ダウ平均株価、2万ドル突破!

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25日午前の米株式市場でダウ工業株30種平均が、史上初めて2万ドルを突破しました。投資信託などで米国株式、外国株式を買っていた人はニンマリ、買っていなかった人は、これから買おうかどうしようか、迷われているかと思います。

「もうかなり上がっちゃったから、これから入っても遅いですよ。」
「相場は勢いづいていますから、まだまだ行きますよ。買っておかないと損ですよ。」

様々な言い分を耳にします。これからも、賛否両論飛び交うと思います。その際に、見極め方を知らないと、「うーん、どっちなんだろう。」ということになってしまいます。そして、なんとなく説得力があると思う方に自分の考えを「寄せて」しまう。そして、そういう時に限って、さっさと行動してしまう(笑)。

これは、「根拠なき行動」そして、「戦略なき行動」です。

資産形成で一番大切なことは、「根拠ある、戦略ある行動」をすることです。戦略を立てる際には、投資に限らずなんでもそうですが、「現状」と「あるべき姿」の両方の具体的な姿が必要です。その二つの「情報」があって、その二つの間のギャップがわかり、ギャップがわかったら、それを埋めるためにどのような戦略が可能かが見えて来ます。

投資に限って言えば、その情報を集めたり、ギャップを分析したり、ギャップを埋めるための戦略を立てたり、ということをするために、投資や金融経済に対するちょっとした知識が必要です。これは『金融リテラシー』と呼ばれています。金融リテラシーは、NISAや最近誰でも買えるようになった確定拠出年金の知識のことだけを指すのではなく、こういった局面で、しっかり自分の資産を「守り」「育てる」ための決断と行動を決めるために、必要です。

今年はそれを身につけようと思っていたんだよね、でも今はまだないよ、どうしよう! という方に、とりあえず、この局面どう考えたら良いのか、即席で戦略を考えるために有益な情報をお伝えします。

今の株価水準は高いのか安いのか

株価が高いか安いかというのは、通常、企業業績に照らし合わせて見極めます。株価は上下しますが、企業利益と比較していると、常にある水準に帰ってくる傾向があります。それを利用して、今現在の水準は、その水準に対して高いか低いかを見極めるのです。その水準を見るために使うのが、PERという指標です。これは、企業の純利益を発行株数で割った金額に対して、今の株価が何倍になっているのかを見るものです。

PERにも、数字の取り方によって、幾つかの出し方がありますが、企業の「今期の一株あたりの予想純利益」に対する株価で見ることが一般的です。また、一期だけの企業収益だと良い年だったり悪い年だったりブレが大きいため、過去10年の平均の純利益を分母に持ってくる方法もあります。PERは、企業収益に対する株価の水準を見るものですが、その他にも、割高か割安かを見る指標があります。それらを総合して、「バリュエーション」と呼んでいます。

バリュエーションは、公表されている数値を用いて計算できるものなので、誰でも計算できますし、計算されたものも見ることができます。株価は、上にも下にもある程度までいくと、バリュエーションの長期平均に回帰する特性があります。株式市場が創設されて以来、この現象は常にそうであったので、今後もこの特性は繰り返される、ということは誰にも市場参加者(投資家)は分かっています。

そのバリュエーションで見ると、どの出し方で見ても、米国株式はすでにかなり割高な水準まで上昇しています。それでも、上昇の勢いは止まりません。投資家は何を見て買っているのでしょうか。

ダウ平均、2万ドル突破の背景

1)トランプ大統領の迅速な行動

2万ドル突破の背景の一番の要因は、トランプ大統領の就任後の行動の早さです。トランプ大統領は、当選以来、規制緩和など「企業の収益拡大を後押しするような」政策を掲げていましたが、それがどれだけ実際に実行されるのかは未知数でした。最初のトランプラリーのあと、市場参加者は、「実現性や実行力」に疑問を持ち始め、市場は、それらに対する答えがトランプ大統領から出てくるのを「待つ」状態にさせられていました。

就任演説でも、これまでの主張を力強く繰り返すだけで、政策の具体的な内容を突っ込んで話すことはなく、市場は再び失望感に見舞われました。が、彼は、就任直後から、前代未聞のスピードで「行動」を開始しました。

20日に就任後、24日には石油パイプラインの建設を推進する大統領令に署名、25日はメキシコとの国境沿いに壁を建設する大統領令に署名しました。これによって、市場がクエスチョンマークをつけていた『実行力』に対する懸念が消え、それまで「待たされていた」投資家が安心して買いにきた、それが今回のトランプラリー再加速、2万ドル突破の最大の理由です。

2)足元の(実際の)企業業績が堅調

二つ目の理由は、米国の企業業績が堅調であることです。米S&P指標に組み入れられている企業の業績は、5四半期もマイナス成長に陥っていました。それが、昨年7~9月期には前年同期比でプラスに転じ、発表が開始された10~12月期決算でも増益となる見通しです。更に、ITバブルの時のような一点集中ではなく、幅広い分野で増益傾向が見られることも、投資家の買い安心感を誘っています。

3)マクロ経済も堅調

雇用統計の中でも最も注目されている指標に、『平均時給』というものがあります。これは、インフレ率を押し上げる源となると考えられているため、FRBのイエレン議長が注目している指標です。これが、長い間、2%台前半で停滞していたのですが、12月の統計では、2.9%増(前年同月比)と、3%に近づいて来ました。これによって、個人消費が増加するとの期待が膨らみました。

企業業績見通しも個人消費見通しも良好ということで、では実際の経済成長はどうなのかというと、2016年7-9月期の実質GDP成長率は、3.5%と大方の予想を上回る高い伸びを示していて、10-12月も3%台が見込まれています。大方のエコノミストの経済成長率予測は2%台なので、これはかなりのポジティブ・サプライズとなっています。

2, 3, がすでにあったので、1の懸念がなくなれば、一気に上昇するエネルギーを持っていましたが、それが大統領就任演説で明らかになると思っていたところが、それには失望させられ、政策としては打ち出せても実行できるかは別問題だよね、と思っていたところが、早速実行した。失望の後だけに、ポジティブサプライズの効果が倍増した、それが一気に2万ドルを突破するエネルギーとなりました。

今後はどうなる?!

では、今後はどうなるのでしょうか。それは、誰にも見極められません。今回のようにトランプ大統領にフェイントをかけられる可能性は多いにありますし、細かく見ていくと、あまり注目されていない懸念は山ほどあります。ただ、事実として抑えられる情報から、どうなる可能性があるか、はある程度見極めることができます。

先に紹介したバリュエーション指標の一つに、エール大学の経済学者、ロバート・シラー教授が考案した景気循環調整後PERというものがあります。これは分母に過去10年の平均利益を持って来たPERです。俗にCAPE PERと呼ばれるものですが、これが 2万ドル到達前にすでに、IT(情報技術)バブル期や1920年代末以外には見られなかった高い水準に達しています。

今、株価にはモメンタム(勢い)があります。経済状況も、企業、個人ともに良好です。経済政策は、ざっくり見て「企業と景気に優しい」と言われるものです。一方、バリュエーションは、あらゆる指標がかなりの割高であることを示しています。これらは全て、事実です。

ここからの洞察はー。もし、企業の業績(分母)が株価(分子)の上昇を上回って上昇することになれば、分母の上昇が分子の上昇を上回るので、業績を使った系のバリュエーションは低下して来ます。米国株式(ダウ平均株価)は米大統領選挙後に9%上昇しています。このペースの上昇が続くなら、企業業績がそれに追随してくるか、それ以上で高くならなければ、PERは上昇し続けます。その実現可能性はどうでしょうか。実現せずにPERが上昇し続けたら、どこまで上昇が可能でしょうか。

その辺を中心に、今後様々な動向をモニターしていくと、今後どうなるかを見極めるヒントが得られると思います。ただし、相場の転換点を見極めることは、長期投資家にとっては、重要なことではありません。

どこまで相場が上がっても、どこで転換点が来ても、どちらになってもその恩恵を享受できるように、ポートフォリオを組んでおくこと

そうすれば、相場の上げ下げを、涼しい顔をして、心おだやかに見ていることができます。快晴の日にも折りたたみ傘を持って出かけるようなものですね。

まとめ

個人投資家の私たちは、耳に入ってくる「政策がいい」「景気もいい」「企業業績もいい」という情報が、全ての情報であるように思いがちです。そして、それに基づいて、売り時か、買い時か、を判断しようとしがちです。

金融リテラシーにまだ自信がなかったら、自分が目耳にしている情報は偏っていないかをまず見極めることが肝要です。そのためには、自分がまだ目にしていない、真逆の可能性を示す情報を探しにいく、という行動が役に立ちます。そうして、考えられ得る可能性を探った上で、その可能性がどちらになっても恩恵を受けるポートフォリオを構築します。

(株)ミッション・ミッケ人生デザイン研究所は、今後も、中立の立場で、個人投資家の方が目にしにくい、入手しにくい「もう片方の」情報と洞察をお届けし、皆さんの金融リテラシーの向上と「資産を自分で守り育てる」をサポートしてまいります。

写真出所:USA Today

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