こんにちは。
ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の澤田りよです。
今では常識になっている長寿国、日本。
世界保健機関(WHO)が発表した2016年版の「世界保健統計」によると、15年の日本人の平均寿命は83.7歳で、世界で首位でした。日本は統計を遡ることができる20年以上前から長寿世界一の座を守り続けています。
大切な家族が長生きするのは大切なことですが、一方で介護問題も深刻な社会問題になっています。しかし、年を重ねて老人になることが、すなわち要介護の人になることとは必ずしもイコールにはなりません。いくつになっても介護の必要もなく若い頃同様に毎日を楽しく、自由に生きている方もいます。そんな人生を送るために必要なのは、いかに健康でい続けられるのか、つまり、いかに健康余命を延ばすのかということです。
健康余命とは、平均余命(各年齢において平均的にあと何年生きられるかを示したもの)のうち、健康で普通の日常生活を送れる年数のことを指します。
では、一体どうすれば健康余命を伸ばすことができるのでしょうか。
年末のこの時期になれば、来年はどういう1年にしようかと目標を設定される方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、この機会に30年、40年先の老後についても一緒に考えていきたいと思います。
健康余命を延ばすためには、若い頃から食事や運動に気をつける。もちろんこれも大切ですが、実はそれだけでは足りません。介護不要の健康余命を延ばすためには認知症にならないことが欠かせません。そして、認知症の予防のためには、他でもない働き続けることが大切なのです。
認知症は脳の機能が極端に低下することによって起きます。つまり、脳の機能を働かせ続ければ(トレーニングすれば)認知症を予防できることになります。長時間テレビやスマホなどを見ている時、脳の機能はなんと寝ている時と同程度にまで低下するという研究結果があります。楽しく見ているテレビも脳の働きを下げ、結果、健康余命を短くする要因になるのです。
30代、40代の方の中には、いつまでも働き続けるのは辛い、嫌だ!と思われる方がたくさんいらっしゃると思います。
一方で、内閣府が60歳以上の有職者にアンケート調査をしたところ、平成20年度の調査では、60歳くらいで仕事を辞めたいという人はわずか1.3%。65歳まで働きたい人は19%、さらに「働けるうちはいつまでも」と答えた人は実に40%にもなりました。ここから、多くの人が長い間働き続けていたいという希望を持っていることがわかります。
健康維持のために働き続けるとしても、精神的にも肉体的にも辛い仕事では、長続きしません。むしろ、仕事が原因で健康を損ねる可能性もあります。若い頃から体力が落ちた人生の後半になっても続けられる仕事こそ、まさに自分の価値観を満たした仕事なのです。
価値観を満たす仕事に就くと、外からのモチベーションがなくても気付けば自然と没頭して仕事を行っています。その上、楽しみや喜びを持ってそれを行うことができ、効率的に成果を発揮することができます。働くことに対して辛い、苦しいといった感情を抱くことはありません。
世界一長い寿命を誇っている私たちだからこそ、なおのこと、本当の自分の価値観を満たした仕事に就くことで、健康を維持した充実した人生を送ることができるのです。
そして、やはり趣味を楽しむことも欠かせません。適度の運動や人と会う習慣、手芸や裁縫、庭仕事といった指を動かす運動もまた認知症を防ぎ、健康余命を延ばすことに繋がります。
「自分は無趣味です」と、仰る方がたまにいらっしゃいますが、それは単に自分自身が気付いていないだけです。
以前、50代の女性と話をしていた時に「趣味もなく、老後をどう過ごすか心配」という発言を聞いて、私はとても驚いたことがあります。なぜなら彼女は休みになればキャンピングカーを繰り出して旅行に行き、参加したい講演会があれば仲間と共に広島までも行く方だからです(彼女は大阪在住です)。
傍からみたら既に趣味を楽しんでいると思うのに、本人はそれに全く気付いていません。それは、自分の行動が当たり前で、特別なことだと認識していないからです。
自分の趣味や好きなことがないと思っている方は、最も時間を割いていることや、気づけば長時間没頭してしていることを周りの人と話し合ってみて下さい。そうするとあなたが当たり前だと思っていたことが、実は特別なことだということが知ることができます。
子育てや日々の仕事に追われ、老後のことなんてまだ先だと深く考える余裕がないかもしれません。しかし、光陰矢の如しという言葉の通り、時間はあっという間に過ぎていきます。
後悔のない、充実した人生を健康で楽しく過ごすためにも、今からでもぜひ生涯続けられる自分の本当の価値観を満たした仕事に就き、没頭できる趣味を楽しみながら、世界一長い人生を謳歌しませんか。