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2016
12月15日

ゆとり世代vs中間管理職vol.3「じゃあどうしたらいいんですか?」

ゆとり世代vs中間管理職vol.3「じゃあどうしたらいいんですか?」

こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の井上翔太です。
前回、前々回とゆとり世代の人たちの特徴、その本質、コミュニケーションについてお話してきましたが、思いのほか反響がありましたので、今日はその続きとして、彼らによく見られるもう一つの傾向についてお伝えしたいと思います。
※ゆとり世代に関する過去の記事はこちらからご覧ください。
 ゆとり世代vs中間管理職vol.1「だからそうじゃなくって…」
 ゆとり世代vs中間管理職vol.2「言われてないからやってません」

ゆとり世代の特徴 すぐに答えを求める

私は40歳目前のシステム開発会社の中間管理職です。チームメンバーの中にも多くのゆとり世代の社員がいて、貴重な戦力になっていてとても助かっていますが、彼らの口からよくよく聞く言葉として、
「じゃあどうしたらいいんですか?」
というものがあり、これに違和感を感じることがあります。
例えば先日、部下から上がってきた成果物(システムの設計書)が、精度が低く、抜けや漏れが多かったので、それを改善するように伝えたところ「じゃあ、どこをどうやって書けばいいんですか?」という答え。私は「それを全部教えたら、ほぼ私が書いたのと同じことになってしまうよ」という言葉が喉元まで出かかりました。
私の感覚では、上司や先輩からアドバイスをもらった時は、まずは自分で考えて再トライして再度チェックしてもらう、という流れをイメージしていたのですが、彼はそうではなく、直接、最終的な答えを求めてきました。みなさんも、この直接的に答えを求める行動に、私と同様、違和感を感じたことはないでしょうか。「少しは自分で考えてくれよ」と。
はじめのうちは、私も違和感を感じていましたが、これもゆとり世代の人たちには当然のことだと思うようになりました。それは、日常生活において、答えが比較的簡単に手に入る状況に慣れていることが、この行動の原因の一つであると気付いたからです。

ゆとり世代の年代ではすぐに答えが出せるが当たり前

例えば、六本木駅から東京駅まで行くとき、どうしますか?
最近では、携帯電話やスマートフォンの乗り換えアプリを使用して調べる人が殆どだと思います。「出発地:六本木、行先:東京」、と打てば、銀座駅で丸の内線で乗り換えるルートと、霞が関で乗り換えるルートが表示され、且つどちらが早く到達できるのかまで教えてくれますよね?東京駅まで行きたいという問いに、一瞬で答えが出ます
一昔前ではどうでしょうか?
まずは、駅に貼ってある路線図を眺めて自分で考える、そしてわからなければ駅員さんに聞く、もしくは出発前に家族や友人に予め聞いておく、のどれかだったはずです。アプリで調べるより多くのコスト(労力)がかかりますし、間違える可能性だってあります。でもそれが普通でした。
両者は大きく違いますが、どちらが良いも悪いも無いですよね。違いはその時代にアプリ(技術)があったかどうか、そしてそれによって日常取る行動が変わっただけです。そう考えると、前者が当たり前の時代に育ったゆとり世代の人たちが、すぐに答えを見つけようとするのは無理もないかなと思うんです。

それは新たなるエネルギーの方向を探している

私としては、このすぐに答えにアクセスできる環境で育ったゆとり世代の「すぐに答えを求めたがる」という傾向は良いと思うんです。それによって、それ以外のことにエネルギーをよりフォーカスできるから、です。
今まで路線図と時刻表と格闘してデートに遅刻をしていたような人が、乗換アプリの登場で、もう電車の乗り換えで迷うことは無くなり、早く着いた時間でちょっとしたプレゼントを買えるかもしれない。悩まず安心して目的にへ向かうことができ、心の余裕が生まれ、初めからデートを楽しめるかもしれない。それはそれで素敵なことですよね。
ただ、ゆとり世代の人たちは、経験がないゆえに、答えにすぐアクセスできることによって得られた時間とエネルギーの振り向け先を正しく選択できない場合があります。上記の例で言うと、設計書の書き方がわからない時は、「わからないときはどうしたら良いのか?」をまずは自分で考えて、再トライしてみる、という方向に注力したほうが、後々のその人のキャリアのためになる場合があります。自分で考えて再トライして再度チェックしてもらう、自分のものと違う部分を確認し、どうしたら最初からそこに行けるかを考える。その過程をすることで自分の中に次に一発でOKを出せる力が養われます。
問題を定義してそれを解決する能力はどこの職場・職種に行っても重要になりますからね。そこまで、見通せるのは、中間管理職が持つ“経験”がモノを言うことになります。
それを指南するようにすることが、ゆとり世代の人たちとのコミュニケーションを改善する効果的な方法の1つになると思います。ただ、これはキレイ事の面もあって、すごい時間がかかりますし、最初は変なことを言っていると思われたり、結果が出にくかったりと、非常にしんどいです。ですが、私の実体験上、着実に効果は出ます。何より自分がラクになります。相手の反応に一喜一憂しなくなるためです。

まとめ

「じゃあどうしたらいいんですか?」とすぐ答えを求めたがるゆとり世代の人たちの特性は、情報化社会が生んだ副産物的な特性です。そして、すぐに答えを得られることで生じた時間とエネルギーを他のことに振り向けることで、その特性は素晴らしいものになります。それには、先輩や中間管理職の経験による指南が必要となるので、そこを意識したコミュニケーションを心がけると素晴らしい関係を気づくことが出来ると思います。
他にもゆとり世代vs中間管理職vol.4として、以下の事例も取り上げています。こちらもあわせてご覧になってくださいね。
http://missionmikke.com/detail/ino016/

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    投稿者井上 翔太

    サラリーマンとして会社の中でいかに生産性を上げて成果を出していくか、そして自分の人生をいかに輝けるものにするか、ということをリーダーシップという観点で研究し、多くの人に展開している。好きな映画はStarWars、MARVEL、007。3児のパパ。

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