金融リテラシーの向上:日銀短観を読む

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当ブログの読者の皆さま、こんにちは。

最近『人生デザイン構築学校」の開校準備に追われ、ブログを更新できていませんでしたが、ようやく準備も整い、10月から開校の運びとなりましたので、再び記事を書いて行きたいと思っています。

この人生デザイン構築学校は、「キャリア形成」と「資産形成」と同時に考え、人生設計を描き、戦略を立て、自分の人生を自分でデザインしていくことを目的としています。なので、当ブログも、これまではキャリア形成中心に書いてきましたが、これからは、資産形成のウェイトをもう少し増やして書いて行こうと思います。

長年ファンドの運用に携わって来た経験から、当面は、自分の価値観に合ったポートフォリオの組み方につながる金融リテラシーの向上を目指した記事をアップしていきたいと思っています。

どうぞ、あなたの人生デザインを描く上で、お役立てください。

今日は、新しい門出にぴったりの10月1日、日銀短観が発表されましたので、それについて雑考を書いてみたいと思います。

株価は最近、世界の経済ニュースに一喜一憂する展開が続いていて、その一気一憂度合いも、夏場以降かなり高まってきていますが、つまる所、日本経済の実体はどうなのでしょうか。

日銀が四半期毎に行っている景気に関する調査に、日銀短観、というものがあります。正式名は「全国企業短期経済観測調査」という長い名前がついていますが、約1万社の企業を対象に、調査をした結果をまとめたものです。

質問項目は、自社の業況や経済環境の現状や先行きなどについてどう見ているか、という定性的な項目と、売上高や収益、設備投資額といった事業計画などの定量的な項目とに分かれています。

個々の企業に直接聞くことで、GDP等の全体を表す指標を見るだけでは捉えられない日本経済の実態を、より体感温度に近い形で把握しようというものです。

これは、日銀が金融政策を行うにあたっての重要な判断材料の一つとして利用していますし、海外の大御所投資家も「Tankan」といって注目しています。

今回は8月下旬から930日までが調査期間となりました。丁度、株価が乱高下していた時期に調査がなされたため、新興国経済減速の影響が業況判断や設備投資計画などにどの程度反映されるかが注目を集めていました。

結果は、大企業・製造業の業況判断DIが3四半期ぶりに悪化した一方で、大企業・非製造業では、4四半期連続で改善しました。

業況判断DIとは、簡単に言うと、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いたインデックスです。DIDiffusion Indexの頭文字を取ったもので、「差を表すインデックス」という意味です。日銀短観の他にも「差を表すインデックス」の場合、至る所でよく使われますので、覚えておくと良いと思います。

さて、その業況判断DIが、今回は大企業製造業と非製造業で明暗を分けたわけですが、これはどういうことかというと、製造業では中国をはじめとする新興国経済の減速の影響を受けて悪化しましたが、非製造業では、その影響はあまりない上、小売やサービス業が含まれるため、堅調なオフィスなどの不動産需要や訪日外国人旅行客による、いわゆるインバウンド消費などが業況感改善に寄与したと読むことができます。

しかも、後者は、バブル経済直後の199111月以来、24年ぶりの高水準となりました。

ちなみに、大企業とは、資本金10億円以上の企業になります。

先行きについては、製造業・非製造業ともに悪化を見込んでいて、新興国経済の減速懸念や不安定な市場動向を背景に、企業が全般的に「先行きについては予断を許さない」と見ていることがわかります。

ですが、設備投資計画を見ると、非製造業を中心に堅調さを維持していますので、「慎重には見ているけど、全般的に『縮小』の方向ではなく、『事業拡大』の方向に動いていることがわかります。

こういった細かい所までを含め総合的に判断すると、調査期間中に市場が荒れたにも関わらず、企業の景況感は、懸念されていたほど大幅に悪化していないと読むことができます。

他の指標を見ても、雇用関連の指標は良好で、企業業績も底堅いため、今回の短観結果を受けて、日銀の追加緩和期待が一段と高まることはなさそうです。株価も上げていますね。

為替は、本日、日経平均株価が前引けにかけて一段高となったため、投資家のリスクオフ姿勢が後退して円を売りドルを買う動きが優勢となり、若干円安になっています。

為替市場の典型的な動きとして、覚えていた方が良いことの一つに、市場は、安心材料が出るとリスクを取りに行き(リスクオンの動き、或いはリスク選好度が高まるという言い方をします)、ファンダメンタルズ的に、より高い成長期待が見込める新興国通貨を買う、ということがあります。その時は、円は売られます。

逆に、不安材料が出ると、取っていたリスクを小さくするため、それらの通貨を売る行動に出ます。その時は、円は買われます。どれかの通貨を買うにはどれかの通貨を売らなければなりませんから。

世界で不安材料が多く出ると、リスクを低める(リスクオフの動きと言います)ため、新興国通貨を売って円が買われ、円高方向に傾き、安心材料が出ると円を売って新興国通貨を買いに行くので円安になる、ということです。

FRBが利上げを見送った際、為替は円高に振れました。FRBが利上げをしていたら、典型的な過去の例からすると、米金利が上昇しリスクオフの動きから株安・円高となるはずで、利上げ見送りは、本来ならその逆、リスクオンで株高、円安になるはずなのですが、今回そうならなかったのは、「市場が世界経済の減速リスクを意識している」という別の要因が入ってきたためです。

つまり、米利上げの影響より新興国経済の減速がもたらす世界経済の減速リスクを警戒して円が買われたと見ることができます。

このように、株や為替の動きは、その時その時で、異なる要因に異なる反応をしますから、過去に学ぶのは王道ではあるのですが、過去こうだったからこうなるはず、という読みに従って、ポジションを組むのは危険です。

常に、今、市場は何にどう反応しているのか、を見る必要があり、前回の例とは真逆になることも良く発生することだということを、理解しておく必要があります。

そういったことを全て勘案して、先行き方向感を当てることは至難の技、ということになります。

なので、市場の動きを予測してポートフォリオを組むのではなく、大きな潮流は掴み反映させますが、基本、どちらに行っても、ある一定の安定したリターンを生むポートフォリオを構築しておくことが大切です。

ちょっと、今回は消化不良な箇所もあるかもしれませんが、時間がある時に、じっくり咀嚼してみてくださいね!

それでは、今日も輝く1日を!

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