学びを結果に変えるアウトプット大全(樺沢紫苑)【書評】

アウトプットが苦手だと感じたことはありませんか?多くの日本人がアウトプットを苦手としています。その理由として、義務教育が講義形式になっており、アウトプットをする機会が少なかったためと言われています。

ですが、何かを学んだときに、なに一つ考えず、気づきもない人はほぼいないですよね。特に何かを自ら学びに行ったり、学ぶために本を読むときは、なにかしら気づくことがあると思います。アウトプットが苦手なと感じているときは、アウトプットすることに慣れていないだけかもしれません。

さらに、慣れていないことで、

①アウトプット=難しいもの
②完璧なものに仕上げなければいけない

のような思い込みを持っているかもしれません。

今回ご紹介する【学びを結果に変えるアウトプット大全】は、そんな「アウトプット=難しい」を変えてくれる一冊です。

著者について

樺沢紫苑

精神科医、作家 1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004 年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。

SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識、情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動しています。月に20冊以上の読書を30年以上継続している読書家。そのユニークな読書術を紹介した『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)は、15万部のベストセラーに。

その他、『いい緊張は能力を2倍にする』(交響社)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術』(大和書房)など、28冊の著書があります。

学びを結果に変えるアウトプット大全とは。

「アウトプットとは何か」を、1から教えてくれている本です。アウトプットという言葉は知っていても、アウトプットは何をさす言葉なのか把握していなかったとこの本を読み感じました。

思っている以上にアウトプットは身近にあり、日常的に私たちが使っている表現です。ただ、そのアウトプットをなんとなく意識せずにしている人とアウトプットと意識して使っている人がいるだけです。

本書の中では、80ものシュチュエーションが「TALK」「WRITE」「DO」に分けて書かれています。その時必要な項目だけピックアップして読むことが可能です。また、やり方だけ書かれているわけではなく、なぜそれが効果的なのか、についても、科学、脳科学、心理学の観点から書かれているので、アウトプットの仕組みから知ることができます。

ただ、今回はアウトプットの使い方を紹介するのではなく、1章では「アウトプットの基本法則」を紹介していきます。それは、

①アウトプットは何か

②アウトプットしていく中での大切なポイント

を知らなければ、アウトプットの効果が半減してしまうからです。

「アウトプットの基本」3つのポイント

ポイント①アウトプットとは

アウトプットとは何をさしているのか。アウトプットが大事、と言うことは聞いたことがあります。しかし、具値的にアウトプットとは何をさすことで、何をすることなのか曖昧な状態だったりしませんか。

本書の中での、インプット・アウトプットの定義は、以下の通りです。

”インプットとは、脳の中に情報を入れる、つまり「入力」すること。アウトプットとは、脳の中に入ってきた情報を脳の中で処理し、外界に「出力」することです。具体的にいうと、「読む」「聞く」がインプットで、「話す」「書く」「行動する」がアウトプットです。” P18

インプットは、あくまで脳の中に情報や知識を入れいることです。インプットをしただけでは現実は何も変わらないことがわかります。実際、本を読んだり、セミナーで話を聞くだけでは、世界は何も変わないと言う体験をしている方も多いと思います。

アウトプットは、外の世界に向けて行うことです。本で読んだ内容を人に話す、実践する。ブログに書く。セミナーに参加する。などが挙げられます。インプットした内容を、外の世界へ出すと現象になり、初めて現実が動きます。

インプットは自分の内側を広げる作業であり、アウトプットは現実世界を変えてゆく作業であることがわかります。

では、アウトプットが大切で現実を作ることはわかったけれど、どれくらいの割合でインプットとアウトプットをしたらいいのでしょうか。

ポイント②インプットとアウトプットの黄金比率

どれくらいの比率でインプットとアウトプットをすると自己成長が効率的になるのか。コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験に基づき、本書では

”アウトプット比率で言うと、初心者は6割、熟練者は7割の時間をアウトプットに振り分けるのが、効果的な勉強・学びの方法といえるのです。” P28

と書かれています。また、

”セミナー参加者(社会人)の88名を対象に行った調査では、インプットとアウトプットの比率は、7.1:2.9”  P28

多くの人は、学ぶことに時間をかけてしまう傾向にあります。しかし、上記の結果の通り、成長を効率的にするためには、学んだことを使う時間を増やすことがポイントになります。

ポイント③結果を見直し、次に活かす

インプットとアウトプットを繰り返すにあたり、ここが一番重要になります。

”アウトプットしたあとに、次のインプットの前に、絶対に必要なプロセスがあります。それが「フィードバック」です。フィードバックとは、アウトプットによって得られた結果を評価し、その結果を考慮して、次のインプットに修正を加えるという作業です。見直し、反省、改善、方向修正、微調整、原因究明。全てフィードバックです。” P30

アウトプットをすると言うことは、外の世界へ発信をすると言うことになります。「話す」「書く」「行動する」その結果を事実として受け止め、次にどうするかを決めることで、成長が生まれると言うわけですね。

1日ブログを書いただけで、文章を書くのがうまくならないように、アウトプットただただ無鉄砲にしても自分の現実世界を変えてゆくことはできないと言うことです。

このチャプターの最後にも

”やりっぱなしでは、成長につながらない” P.31

と、書かれています。PDCサイクルにも最後にチェックがあります。そのチェックを踏まえて、再度PLANしますよね。同じようにインプット・アウトプット・振り返りの3つのサイクルが大切になります。

弊研究所で発売している手帳の振り返りでも、「もっとうまくできること」「次もっとうまくやるにはどうしたらいいか」の項目があります。この項目があることで、次の日に起こす行動が連続性のあるものになり、積み重なりを生み出しています。

人生デザイン手帳についてはこちら

3つのポイントを踏まえた上で

アウトプットと構えると難しく思いますが、「話す」「書く」「行動する」は私たちが日常的にしていることです。私たちは、無意識にアウトプットをしています。ただ、何か「話そう」「描こう」「行動しよう」と特別な意識をそこにもたせた瞬間に、難しいことにしてしまっています。

例えば、本書のCHAPTER74は「笑う」についてです。「笑う」ってアウトプットなの?そんなこと?って思うかもしれません。しかし「笑う」は行動の一つです。本書の中では、「笑顔」を作ることでの効果が書かれています。

”笑顔を作るとセロトニン、ドーパミン、エンドルフィンという3つの脳内物質が出ます。これらの物質が出ると、ストレスホルモンが下がり、副交感神経が優位になります。つまり、笑顔には緊張を緩和してストレスを解消する作用があるのです。”

日常の中で「笑顔」を意識的に作ってみることは、難しいことでしょうか?アウトプットは、これくらい小さなところから始められるんです。

「百聞は一見にしかず」ということわざがあります。やってみてわかることは、必ずあります。日常のちょっとしたことを行うことで、自分の人生は変化していきますよ。

本書を読んで

私自身、アウトプットが苦手だと思って生きてきました。今でも得意とは言えません。ただ、今回本書を読んで、アウトプットをいきなり100できるようになる人はいないと改めて感じました。だからこそ小さな一歩でも自分がどう行動して、振り返り、次どうしていくのか、その繰り返しなのだと思います。そして、その小さな積み重ねが自己成長に繋がっているのだと感じました。

最後に

今回紹介したのは、本書の中のさわりの部分となっている「アウトプットの基本法則」です。各章には、具体的にどうやってするのか、だけではなく、なぜそれをするのかまで詳細に書かれています。日常のささいなことから、仕事に繋がるものまでどれもすぐに活かすことができます。人生を自分で作り出して生きたいと思う人は手にとってみてください。

また、アウトプットするためには、インプットが必ず必要になります。自分の内側を広げていかなけば、アウトプットをする素材もなくなってしまいますよね。なので、インプット・アウトプットの両方が大事になってきます。同著者で学び効率が最大化するインプット大全(https://www.sanctuarybooks.jp/book-details/book1094.html)も出ていますので、インプットが苦手、情報収集が苦手と言う方は、そちらを参考にしてみてください。

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About 緑川聖子

ミッションミッケデザイン研究所 研究員 人生デザインアカデミー協会認定コーチ

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