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2017
05月17日

パッシブファンドの「弱点」 気になりますか?

パッシブファンドの「弱点」 気になりますか?

こんにちは。ミッション・ミッケ人生デザイン研究所、研究員の井上翔太です。
当ブログでは、投資効率が良く、投資にかかるコストが少ないパッシブファンドによる資産形成方法をお伝えしてきました。
良い側面ばかりご紹介したので、パッシブファンドへの投資は万能な投資手法かと思われた方もいるかもしれません。しかし、何事にも良いことと“そうでないこと”は存在し、パッシブファンドも例外ではありません。
そこで、今日はパッシブファンドの理解をより深めて頂けるように、市場全体に連動するパッシブファンドだからこそ持つ“そうでないこと”を、「パッシブファンドの弱点」としてお伝えします。

パッシブファンドの構成

パッシブファンドと一言で言っても色々ありますので、今日は以下の斎藤研究員の記事にもある「TOPIX」に連動するパッシブファンドを例にあげて説明します。
http://missionmikke.com/detail/sai031/
上記の記事にもありますが、TOPIXは時価総額(株価×発行済み株式数)の加重平均型指数です。そして約2,000もの銘柄で構成されているため、安定的な値動きであると言われています。実際の構成銘柄を見ても、大型株から中型株、小型株までバランスよく構成されています。ただ、加重平均であるため、株式時価総額の大きい企業の比率が大きくなっています。
絵に描いて描くと以下のようになると思います。

それぞれ同じ数の風船がはかりに乗せられていますが、ピンク色の大型株風船が一番大きくそして重くなっています。このように、株式時価総額が大きい企業は、比率が大きく(風船が大きく)構成されています。これが加重平均です。
そして、TOPIXが持つこの加重平均という特性(風船の大きさは均等ではなくピンク風船が大きい)こそが、TOPIXをベンチマークとしたパッシブファンドの弱点なのです。
それは一体どうことなのでしょうか?

パッシブファンドの弱点の正体

パッシブファンドの弱点とは、相場全体の動きを加重平均で捉えようとするあまり、細かい動きまで捉えられない点にあります。以下の2つの図で説明します。

上の図は、大型株(ピンク色風船)が10%値上がりした場合です。合計の重さも51gになり、全体として6.2%増えています。これは良いですね。

一方で、この図は小型株(水色風船)だけが10%上がった場合です。合計の重さが0.6%しか増えていません。ここがTOPIX(パッシブファンド)のポイントです。
これは、もし中小型株に投資をしていれば10%のリターンが得られていたにも関わらず、TOPIXに連動するパッシブファンドに投資をしていると0.6%しかリターンが得られない、ということを意味しています。
なのでこれは、パッシブファンドへ投資したが故の「投資機会のロス」とも言えます。
この両者の動きは、株価上昇局面で良く見られる値動きです。株価が上がる場合は、まず“値がさ株”と言われる大型株(ピンク風船)が値上がりします。そして、値上がりが一段落した段階で、中小型株(緑色風船&水色風船)の物色が始まるため、中小型株は遅れて値上がりするということがよく起こります。
つまり、「上げ相場の後半ではリターンがとれない」という機会損失になりうる、という性質がパッシブファンドが持つ弱点になります。

パッシブファンド+アルファ

個人投資家といえども、より多くのリターンは狙っていきたいので、このパッシブファンドの弱点を補完するような投資をしていく必要があります。
特に、Brexitやトランプ相場といったボラティリティの高い相場が一段落して、個別の企業業績により焦点が当たり始めている昨今(2017年5月)では、よりこの傾向が強まってくることが想定されます。
日本取引所グループ(JPX)が今年3月から「JPX日経中小型株指数」という緑色風船と水色風船を対象にした新しい指数の公表も始まり、それと連動するパッシブファンドも運用が始まっていることもその流れを表した1つかもしれません。

まとめ

・時価総額の大きい銘柄の比重が高いTOPIXに連動するパッシブファンドでは、中小型銘柄のリターンを十分に享受できない。
・金融政策や財政政策といった、市場全体に影響を与える外部要因ではなく、企業業績に焦点が当たり始めている今後の市場でよりリターンを狙っていくためには、パッシブファンドプラスアルファの投資戦略が必要になってくる。
パッシブファンドの弱点としては他にも、時価総額に比例しているがゆえに場合によっては割高な銘柄に投資している、というような要素ありますが、パッシブファンドを活用する個人投資家として考慮すべき弱点は、上記の点になります。
ただ、パッシブファンドだけではリターンが出ない市場になるということではありません。斎藤研究員の記事にあるようにパッシブファンドはバランス良く銘柄構成されており、リスクも低く安定してリターンを出せる投資対象であることには変わりありません。
あくまでパッシブファンドをベースに資産を構築しリスクを抑えながら、且つパッシブファンドの特性を理解しつつそれと相性の良い商品に投資をしていく、というスタンスが良いと思います。
今日は最後にTOPIXの構成銘柄を調べる手順を動画でお伝えしたいと思います。TOPIXのホームページから構成銘柄一覧のEXCELをダウンロードして、比率で並び替えをする、という流れになります。よかったら参考にしてください。
①パッシブファンドのベンチマークの1つであるTOPIXの構成銘柄を記載したデータファイルをダウンロードします。

②ダウンロードしたファイルを構成比率で並び替え(降順)します。この操作で構成比率が大きい銘柄(ピンク色風船)が確認できます。

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    投稿者井上 翔太

    サラリーマンとして会社の中でいかに生産性を上げて成果を出していくか、そして自分の人生をいかに輝けるものにするか、ということをリーダーシップという観点で研究し、多くの人に展開している。好きな映画はStarWars、MARVEL、007。3児のパパ。

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