの記事を参考にして下さい。パッシブファンド、アクティブファンドの投資効率の比較を分かりやすく説明しています。
http://missionmikke.com/detail/ino030/

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    投稿者澤田 りよ

    ONは仕事、OFFは投資 ダブルで一生稼げる私になる 人生マネジメント塾主宰、人生デザインアカデミー協会認定講師。輸出入代行・海外展開コンサル事業コマビズ代表。
    「今まで培ってきて知識を活かし、人々の経済的自立を支援する」というミッションのもと、東京と大阪の2都市を中心に活動している。
    趣味はマラソンと登山。お酒も好きで大衆酒場からバーまで、どこでも馴染める。

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