体験講座・
セミナー

オウンドメディア Owned

2017
02月14日

住宅ローン 借換えで失敗しない為の最新情報

住宅ローン 借換えで失敗しない為の最新情報

こんにちは!ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の斉藤です。
先日「民間住宅ローンの貸出動向調査」が発表されました。この調査は、住宅ローンを扱っている民間金融機関に対して、住宅金融支援機構が毎年行っているものです。
最新の調査結果のポイントは、
・新規貸出の金利タイプは「変動金利型」が増加
・住宅ローンの積極化方策として「借り換え案件の増強」が増加
・取扱い検討中の商品は「リバースモーゲージ」が最多
・今後重視する商品は「新築向け」から「中古住宅、リフォームローン」が増加
少子高齢化がますます進む中、中古住宅を流通させるという国の方針にも合わせて、各金融機関の動きも変化しています。不動産価値の向上や、空き家問題の解消も課題とした営業戦略、取組姿勢、貸出実績が反映されていると思います。
日銀のマイナス金利政策の導入後、市中金利の低下は、住宅ローンの貸出金利にも影響を与えました。昨年8月には全期間固定金利の「フラット35」の適用金利は、過去最低の0.9%を記録したこともあり、我々ファイナンシャルプランナーは、住宅ローン借換えの相談を、たくさん依頼されました。
米トランプ新大統領が選挙で勝利をおさめた影響は、日本の長期金利上昇にも波及しました。「こんなに低金利で借換えられるのは、今しかないかな?」「家を買うなら急がないと」と思っている方に向けて住宅ローン選択のポイントをお伝えします。

住宅ローンは変動にするか固定にするか?

住宅ローンでの1番の迷いどころは、借換えの場合でも新規購入の場合でも、どの銀行の住宅ローンを借りるかということではありません。住宅ローンの金利タイプを、金利の低い変動金利にするか、金利は高いが安心の固定金利にするかで悩むのです。
皆さん「どちらがお得かプロの意見を教えて下さい」と質問されます。中にはエクセルを使って色々なパターンで計算をされている方もいらっしゃいます。そしてこの質問には「今後金利はどう動くか教えて下さい?」という意味も含まれています。
残念ながら、どちらが得かという考え方では、一生答えは出ないのです。何故なら、将来の金利の動きを、正確に予測することなど誰にも出来ないため、変動金利の住宅ローンの総返済額を、正確に計算することは不可能だからです。
高衣式の長期安定資産形成メソッドを推奨する当研究所では、投資をする際に上がるか下がるか予想して、どちらか一方に賭けるようなポジションは取りません。この考え方を長期のマイナス資産である住宅ローンにも適用し、金利が上がるか下がるかの一方向にヤマを張ることはしません。
新規で購入する場合、不動産販売会社側は月々の返済が安く見えるよう、変動金利や短期間の固定金利選択型などをすすめますが、まずは全期間固定金利で計算して確認します。その返済額が、これ以上絶対に多く払うことはないという「リスク0」の基本ラインとなります。
そのような物件を選んだうえで、手持ち資金や、毎月の返済にゆとりがあるようであれば、リスク許容度の範囲ですので変動金利も検討できます。固定期間を短くするほどリスクは高くなりますが、金利が下がるというリターンを狙うという事です。
そして固定金利と変動金利の差額を使ってしまわずに、確実に運用するか貯蓄しておきます。この低金利の今、焦って繰上返済で残高や期間を減らすのは得策ではありません。金利が上昇し返済額が上がってからで十分です。

住宅ローンの落とし穴に注意!

固定金利では支払いが厳しいが、変動金利ならなんとか行けそうだからと、すでに購入してしまっている場合は、借金して株を購入したのと同じくらいリスクを抱えています。株が下がったら借金が返せなくなるように、金利が上昇したらたちまち生活が苦しくなるでしょう。
住宅ローンは最長で35年間という金融機関がほとんどですが、購入時に少しでも早く完済しようと、短い期間でローンを組んでいる方は今すぐ借換えをしてください。最近では現在の残存期間より、借入期間をのばす取扱いできる金融機関も登場しました。金利が高くなる固定金利に借換えをしても、今の金利水準であれば5年でも期間がのばせれば月の返済額は減るはずです。
当初から35年間で組んでいて、今すぐに固定金利に借換えることが厳しい場合は、金利が上昇した際に対応する為、少しでも手持ち資金を貯める必要があります。対応とは繰り上げ返済のことですが「期間短縮型」ではなく、あまり選択されない「返済額軽減型」にすることが、賢いリスク対策です。
また現在の住宅ローンが固定金利期間選択型の場合は要注意です。「3年固定」とか「10年固定」とか金融機関がこぞって力を入れて訴求しています。最近では変動金利より当初低い金利で借りられるものが主流です。
住宅ローンは基準金利から、優遇幅を差し引いた適用金利が実際に支払う金利です。このダブルスタンダードが落とし穴で、「3年固定」の場合は固定期間が終了した3年後に優遇幅が下がって、たとえ基準金利が変更なかったとしても適用金利があがってしまうケースが多々あります。
ローン期間中、全期間で一定の優遇をしてくれるのか、当初固定期間のみ優遇幅が大きなタイプなのか要チェックです。後者のプランに適するのは、ライフプラン上の個別事情があったり、ローン残存期間が短い人です。目先のお得に惑わされて、結果的に損してしまわないように計算してみましょう。

年収25%以内なら本当に安心か?

住宅ローンの借入額は年収の5倍以内とか、年間の返済負担率は25%以内にしておけば安心です。という説を家の予算を考えた時に、一度は目にしたことがあると思います。常識のように言われるこのアドバイスが、何の根拠で使われ始めたのかわかりませんが、私は明確に否定します。
何故なら一般論すぎるからです。確かにそれっぽい数字ではありますが、同じ年収であっても年齢が違えば返済できる年数も違うので、適正額は全然変わります。
そして最大の理由は個人個人の考えが、全く反映されていないからです。住居に使うお金を収入の4分の1におさえるかどうかは、他の支出とのバランスです。何に優先的にお金を使うかは最高の価値観が反映されるものです。
人によって大切なものや、好きなものが違うように、何のために何にどれだけお金を使いたいかは違います。家に対する優先順位が低い場合は20%でも負担感を感じたり、他の優先順位が高い支出がまかなえなかったら、買ったことを後悔するかもしれません。
逆に家の優先順位が高いのに25%以内にこだわって、住みたい場所や、建てたい家を我慢すると、人生の景色が変わってしまうかも知れません。家を買う事は、人生を豊かにするための手段の一つです。家を買う事自体が人生の目的ではありません。他に優先順位の高いものや価値を感じているものがないかチェックしましょう。
チェックの方法はキャッシュフロー表の作成をしてみることです。一生で一番高い買い物ですから、最高の価値観に基づいた生涯支出を計算した上で予算を組めば、本当に大切なものにお金を投入できる人生になります。

まとめ

・住宅ローンは金利の動向を予測して組むものではありません。投資と同じようにまずは自分のリスク許容度を見極めましょう。
・住宅ローンも他の金融商品と同じようにとても分かりにくい部分があります。比較サイトで金利の低さだけを見て判断するのではなく、諸費用なども含めて全体像を把握すること大切です。お得に見える内容でも、良く理解しないまま契約をしないことが、落とし穴をさけるポイントです。
・後悔しないためには、最高の価値観に基づいたライフプランを作成した上で、キャッシュフローを計算することが絶対に必要です。
検討事項や情報収集が多岐にわたるため、専門家の力を頼ることも必要かもしれません。その際はあなたの最高の価値観を理解して、応援してくれるアドバイザーに依頼することをオススメします。
 
 

一覧に戻る
アーカイブ