2018年1月16日
こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所 研究員の澤田りよです。
先週末にセンター試験が行われ、これから受験の本番シーズンに入ります。私が高校生の頃は「良い大学に入り、良い企業に就職するのが人生全て」と思っていたので、この時期から更に受験勉強に集中したのを覚えています。
転職や起業する人が増え、また学生起業をする人数も増加している一方で、学生の就職先人気ランキングでは大企業が上位を独占し続けています。現役大学生に聞いたところ、とりあえず安泰だから大企業を目指すという回答が多かったです。
そこで今回は、「大企業へ就職さえすれば人生安泰」という考えについて、詳しく見ていきたいと思います。
このような「大企業へ就職=安全」という考えが定着したのは、終身雇用制度と年功序列制度の誕生がきっかけです。
終身雇用は、1950年代から60年代にかけての高度経済成長期に大企業でその慣習が一般化されたと言われています。当時は多くの企業の関心は労働力不足にあったため、長期雇用を一般化し労働力不足の解消を狙いました。
また日本独自の年功序列制度は、若年者層は年長者層に比べ賃金が抑えられる傾向にあります。賃金が抑えられている若年層のモチベーションを維持させるためには、いずれ年功によって管理職に昇進し賃金が上昇し、それまでの損を取り戻せると確証を持たせる環境が必要で、そのために終身雇用が用いられました。
つまり、終身雇用は年功序列を補強する制度となっており、この2つの制度によって、大企業は労働力を安定して確保でき、労働者も安定した職と収入を確保することができました。
年功序列制度により昇給が確保されたこの時代は、高金利時代でもあり、収入の一部を貯金するだけで数十年後には2倍、3倍にもその資金を増やすことができました。
金利8%で考えると、大学卒業後23歳から定年の60歳まで37年間ずっと貯金し続けた場合、最初の貯金額は4倍にまで増えます。例えば、23歳に100万円貯金すると、60歳の頃には400万円になります(貯金期間、金利8%を維持したと仮定)。
大企業へ就職することで人生安泰とされていたのは、1.終身雇用、2.年功序列、3.高金利の3つの制度に支えられていたからです。
一方、今の時代はどうでしょうか?
1996年、労働省(当時)が約6000社を対象に企業の雇用管理制度を調査したところ、「終身雇用慣行にこだわらない」とする企業が50.5%、「主として能力主義を重視する」とする企業が48.4%という結果になりました。
参照:労働省発表 平成8年雇用管理調査結果速報
20年以上も前に、既に50%近い企業が、かつて日本企業を支えたこの2つの制度を見直すと回答しています。
また、大企業の就職でも職が安定しているとは限りません。かつては日本を代表する企業だったシャープや東芝が経営不振に陥ったことからも、大企業に就職すれば安泰とは言い難くなっています。
金利に関しても、かつては12%もの高い金利を誇っていた時代もありましたが、今は見る影もなく、0%付近を維持しています。
このように、大企業への就職を安泰たらしめていた3つの要素全てが、今の時代では成り立っていません。それにも関わらず、「大企業への就職=安泰」という中身が伴わない、外側の部分だけが今も着々と受け継がれており、その結果、大企業に就職したものの将来の不安が消えないという人が増えている要因になっています。
大企業に入社するだけで安泰、銀行に貯金するだけで資産が増える時代は終わりました。これから必要なのは、自分が叶えたい人生の目標に向けて、自ら積極的に動くことです。
企業も、年功序列制度から能力主義・成果主義に切り替える動きが、ますます広がってきています。
勤続年数ではなく働き方の工夫により、自ら収入を増やすことができます。その工夫を行う上で大切になるのが、自分の最高の価値観を明確にすることです。そして、最高の価値観を満たす分野で仕事を展開します。なぜなら、最高の価値観を満たしたところでは、人は他の人より秀でた成果を出すことができるという真理があるからです。
また、資産形成についても貯金ではなく、自ら運用する必要があります。資産形成をするのにどんな投資スタイルが適しているのかを考える上で、井上研究員のこちらの記事が参考になるので参照下さい。
http://missionmikke.com/detail/ino034/
団塊世代が現役で活躍していた時代は、大企業に就職して貯金をするだけでエスカレート式に安泰の人生を送ることができました。
それは
1. 終身雇用
2. 年功序列
3. 高金利
の3つの要素全てがあって成り立ったものです。
一方、今の時代は上記3つの要素全てが存在しません。つまり、かつての大人と同じように大企業に就職し、貯金をするだけでは自分の希望通りの人生を送ることが難しいのです。
低金利のため貯金だけでは良いと思っている方はほとんどいないと思いますが、大企業に就職するだけで安泰と考えている人はまだ多数存在します。就職情報サイトの大学生就職企業人気ランキングを見ても明らかです。
もちろん、大企業に就職するのが悪いと言うことではなく、就職後に自ら動いて、積極的に自分の価値を上げ、収入を上げる行動が必要であり、そのために自分の最高の価値観を明確にすることが重要です。
最高の価値観を見出すには、無料メールコーチング講座をご活用下さい。