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2022
10月17日

年金のこと、正しく理解していますか?

年金のこと、正しく理解していますか?

10月に入って、いろいろなものの値段が上がりました。
T Vのニュースはこれから日本人の生活がますます苦しくなるだろう、と報じています。これから日本はどうなるのだろうか。日本の年金制度は破綻しているから老後の暮らしは不安だらけだ。そう考えている人も多いかもしれませんね。
今回は年金と不安の正体について、知らないと損する年金の真実』(大江英樹著 ワニブックスPLUS新書)の内容を紹介しつつ、考えてみます

私たちが年金制度に不安を感じるのはなぜか

この本に書かれているとおり、多くの人が年金制度の実情をよく理解せず、誤解したままで不安を募らせています。
なぜ多くの人が年金制度の将来について不安を感じているのでしょうか。
ここには3つの理由があります。
ひとつ目は、将来のことは誰も経験していないからです。
人は自分が経験していないものに対しては不安を感じます。
そして、年金の額が足りないという人たちの声は表に出てきますが、現状に満足している人の声は聞こえてこないので、不安に拍車がかかるのです。
実際は、働く人の9割を占めるサラリーマンだった人たちは、ある程度の額の年金を受給しています。そして年金だけで生活しているという人たちも、かなりの数、存在しています。ですが、彼らは声を上げません。
人間は不安や不満があると声を上げますが、満足している時は声を上げないものなのです。
ふたつ目は、良いニュースよりも悪いニュースを大きく取り上げる傾向が、マスコミにはあるからです。
人は、良いことや感動する話よりも、人の不幸や犯人探しの方に興味を持ちます。マスコミは販売部数、視聴率を上げることが企業としての責務ですから、これは致し方ありません。
ですから
「年金制度は今のままで大丈夫か」
「年金を××が食いつぶしている」
という、不安を煽るような内容の報道が増えてしまうのです。
三つ目は、人々が年金に不安を持っていた方が、金融機関には好都合だからです。
金融機関も商品を売ることが企業としての責務ですから「年金だけでは老後の生活は不安」というロジックを使って商品を売ろうとします。
そして「年金だけでは生活費が足りなくなる」という結論を説明するための表やグラフを使って現状を説明します。
表やグラフはデータを客観的にまとめたもの、真実を示しているものと思われています。ですが、データの取り方、目盛りの打ち方によって、自分が訴えたいストーリーを印象づけるものを作ることが可能です。
データを示されると、それが真実だと思い込んでしまいますが、そんなことはありません。
マスコミや金融機関に煽られて、将来への不安を膨らませるのではなく、彼らの主張にはバイアスがかかっているのかもしれない。そう考えて、事実を調べる姿勢が大切なのです。

年金制度は破綻しているのか?

日本の年金制度が破綻しているという話も流布していますが、こちらもきちんと事実を確認することが大切です。
まず、日本の年金制度は賦課方式なので、その年に現役世代が払ったお金を現在の高齢者に分配しています。そして毎年の納入額と支出の差を調整するために年金積立金約200兆円がプールされています。これは年金給付額の4.9年分に相当します。
この年金積立金の額は日本が世界一です。諸外国の年金積立金はアメリカでは3年分、イギリスは2カ月分、ドイツは1.6カ月分、フランスはほぼゼロです。
さらにこの年金積立金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で運用し、四半期ごとの運用実績が公表されています。株価の変動によってはマイナスの数字が目立つこともありますが、過去20年の運用実績は年率3.7%、累積収益額は100.3兆円です。
この運用実績についても、目標は4.1%だったのだから、3.7%では積立金は実質増えたことにはなっていない、運用は失敗だと報道されたこともありました。
ですが、この4.1%はインフレ率をカバーするために、名目賃金上昇率を2.5%と想定し、それに運用利回りを1.7%と設定して算出された数値です。この10年の名目賃金上昇率は0.44%でしたから、これに1.7%を加えた2.1%を上回っていれば運用は成功したことになるのです。
4.1%という数値の根拠を考慮せず、数値だけが一人歩きしたために、年金の運用は失敗だった、年金は破綻するとの話がブログやネットメディアで拡散しましたが、トータルで見るとG P I Fの運用は問題ありません。
このようにデータをしっかり確認すれば、現在の年金制度は機能していると考えられるのです。

若い世代は年金をもらえないのか

若者の数が減っているのだから、今の高齢者は年金をもらえても、今の若者が高齢者になった時には年金制度は破綻している——そう考えている人も多いようです。 
たしかに少子化の影響で若者世代の人数は減っています。
ですが、年金は働く人が保険料を支払っています。会社の定年が65歳まで延長になり、専業主婦も減って、多くの女性が働くようになりました。少子化に伴って、保険料の納付額が減っているわけではありません。現在の20代の若者でも払い込んだ額の2倍は受給できる試算になっています。
年金は破綻するから掛けても意味がないという人もいますが、年金の保険料を払っておかないと、自分が支払った税金の恩恵も受けることができません。
年金を払っていない人が4割いるという話もありましたが、これも払い込み免除や納付猶予者を含めた割合で、データをきちんと確認すると、支払える能力があるのに保険料を支払っていない人は1%以下です。
4割もの人が公的年金制度を拒否していると思うと、年金制度は破綻するかもしれないと不安になり、自分も支払うのは嫌だ、と考えてしまうかもしれません。
ですが、データをきちんと確認すれば、年金制度は将来への不安を解消するシステムであることがわかります。

年金制度改革は何を意味しているのか 

今年(2022年)の4月に年金制度の改正がありました。
この改正の大きなポイントは、年金を受け取る時期を選択することができることです。65歳以降も働き続ける場合は、年金の受け取り時期を後ろ倒しにした方が、総受給率は増えるという内容です。
これは、平均寿命が伸び、現代の年齢における健康度合いが30年前に比べてかなり改善している、65歳以降も働くという選択ができるようになったことに対応したものです。
 つまり、65歳以降を含めて、自分の仕事とお金の面を、自分の人生をどうデザインするか。どういう働き方をするのか、いつまで働くのかを考える時代になったということです。
 働き方の選択肢は定年延長といった今の仕事のセカンドキャリアだけではありません。今後サラリーマンの副業もどんどん解禁されます。
副業を始めて、それを本業に移行し、65歳になった時にその道の専門家になっておけば、以降もずっと働いて収入を得ていく人生を築けます。
このように65歳以上も現役で働き続けるためには、30代40代の時にキャリア設計をしておくと有利です。
やりたくない仕事を我慢して定年まで働いて、65歳から新しいことをやろうとしても、そこから専門家になるまでにはかなりの時間がかかります。本当にやりたいことがあるのであれば、今すぐに計画を立てて着手しましょう。
では今の会社を辞めよう、と短絡的になるのではなく、今の会社の仕事をやりながら、将来使えるものを知識経験として蓄える、また蓄えられるようなポジションに動くという選択肢もあります。そんなことは許されない、できるはずがないと思うかもしれません。ですが、自分がやってみようと思って行動すれば、そのような流れができてきます。
まず、考え始める。それが第一歩です。
年金の誤解を解いて、人生をデザインし、安心して人生を楽しみましょう。

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