意思決定の際に陥る第一の罠:視野の狭窄

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こんにちは。
高衣紗彩です。

前々回、即断即決の効用についてお伝えし、前回はその注意点をお伝えしました。

今日は、意思決定が陥る罠について、チップ・ハース&ダン・ハースというハース兄弟が書いた『決定力』を使ってお伝えしたいと思います。

本書によれば、米法曹協会に所属する弁護士の
”44%が若者に法律家を目指すことを勧めていない”と言います。

また、ヘッドハントされて転職した2万人のうち、
”上級職の40%が18ヶ月以内に解雇されるか、職務に失敗するか、辞職している”そうです。

そして、2207人の経営者に意思決定を評価してもらったところ、
”60%の経営者が、不適切な意思決定は適切な意思決定と同じ位ある”と報告しています。

私たちは、これほど、愚かな選択、愚かな意思決定をしてしまうのです。

自分だけではないと知って少し安心しましたね(^^)。

愚かな意思決定をしてしまう理由

こんなにも意思決定に関する情報が溢れているのに、今なお、愚かな意思決定をしてしまうのは、なぜなのでしょうか。

この著者たちによれば、一つは、「スポットライト効果」だと言っています。

ここで、一つの例を挙げます。経営者のシャノンは、IT責任者のジョンのパフォーマンスが奮わず、解雇するかどうかを悩み、あなたに相談してきました。ジョンは、頭の回転が早く、技術的な知識は誰よりも持っていますが、この1年、必要最低限の仕事しかしておらず、会議では同僚の批判ばかりしています。

あなたは、なんとアドバイスしますか?

・・・・・。

この短い間に、あなたの頭の中では、何かを分析して診断するということが行われ、すでに何かしらの意見を持ったことと思います。

”脳の働きで驚くべき特徴の一つは、めったにうろたえないこと”

と言ったのは、 心理学者でありながらノーベル経済学賞を受賞したカーネマンです。

彼は、『私たちは、目の前にある情報を重視しすぎ、視界の外にある情報を考慮せず、いとも簡単に結論を導き出す』と説明しています。

これを、演劇でまるでスポットライトがあたった役者さんにしか目が行かないことになぞらえ、ハース兄弟は、スポットライト効果と呼んでいます。言い得て妙、ですよね。

実際、スポットライトを左右に移動させてみると、状況が随分違って見えることに気づきます。それなのに、私たちは、スポットライトが当たった部分だけが真実と思い込んでしまう傾向があり、そこの中だけで分析をして、ロジカルに結論を導き出したと勘違いしてしまうのです。

即断即決のメリットとデメリット

即断即決 – したいですが、だからと言って、スポットライトが当たっている部分のみの情報だけを元に、愚かな判断はしたくないです。

なかなか決断ができない人は、この部分、「他に見逃している、検討に価する重要な情報があるのではないか」「見落としている情報があるのではないか」という心配があって、踏み切れないのではないでしょうか。

その心配は、ある意味、正しいのです。

ですが、どこかで区切りをつけないと、どこまで行っても、「もう大丈夫」というレベルには行けないのも事実です。

即断即決のメリットとスポットライトの外の情報を漏らしているデメリット、この狭間で、意思決定は行われています。

即断即決でベストな意思決定をするには

ベストな意思決定とは、双方のトレードオフの無数にある組み合わせの中で、効果がマックスなところ。

ならば、それをマックスにするところを見極める方法を取り込めばよいことになります。

シドニー大学教授とマッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターが5年間で合計1048個のビジネス上の意思決定(収入や利益を上げるための)を調査し、意思決定の方法とその結果を追跡したところ、

分析よりも、プロセスの方が6倍も重要だ

という結論に達したそうです。

分析とは、両方の選択肢のメリットとデメリットを出して、その重みを比較検討し、選択するというもの。まさに、先ほどのトレードオフを検討する、という行為です。

私たちは、「比較検討するぞ」と紙と鉛筆を出して検討するときばかりでなく、なんらかの意思決定をする際には、無意識に頭の中で、この「メリット・デメリット比較検討」を行っているのだそうです。

一方、プロセスとは、文字通り、結論に至るまでの道筋、プロセスのことです。直感で得た結論なのか、一人で分析した結果なのか、多様な意見を求めて一つ一つ吟味した結果なのか、対立する視点を取り入れ検討したのか、あいまいな点を洗い出しきちんと話し合ったのか、など、

どのようなプロセスを経て、意思決定がなされたか、という部分が、決定の質を決める”というのです。

これは、まさに、意思決定に至るまでに、スポットライトを左右に移動させるプロセスを踏む、ということを意味しています。

意思決定に、スポットライトを動かすプロセスを入れる

先ほどの例に戻って、ジョンを解雇した方が良いか、残した方が良いか、の意思決定をする際に、解雇した場合のメリット、デメリット、残した場合のメリット、デメリットを比較検討、分析するだけでなく、左右に移動させるプロセスを踏んでみましょう。

解雇するかどうか悩むということは、「彼を解雇した方が会社にとって有益なのではないか」という仮説があるということです。

ここで、スポットライトが当たっているのは、「彼は皆の士気を低下させ、会社に貢献していない」という事実。

では、スポットライトが当たっていない箇所は、どこでしょうか?

まず、今事実と思っているそれは、真実だろうか? という視点があります。シャノンのジョンへの見方は、中立的視野に立って事実を捉えているのか。そこにバイアスや偏見はないのか。

調べた結果・・・、

彼の歯に衣着せぬ言い方は、実は、同僚に気に入られている、ということがわかりました。

次に、スポットライトが当たっていない箇所は?

調べた結果・・・、

彼ほど会社のデーターベースのことをよくわかっている人はいない、ということがわかりました。

スポットライトを動かすと、自分に見えていたメリット、デメリットは、すべてを網羅していないことに気づきます。真実の一部が欠落している情報をいくら分析をしても、ベストな決断はできません。

ハース兄弟は、意思決定の一番の難しさはここにあると言っています。

スポットライトを動かすことを忘れてしまう。それどころか、その小さな光の中にずっと住んでいると、スポットライトの存在さえ忘れてしまう。その外側に広い風景が広がっていることを忘れてしまう。

スポットライトを動かす効用

スポットライトの周りの風景を見て、新たに得た情報があったら、彼を解雇するかしないか、の二つに一つの選択肢しかなかったように思えた問題も、「どうにか彼の良さを引き出して使える人にする」「彼の良さが出るような任務を与える」といった第3の選択肢があることに気づくかもしれません。

或いは、この例ではあてはまりませんが、プランAかBか、のどちらかではなく、AもBも満たす方法があることがわかるかもしれません。

この、スポットライト効果を、ハース兄弟は、「視野の狭窄」と呼んで、私たちが意思決定をする際に陥る4つの罠のうちの、第一の罠、であるとしています。

常に、スポットライトを左右に動かし、今見えている外の景色ー多様な意見をインプットするーというプロセスを経たか、を、意思決定する際には、確認したいですね。

次回以降、第2−4の罠について、お伝えしていきます。

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